第99話 特訓の成果っ! その2
セシリアは頃合い良しといった表情で中央に躍り出る。
セ「私は今まで我流の使役術でこれまでガネーシャと共に戦ってきました。…けれどそれでは壁にぶつかりましたわ。
辛く長い、基礎からのレッスンの日々。それがようやく1つの形になりましたわ。
私の成長ぶりをとくとご覧あれ!」
セシリアは腰の専用ホルスターにグレイビーボートを仕舞うと軽く擦る。
すると、両腕を自由にしたセシリアの傍らにガネーシャが出現した。
リ「おおーっ、ついにやったんだな。カポエイラも本領が発揮できるってもんだな。」
セシリアは岩を仮想敵にカポエイラとガネーシャの連携を披露する。激しい攻撃の中、岩に跡が次々と刻まれる。
ナ「あれだけの動きをセシリアは今まで出せずに秘めていたのだな。もったいないことだ。」
メ「あのホルスターを作ったのは私ね。ねぇ、偉い?偉い?」
今度はリオンとコルックだった。
リ「次は俺たちだ。俺はついに巌裂きをものにした。…なんとか出せるようになったと言うべきか。」
ミ「すごいじゃないスか!」
リ「ただそれにはコルックの力を借りる必要があるがな。コルック。」
コ「は、はい。…実は僕は僕でログの内容をストックできるようになりました。良いログがあれば3分で流れる前にキープしておけるんですね。
ま、前にクロさんと戦ったときはこれをフルに使ったんですよ。
さて本題のリオンさんの件ですが、実はそれとは逆に悪いログが重要になります。
き、窮鼠スキルを使うためのゲージ、としましょう。それが大きく貯まるには悪いログにかかっている状態が良いようです。」
リ「ものは試しだ。コルック!」
コ「は、はい!『悪魔の抱擁!スピードが低下し、スリップダメージを受ける!』」
リオンの周りに黒い霧が立ち込める。
リ「このときに大人しくしていちゃいけねぇ。多少無理でも、動く!足掻く!うおぉぉお!」
リオンがデバフの中で必死の動きを見せる。
リ「見えたぜ!巌裂き!!」
リオンの剣先から伸びた衝撃が岩まで伸びて、左右に両断した。
すごい、とミカが目を丸くして驚く。
リ「はー、はー、へへっ、今は消耗が激しくていけねぇ。
早いとこ実戦で扱えるよう精進していくぜ…。」
リオンがへたりこんだところで次へと交代となった。
ミ゙「最後はミカ、コルックくん、ダフダフちゃん、アロさんの合体技っス!壮観っスよ!」
リ「あれ、最後か?ミカ、お前のあの技はどうなった?」
ミ゙「あれはまだ形になってないっス…。」
そうか、とリオン。
ア「僕たちの技は、私が初めて開発した戦闘補助器具に3人が乗り込んで行うものです。ではこちらを。」
上からみると大きな輪になった低い円柱状のレール。それに長細い筒状のものが取り付けられている機械がコルックによって運ばれてきた。
機械下部には車輪が設えられていて、押すと容易く移動できるようだ。
ア「では3人とも、お願いします。」
中には騎乗スペースが3席あり、真ん中の2席にミカとコルックが、周囲を外の筒状のものと連動して周回する席にダフダフが乗り込んだ。
ア「ミカさんはエネルギー源、コルックくんは守りの要、そしてダフダフさんは攻撃役をやってもらいます。
コルックくんシールド展開どうぞ!」
瞬間に機械にドーム状の壁が展開され、かまくら状の見た目となった。
マ「なるほど、守りはこういうわけか。」
ア「シールドが破壊されそうになっても、ミカさんのおかげで中から次々に展開できるのでかなり強力なんですよ。
そして砲撃、どうぞー。」
筒状のものから弾が放たれると、遠くの岩を直撃する。一瞬のあと岩は粉々になった。
セ「威力?距離?どちらもハンパないわ!どうなってるの?」
ア「あれはミカさんのマナを凝縮して凝縮しきった弾丸をダフダフさんの霊札で制御して大爆発させています。
距離に関してはダフダフさんの力量で、僕も正直あれ程のことができるとは思っていませんでした。」
どんどん弾が発射され、次々に破壊されていく岩。
ア「も、もういいですよー。ダフダフさん、またかな…。」
ナ「ダフダフがどうかしたのか?」
ア「彼女止まらなくなっちゃうんですよ、興奮して。」
機械のシールドが解除される。
ダ「だっひゃっひゃぁぁ!壮観だね!ミカミカー、次の弾っ、早くっ!早くっ!」
ミ゙「落ち着いて、もう十分っスよ!」
なんとも言えない雰囲気になる傍観者達。
リ「…とにかく、ダフダフには毎日座禅でも組ませようか。」
メ「それがいいわね。」
ア「ま、まぁとにかく、これだけの威力、射程、防御力を携え、自走もできる。360°砲塔回頭可。
これが今回の戦闘補助器具です。その名も」
ミ゙「ムービング・トーチカっスね!」
ア「んー、美味しいとこ言っちゃいますねぇ〜。」
またそれぞれの進歩が確認できた。一歩ずつ成長を噛みしめられたはなまるパーティであった。




