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第70話 鍛冶屋メメ、開業 その3


 チャームから吹き出し続ける氷。

 しばしミカは見惚れるように眺めていた。



マ「ミカ、もういいよ、止めて止めて!」



 はっ、我に返るミカ。

 慌ててチャームへのマナの流れを断ち切ると氷の噴出は止まった。



マ「ミカ…。」



ミ「マイア…。」



 一瞬の間を置くと、やった、やったーと手を取りあってはしゃぐ2人。



ミ「ミカ、初めてマナを魔法にできたっスー!修行の成果があったっスよー!」



マ「よかった、がんばっていたもんね。

 今日はミカの好きなものでごちそうにしようね。」



 手を繋いだままぴょんぴょんと跳ね回る2人。

 そこへ申し訳なさそうにメメが割って入る。



メ「おめでとうミカ。努力が実を結んだみたいで嬉しいわ。


 ただ時間もないし次へ行くわね。


 あなたの能力が鍛冶に使えるものなのか確かめさせてもらうわ。

 可能なら鍛造したいものがたくさんあるし、早く着手しないといけないもの。」



ミ「それもそうっスね。

 では鍛冶を続けるっス。あぁ良かったぁ…。」



 炉に火が入り、メメが加工を始める。

 辺りはまた灼熱の地獄と化した。



リ「ミカ、どうだ?エンチャントチャームは使えているか。」



ミ「うん…問題ないっスよ。冷気が体を包み込んで、さっきまでとは全く違うっス。」



 周囲の野次馬たちと違い、確かにミカは厚いエプロンを装備しながらも、汗一つかいていない。



セ「たまげた成長ね。ちょっと置いて行かれちゃったかしら?」



ダ「互いに触発しあうのがいい仲間ってもんだよー。

 セシリアもがんばればまだまだ伸びるね。でへへ。」



 と言っている間にメメが立ち上がる。



メ「装備がまず一つできたわ。

 ここに置いておくけど、熱が引くまで誰も触っちゃだめよ?


 ミカも順調そうで何より。

 私たちは夕食はどこかで軽く済ませて、夜が更けるまでに稼ぎパーティの装備を仕上げるわ。」



ミ゙「ごちそうが流れたっス。」



マ「お祝いはまた今度にしようか。


 それにしても張りきってくれるのは嬉しいけど無理しすぎないでね。


 休憩は2人で相談して多めに摂るように頼むよ。

 それじゃあ私たちは引き上げようか。」



 引きあげようとするマイアらを、待って、と引き留めるメメ。



メ「もしもの連絡の時のために誰か1人残ってくれると嬉しいわ。


 工房内にいなくてもいいし、時々ここを覗いてくれればそれでいい。


 何かあったとき、なるべく手を止めたくないの。」



リ「だったら俺が残るぜ。

 夕食も俺が外で何か見繕って買ってこようか?」



メ「助かるわ、リオン。さて、腕が鳴るわね…!」



 他のメンバーが宿に帰り、リオンは出て行って、工房にはミカとメメの2人が残される。



 ふいにミカが尋ねる。



ミ「今日作るのはフロニア洞窟攻略用っスよね。ちなみにどんな装備を作っていくんスか?」



メ「まずはフェアリー用に防御無視の特効武器の量産型を多数作るわ。


 使い捨てだけど、芯に当てれば必ず3〜5程度の低い確定ダメージを与える武器ね。


 奴ら素早くて防御が固いけど体力は3とか4くらいなのよね。」



ミ゙「当たったら致命傷というわけですな。

 それは美味しい!」



メ「後は耐熱耐冷に適した防具とトリコワンドを作るわ。

 トリコワンドは誰でも炎、水、氷の三属性の攻撃が使える優れものなの。

 さっきできたのがそうね。


 …今のミカなら使えるかしらね。1度試してみてくれないかしら。」



 任せなさい!とワンドを手にするミカ。



ミ゙「さぁさぁお立会い…。いでよ、アクア!」



 しかしワンドはうんともすんとも言わない。



ミ゙「お、おかしいっスねぇ。フレア!フローズン!


 ありゃりゃ何も出ないっス。これじゃ前と同じっスよー。」



 ミカが泣きそうな顔になる。



メ「…チャームは問題なく使えているわね。


 まぁ今は鍛冶に集中して、また宿に帰ったら皆で理由を検討しましょうか。


 私も鍛冶が久しぶりだから、トリコワンドの作成に失敗してる可能性もあるわけだし。」



 メメの言葉はミカの耳には届かなかった。


 果たして自分は本当に強くなっているのか、少し不安を抱えるミカなのであった。



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