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第97話 閑話休題 18 ルポ・はなまるパーティ


 俺はスピニアのしがないルポライター、バロット。


 お茶の間が気になる話題をお届けするのが俺の役目だ。自分で言うのもなんだが、時には辛口の忌憚のない意見で切り込んでいくやり口が受けている。


 今日のターゲットはこのところスピニアを賑わせているキャラバン、ゴーゴー!キャラバンとそれを経営するはなまるパーティだ。

 なんとこのパーティ、スピニアからの魔物調伏依頼も解決しているそうだ。腕っぷしはなかなかのようだな。


 若い男女が主催していると聞くが前評判はそれなりといったところ。

 だが俺はそこらの優しい批評家じゃないぜ。がっかりさせてくれるなよ?



 さて今日はゴーゴー!キャラバンが開催する曜日だ。俺は調べていた場所に辿り着くとキャラバンはもう机と椅子を並べて屋台を開けていた。


 客は店が開いたばかりでぽつりぽつりといったとこか。俺は全体が見渡せる場所を見繕うと、どっかりと腰を下ろす。


 すぐにメニューらしき物とお冷を持って小さなおさげの女の子がやってきた。このスピード感悪くないぜ。だが、後ろから女の子に声がかかる。


 どうやら女の子が持っていた冊子はメニューではなく武具のカタログということだった。おいおい、どういうことなんだ、しっかりしてくれ。


 小さな女の子に声をかけた栗色の髪の子がメニューをもってきてくれたおかげで、俺は注文ができた。だが何とはなしに眺めていると、さっきの小さい女の子がこれはまぁよくミスをする。

 おつりが違うのだの、料理をもってくるお客を間違えるのだの枚挙に暇がない。


 困ったもんだ、これは減点だな。と思う一方、不思議と嫌な顔をする客はいないようだった。

 女の子の卑屈にならない明るい対応が、見ているこちらも元気にさせてくれるようなのだ。


 すると次いで、逆方向からスケベ!と声が上がる。何やらポニーテールの店員が男の店員を叱責したようだ。

 だが話を聞いてみるとどうやらおかしい。男の方には罵られるような謂れはないのだ。

 だがポニーテール曰くセクハラは受け手次第、気を付けてあたる様にと言い含めている。なんだこれは。減点。


 今度は逆サイドから覆面の店員がいつの間にか近づいていた。ギョッとする間もなく、お冷のおかわりがいるかどうか聞くなり水を注いで去っていった。

 この店員は事前の調査によると一つ目の魔物ということらしい。自らの風貌が周りに悪い影響を及ぼさないよう、覆面をつけて接客にあたっているらしい。


 だが実は今ではその事情はスピニアの多くの人の知ることになっている。自分たちのために商売をしてくれて、依頼では矢面に立って戦っているものを悪く思うやつはそういないだろう。

 もう少しお客さんを信用するんだな、減点。なに、すぐ覆面は取れるようになるさ。


 その後も、たどたどしい口ぶりの男の子の話が聞き取りづらく(本当は若い女にそれが可愛いとキャーキャー言われていたので口惜しく)減点、オーホッホッホと高笑いする女が目に余り減点、お団子頭がにやにやして減点、牛乳瓶眼鏡男がタコを暴走させかけて減点と結果は散々だった。


 そう、散々だった…。

 だが不思議とこのキャラバンには人を惹きつける魅力があるようだ。気づけば空席待ちのお客さんでいっぱい。そろそろお暇することにしようか。


 今回のルポはスピニアに定期的に訪れるゴーゴー!キャラバンの記事だった。みなさんも一度足を運んでみてはどうだろうか?


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