第98話 特訓の成果っ! その1
今日はマイアの働きかけで、はなまるパーティ全員の修練と勉強の成長ぶりをお互いに確認すべく、メンバーが一堂に介して集まったのであった。
場所は街から外れた閑散とした荒野が選ばれた。大暴れしてしまっても問題ない地形である。
夏も終わりを迎え、風が吹くとなかなかに寒さを感じる。
マ「さぁ、やってきたね。いつもの修行の努力を見せる場だよ。早速やっていこうか。
どう?我こそはと思う人はいるかい?」
無意識にハードルを上げてしまっているマイア。そのせいもあってしばらく立候補者は出てこない。
マ「みんな、引っ込み思案は良くないよ?じゃあ私が最初に行かせてもらおうかな。」
マイアがつかつかと前に出る。いつも魔法を出す時に補佐に回るミカはいない。
コ「み、ミカさんの補助なしでいいんですか?」
マ「戦闘中は今まで通り助けてもらうけど、今日は私個人の実力を見てもらおうと思ってね。」
マイアは集中してエアロを詠唱する。岩にあたった魔法弾がその表面を吹き飛ばした。
ダ「なかなかいい威力だねー。敵の足止めにもつかえそうだね。でへ。」
マ「これだけじゃないんだ。私は魔法の打ち分けができるようになったんだよ。今のが拡散弾。次は収束したものをいくよ。」
次のエアロは鋭く弾速の早いものだった。岩に着弾するや否や、砂煙を上げ岩に深い穴を穿っていた。
ナ「…素晴らしい破壊力だ。雑魚なら十分仕留められるだろう。これは実践での活躍が楽しみだな。」
メ「いい模範演技だったわ。じゃあ次は私。
セシリア、ガネーシャに仮想敵をお願いしてもいいかしら。」
セシリアはガネーシャを召喚すると、メメに向かわせる。
メ「私は眼筋の強化と、敵の動きを『見て』瞬時に分析することに時間を費やしたわ。
今までは自分より少し早い敵には単体では太刀打ちできなかった。
けど重心の移動や関節の位置、目線、打撃の流れなどを観察することで多くの攻撃を捌けるようになったし、当てることもできるようになった。」
ガネーシャがメメに襲いかかる。
メメはガネーシャの掌底を丁寧に反らし、受け止め、器用に攻撃を凌いでいる。
十数秒はあったろうか、とうとうガネーシャの猛攻を一度も喰らうことなく凌ぎきった。
メ「敵の動きがよく見えれば、攻撃を躱すも当てるも自在ね。クロには太刀打ちできなかったけど、私はまだ成長するわ。
これからの前衛に期待して頂戴。」
どこからか感心のうなりがあがる。
ナ「じゃあ次は私が行こうか。私はここに来て期間も浅く、それほどの成長というものもないんだ。
だがダフダフに教えてもらった中で変わったことができるようになってね。」
ナギサはファイティングポーズをとる。更に気合を入れると拳の周りに炎が出現した。
ナ「付魔術というやつさ。これで攻撃すると属性有利が取れることがあるね。氷属性も扱えるぞ、ほら。」
ナギサは今度は器用に手の先に氷を纏わせる。
ダ「普通はかなり難しいんだけどねー。エンチャントチャームを自前でやっちゃうんだから天才的なセンスがあるんだね。でへ。」
ミ「エ◯ワラーじゃないっスか…!これが成長でなくて何なんっスか。属性闘士かっこいいっスねぇ。」
ナギサは拳に全身の力を乗せて岩に叩きつける。岩には中央から放射線状のヒビが入った。
それに釣られ、残るメンバーもテンションが上がってくる。次に前にでたのはセシリアであった。




