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第89話 クロ決戦 その2


 ミカをおんぶしたリオンがクロと対峙する。


 クロはそれをジロリと下目遣いに見やる。


ク「あなたたち今の状況がお分かりかしら?パーティは瓦解し、あなたたちに運命が託されているというのにそれは何?

 あなたたちの矜持はそれだけのものだったのかしら?

 怒りを通り越して呆れたわ。お遊戯なら帰って食後の腹ごなしにでもなさい。」


 クロはミカとリオンを睨みつける。


ク「眠らせてあげる。」


 地面を蹴るように駆け、リオンに襲いかかるクロ。


 しかしリオンの動きは存外に俊敏だった。クロの拳は空を切り、逆にクロの側面に回り込んだリオンが、渾身の蹴りをカウンターで食らわせた。


 蹴りの威力で地面に跡をつけながら後ずさる。痛みを滲ませた顔を背け、ぷっ、と血を吐き捨てるクロ。向き直る。


ク「なるほどなるほど。膂力に速度にバフを限界までかけて私に対抗しようとしたのね。効果はあった。たしかに一撃はもらったわ。


 ただそれだけのバフ、いつまで続くのかしら。

 それにそんなお荷物を抱えてちゃあ、蹴り技しか繰り出せないでしょうに。

 あなたの足運びにさえ気を付けていれば、いくら俊敏に動こうが次の被弾はないわ。」


 再びリオンに襲いかかるクロ。バフを消耗させる狙いで、不意の攻撃への対処にも余念がない。

 クロからの攻撃をもらわないためにも蹴り技を出している隙など無くなっていた。


ミ(ミカのマナでバフを100%の効力で継続して使い続けるバーサーカースキル、成功したっス。しかし手を使えない弱点はやっぱり施しようがなかったっスね。正直ピンチっス。)


リ(片手はマナ補給のためにお前の掌を、もう片手はお前を保持するために体を支える必要があるからな。

 しかし、エンパワーにヘイストにおまけにコルックのログとバフが山盛りだ。早く仕留めねぇと体がいかれちまうぜ。

 ミカ、『七支刀』を出せ。)


ミ(七支刀っスか?けどあの武器は人に向けるのは憚られるっスよ…。)


リ(言ってる場合か。おまえだってヌマルルを助けたいだろ?)


ミ(もちろんっス!ヌマルルちゃんが研究所に連れていかれるなんて絶対に反対っス。)


リ(ヌマルルがしぶといようにクロもそう簡単にくたばる玉じゃねぇ。手を抜くなよ。)


 リオンはクロから少し距離を取る。そしてミカは背中にかけていた長い鞘からギザギザの長剣を取り出した。


ミ「これはミカたちがレアモンスターを狩るときに使っていた量産型武器の元になった物っス。そこで倒れているメメが作ってくれた武器っス…。」


ク「あらあら解説してくれるのね。勉強になるわ。」


 優勢を自認しているクロはくすくす笑う。


ミ「量産型の武器は防御力に関わらず3~4程度のダメージを与えるものだったっス。レアモンスターは体力が低いのでそれで効率よく狩れていたっスよ。」


 それは怖い怖い、とクロ。


ミ「今回のこの武器は量産型とは違うっス。防御無視はそのまま。与えるダメージは使用者のレベルの1/10という代物っス。ミカたちはこの武器に『七支刀』という名前を授けったっス!」


 ミカが七支刀を構えると、リオンが弾きだされた様に飛び出す。

 ミカは七支刀と一体となって、リオンがそれをバフのかかった腕で操っていた。


 クロは寸前、野性の勘で七支刀の危険を見抜いた。しかし一瞬の反応の遅れが、七支刀を右手に受けることを許してしまった。


ク「きゃあああああ!この…このダメージは、一体?」


 クロの右手は外傷こそないものの、マナがすっかりはじけ飛んでしまった。だらりとぶら下がって、もはや力もマナも伝わらない。


ミ「七支刀は使い捨てだけどまだまだあるっス。

 こちらが燃え尽きるのが先か、クロちゃんが倒れるのが先か…いざ尋常に勝負っスよ!」


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