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第71話 鍛冶屋メメ、開業 その4



 宿屋の一行。

 夏の夜も日暮れに差し掛かっており、辺りは暗くなり始めている。



セ「食事の片付けが済んだわ。虫の声が綺麗な季節になったわね。」



 かたやマイアは時計に目をやり心配そうにつぶやく。



マ「そろそろ、ミカとメメの様子が気になるね。


 メメは根を詰める方だし、時間の許す限り鍛冶をやってそうで怖くなってくる。


 ちょっとみてこようかな。」



 マイアが腰を浮かしたちょうどそのとき、リオンが玄関から入ってきた。



リ「終わったぜ。

 成果は上々、明日にでも武具の試行が可能だぜ!」



 リオンが鍛冶で作られた武具防具をざざっと机に広げる。



 続いてメメとミカが玄関をくぐってくる。



ミ「疲れたっスー。」



メ「おまたせ。想定より多くの武具を作成できたわ。

 稼ぎ用にもクエスト用にもばっちりよ。」



 メメも同じように運んできた武具を、今度は置き場がないので床に広げた。



ア「一日ですごい量ですね…。

 みなさん、おつかれさまでした。」



 たくさんの武具の中からそれぞれのメンバーに適したものを選んでは、メメが渡していく。



メ「例えばリオンには、より軽くより硬い龍鱗の鎧と片手盾。

 それにチタン合金の片手剣と、背中に鈍器としても使える大型両手剣を作成したわ。


 鑑定の結果も踏まえてリオンが能力を伸ばしやすいように、あらゆる方面に現装備を一新したつもり。」



リ「そういや両手剣を鍛えたらどうか、とは言われていたな。

 戦闘中に戦い方を切り替えるのも敵の意表をつけそうで面白いな。


 ありがとう、精進するぜ。」



メ「他の人も同様。


 守備に攻撃にそれぞれの膂力や持ち味を生かして素材や重さなど工夫してみたわ。


 といっても使ってみるまで分からないことは多い。

 何か不便があったら伝えてね。


 可能な限り戦いやすい装備にして見せるから。」



 はぁ〜、とマイアは嘆息する。



マ「ありがとう、メメ。

 正直これだけの仕事をこんなに早くこなしてくれるとは思わなかったよ。」



メ「ま、私も好きでやっているから。」



 この装備吸い付くようにフィットします―、と満面の笑みで喜んでいるコルック。



 メメはマイアに解説を続ける。



メ「あとここのはフロニア洞窟巡回用の耐熱耐冷装備と、攻撃に使うトリコワンドね。


 巡回用のものは誰でも装備できるようにフリーサイズになってる代わりに、脇が空いてるなど弱点もあるので注意が肝要ね。」



マ「ふむふむ、それで残ってる武具は何の目的なんだい?」



 それはね、とメメ。



メ「売り物用の武具なの。


 鍛冶工房に隣接させて店を開いたり、キャラバンに見本とカタログを持って行って、売りに出せたらいいなと思っているわ。


 質の割に良い物である自信があるから絶対に失敗させないわ。」



 それを聞いてマイアの顔が少し渋る。



マ「うん、それは悪くない。

 むしろお金は必要だしいい案だと思うよ。でもね…。」



 ちらっとミカの方に目配せするとミカは椅子に腰かけ、うつらうつら船を漕いでいる。


 マイアは向き直る。



マ「鍛冶は今のところ、ミカとの共同作業でやってるでしょ?


 メメは鍛冶が好きだから気にならないかもしれないけど、ちょっと根を詰めすぎじゃないかな?


 この武器も今日作る必要はなかったはずだし、辺りはもう日が落ちそうだ。


 これからはちゃんとミカと話し合って、お互いが持続できるルールを決めたうえで鍛冶をするようにしてね。」



 わ、わかった、悪かったわと一つだけの目を逸らし、珍しくしどろもどろになるメメ。



 ミカへの配慮が足りなかったのを今になって自覚しているのだろう。



 反省点はあったが得るものは多かった。

 こうして優良な武具の量産体制がメメによって整ったのであった。



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