第94話 晴れ渡る空 その2
いつもの宿屋を出て、少し行った空き地。
爆発の危険があると言うことで、居座る通行人がいれば事情を説明しながらどいてもらい、慎重に首輪の解析が進められていた。
ミ「ダフダフちゃん、おつかれさまっス。様子はどうっスか?」
長時間、防御円陣を貼って疲労困憊な模様のダフダフ。それでもにこにこと笑顔を崩さずにミカの質問に答える。
ダ「まず最初は首輪の火薬の量をセンサーで調べたねー。これがなければ話は早かったんだけど、さすがにそれなりの危険がある量が首輪には含まれていたみたいー。
そこでこのダフダフちゃんに白羽の矢が立ったよ。クロちゃんには至近距離過ぎて難しいけど、周囲で調査にあたるメンバーには防御円陣の霊札を立てることで不慮の爆発にも対応してるんだー。」
マ「クロに防御円陣を貼って、首輪を無理やり取り外すということもできるのかい?」
んー、とダフダフ。
ダ「できるし、成算の見込みもなくはないけど、それはあくまで最後の手段だねー。
さっきも言ったけど近すぎて円陣が機能せず致命傷になりかねないから、穏便に済ませられるなら他の手段を取りたいところだね。
円陣自体は作業中は常にクロちゃんと作業にあたってるメンバーに巡らしているよ。おかげで疲れることこの上ないけどねー。」
マ「そうか、無理せず休憩を取って進めてね。」
ダ「そうさせてもらってるよー。でもダフダフも力になりたいんでがんばるぜー。」
ありがとう、とマイア。
今度はアロに様子を伺う。
ミ「アロさん、進捗はどうですかな?」
ふむ、とアロが言う。
ア「さまざまな検査を施しましたが、なかなか憎いことに首輪は最低限の性能を備えているようですね。さすがに研究所が脱出の前科があるクロさんを外に出しただけはあります。
しかし弱みが全くないわけではないです。それは首輪を着脱するときの接合部分です。
クロさん、研究所で首輪を取り外すときはどうされていましたか?」
ク「ええ。専用の椅子に座って、機械の接合部分を椅子に接続することで首輪を外していたわ。それから首輪を充電する間、報告をしたり食事を摂ったりしていたの。どうして?」
ア「なるほど。
簡単に言うと首輪の接合部分両端に電気回路の受け手が付いていて、この両側に電気が流れている間は首輪は『繋がっている』と判定されるのですね。研究所でも専用の機械があって着脱を可能にしていたんでしょう。
私は両側の接合部分に電気を流して、首輪の間の部分を破壊、クロさんに首輪を外してもらおうと算段を付けました。
それなりに危険ですが首輪の脱着方法はこれがベストでしょう。クロさん乗ってくれますか?」
クロの返事はそっけない。
ク「負けてもともとのギャンブル。追加で与えられたのは勝ちの目しかないわ。アロさん、あなたの方法でどうかお願いします。」
わかりました、とアロは答える。
そうして接続部両端に電気を流す用のと首輪の間を破壊する用の器具を作るため、宿屋に戻ったアロは急ピッチで作成を進めた。




