第9話 ログテイカー、コルック その1
リ「久しぶりに来たな。この荘厳な感じ、ピリピリするぜ。」
マ「あぁ、そうだね…。」
マイアも少しレベルが上がってわかるようになった。
この空間には規則正しく配列されたマナから生じる雰囲気が、肌に痛いほど伝わってくるのだ。
ミ「んー、なんかお腹すいてこないっスか?」
かたやレベルの一番高い当人は何も感じてないようだった。
マナの許容度が桁違いゆえに何も感じないのだろうか?とマイアは思ってしまう。
リ「バカ言ってねぇでさっさと開始するぜ。パネルは危険だからマイアが指示してミカに操作させろよ。」
マ「ミカ、おいで。そこに手を触れるんだ。」
表示される『ようこそ』の文字。
そしてマイアの指示通りミカが操作すると転生装置が起動した。
ミ「うーん、マナが吸い取られるー。」
マ「具合が悪くなったらすぐ手を引くんだよ。
今度は私たちが無事だから、最悪ミカが倒れても何とでもなる。
だが、そんな事態はもちろん避けるようにしてね。」
マナの供給は程なくして終わり、中央の円に光の柱が立った。
しばらくすると黒い影がはっきりとした形を帯び、光の柱が引いて行った。
『転生完了いたしました。』
?「うーん、あっ、本当に転生してる!へへっ」
ミ「男の子っスねぇ。それにしても背が小さい…。」
転生されたのは聖職者の衣装を着た、かなり小柄な少年だった。
パーマがかった黒髪は耳までかかり、ぼさぼさである。
前髪も同じように伸び散らかし、瞳を伺うことはできなかった。
マ「ミカ、失礼だよ。」
?「あなたたちが転生装置を起動してくれたんですね。あ、ありがとう。」
マ「私はマイア。こちらがミカ。向こうのがリオンだ。君の名前を聞かせてくれないかい?」
コ「ぼ、僕の名前はコルックです。」
で職業は?とリオンが聞く。
コ「僕の職業は、ろ、ログテイカーといって神官の派生職業なんです。
神官の役目ならもちろん一通りお役に立てます、はい。」
瞬間マイアの目にジルクが浮かぶのをミカは見逃さなかった。
マ「ということはレベルの鑑定もできるんだね。」
コ「一応はできます。ヘヘっ。
しかし慣れた方と違ってかなり正確にとは行きませんし、結局素材も高くつくので施設があれば専門の鑑定を受けるほうが、ん、賢いですかね…。」
マイアは分かりやすく肩を落とす。
コ「し、神官としてできることはバフをかけたり、聖属性の攻撃をしたりですかね。
回復ももちろんできます。ヘヘっ。
た、ただ長いダンジョンだとガス欠を起こすので期待しすぎは禁物です…。」
ミ「それには及ばないっス。さぁ手を出してみるっスよ。」
コルックの差し出された手をミカは握り返す。
コ「え?え?なんですかこれ。すごいマナが流れ込んできます…。」
ミ「ミカの特殊能力っス。ミカがいれば長旅も安心っスよ。」
コ「こ、こんなことが出来る人がいるなんて…すごい世界に来ちゃったかもです。」
会話にリオンが割って入る。
リ「ちなみにログなんちゃらってのはどんな職業で何ができるんだ?」
コ「それは…んん、ちょうどいい『ログ』が来てるんで見てもらった方が早いと思います、はい。
ここは壊しちゃいけなさそうなので場所を変えましょう。」




