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第69話 鍛冶屋メメ、開業 その2



 借りる予定の鍛冶工房の前で、はなまるパーティがマイアを待っている。


 工房にはまだずっしりとした南京錠がかけられていて入れない。

 そこへ遠巻きにマイアがやってきた。



マ「おまたせ、契約してきたよ!

 鍛冶工房の使用許可は下りた。

 これが工房のカギと使用許可書だね。


 大変な時はもちろん私たちが手伝うけど、適度に掃除もしながら大切に施設を使ってね。」



 早く、早くー、とミカがせがむ。

 はいはい、とマイアが工房のカギを開け、一同は借り入れた工房内に入り込んだ。



 物珍しそうに周囲を見渡す一行。

 天井と室内をぐるりと見渡してセシリアが言う。



セ「なかなか広いじゃない。

 しばらくは物品の置き場に困る、ということもなさそうね。」



メ「金額が張るだけあるわね。

 まぁ加熱器を回してみないとわからないけど感触は悪くないわ。


 リオン、ありがとう。

 材料と鍛冶道具はこっちの方においてくれるかしら。」



 メメとリオンは屋台から工房の開けた場所に、荷物をどかどかと下ろしていく。



メ「みんなはまだ帰らないでくれる?早速だけど試運転をやっていきたいわ。


 何か不都合があったら物資などを調達してもらえるよう頼みたいから。」



 オーケー!と元気な声が返る。

 ミカが超加熱器に火を入れて炉にくべ、そしてメメが細かくミカに指示を出す。


 ミカとメメは厚手のエプロンを装着して金床の前に陣取り、構えたメメが火箸と槌で形を整える。


 2人は炉と往復しながら作業を続ける。




――3分後――



ミ「無理、無理っス!メメちゃんストップっス…」



メ「ちょうど興が乗ってきたところなのに…どうして?」



ミ「いや、夏場にこれは暑すぎるっス…。


 武具とかで冒険と洒落こむ前に、熱中症で軽く昇天できるっスよ。

 メメちゃんは大丈夫なんスか?」



メ「夏場に鍛冶が熱いのは当然でしょう?


 水分が足りなきゃ十分用意しているから摂って。

 続けていくわよ。」



 あんまりのメメの様子に、後ろからおずおずと声をかけるマイア。



マ「残念だけどこのままじゃ続けられないよ、メメ。


 離れてみている私たちも汗だくで上着を脱いでいる。

 エプロン装備のミカは数分と持たないよ。」



 ひぃひぃ言いながら飲み物をあおるミカ。

 真っ赤な顔で疲労困憊の様子だ。



メ「自分では気づかなかったけど、熱に強いのも鍛冶に秀でたキュクロプスの特性といったところなのかしらね。


 これは由々しき問題ね、考えてもみなかったわ。」



コ「か、鍛冶場は借りてしまったので少なくとも今月いっぱいは引き返せません。はい。


 ち、超加熱器が使えないのなら、燃料を調達して当面の武具だけでも作りますか…?」



マ「そうだね…。

 燃料の調達に、夜通しの炉の使い方を覚える…いろいろと予定が崩れそうだなぁ。


 ミカさえしっかり涼を取れる方法があれば良かったんだけど。」



 涼を取れる方法、そう呟くセシリアがハッとする。



セ「クリスタルフェアリーからとれたエンチャントチャームはどうかしら。


 あれを装備して鍛冶にあたればかなり暑さを軽減できるのではなくて?」



 なるほど、と声が上がる。

 早速取ってくる、とリオンが宿に駆け出す。



 一方ミカは自信なさげだった。



ミ「あれなら拾ったときにさんざんいじってみたけど、ミカは氷一粒も出せなかったっス。


 エンチャントチャームで涼を取れるとは到底思えないっスよ。」



マ「そう言わずにやってみようよ。

 ミカはあの頃に比べて修行を重ねている。


 マナの扱いにはずっと自信をもっていいと思うよ。」



ア「自分を信じてやってみましょう!ダメ元の精神でいいじゃないですか。」



 数分してリオンがエンチャントチャームを手に帰ってくる。



マ「さぁ、リオン、チャームをミカに。」



 リオンは恭しくチャームをミカに渡した。

 ミカはそれを受け取る。



マ「ミカ、マナの流れを意識して。さぁ、チャームに力を!」



 ミカがチャームに意識を込めたとき、最初、その反応は全くないように思えた。


 しかし刹那の間を置いて、確かに大小の氷の塊がチャームから溢れ出したのだった。



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