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草原オオカミ2

戦闘描写、今回は多少まともにできたと思うのですが......。

 私が宙を勢いよく飛ぶように体力ゲージも勢いよく消えてゆく。それを見て私は使うポーションを咄嗟に変え、それでも減り続ける体力にもう一本使おうかと逡巡したところで、地面ギリギリの視界の端にニィナが映った。

 彼女はさっきまでのオオカミに正対している。その背後に灰色の何かが動くのが見えた。


「ニィナ後ろ!」


 地面に激突する寸前、肺の中の空気を全てつぎ込んで叫ぶ。

 ニィナは思いっきり舌打ちして目の前の手負いのオオカミに向かって【ダークボール】を放ったあと、背後に迫っていた方に【グレートスラッシュ】を叩き込んだ。

 ギリギリで届いたオオカミの爪がニィナからダメージエフェクトを散らす。


「かなりまずいっ」


 私は急いで体を起こし周囲を一瞥した。

 ポーションで何とか持ち堪えた私の目の前に一匹。これはまだノーダメージ。【ダークボール】を受けたのは消えて、新たにニィナと向かい合っているのが一匹。こちらは体力が七割ほど。

 一方私は体力とポーションの残りが心許なくて、ニィナはMPが尽きかけで、その上さっきの攻撃で私はニィナから引き離されてしまっている。ここまでで二人合わせて一匹を倒したという事実を考えると負けはほぼ確実だった。


「退がろう。撤退」


 これはさすがにどうしようもない。ニィナも分かっているのだろう、私の提案にオオカミを見据えながら小さく頷こうとしたようだった。

 実際には彼女は途中で首を横に振って正面遠くを指さした。

 追加のもう二匹。

 無味な笑いが出た。


「撤退するなら最初からだったかあ」


 向かい合っていた一匹が私に襲いかかってきて、その時点で私はニィナから目を離した。向こうに三匹いると分かっていても目の前の一匹で精一杯だった。


「ごめん、ニィナ」


 次は魔力草に固執しないようにするから。

 私は右手の短剣を強く握りしめ、目の前に迫っていた顔面に思いっ切り振るう。地面に叩きつけられたオオカミは起き上がってまた私に向かってくる。そこに再び短剣。それと同じようなことを私は三回くらい繰り返した。


「手応えはある、けど」


 ダメージ量が小さい。これを続けて倒すにはあとどれだけ必要だろう。短剣使いのスキルを使えれば良かったが、もう少し敵の体力を減らしてからでないと技後硬直で死にかねない。しかも敵はこの一匹で終わりではないのだ。

 自分の前に続く暗闇にふと力が抜けてしまった。オオカミが私めがけて走ってきていたというのに。

 右手の感触が消えた。


「バカか私っ」


 カラーンという金属音が少し離れたところで響いた。もうすぐ来る終わりを告げる音だった。

次回は20日の午前中に投稿予定。

続きが気になる、という方はブックマークや評価をしていただけると幸甚です。

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