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第62話 閑話休題 11 最強における最強



 第1班、召喚術を用いて次々にザコを素早く的確に蹴散らすライネ。


 その姿を目の当たりにし、ミカたちは度肝を抜かれていた。



ミ「ライネちゃん、本当にすごいっスねぇ。


 今、神様がミカに何かスキルを与えてくれるって言ったら間違いなくライネちゃんの召喚術を選ぶっスよ!」



リ「素早さ、殲滅力、緻密な操作。

 どれをとっても隙なく高いレベルでまとめ上げられているな。


 1人でクエストに当たることがあるっていうのも、決して無理をしてなわけではなかったんだな。」



 人は褒められるとなかなか嬉しさを隠せない。


 いつも冷静を保っているライネもほんの少し口角を上げずにいられなかった。



ラ「まぁ、ある程度のダンジョンに1人で挑むというのはやはり危険です。

 我々としても本意ではなかったんですよ?


 ただその時期はトールも忙しい時分で、緊急性の高いクエストに適性のある私が仕方なく、という形になりましたね。」



マ「なおさらすごいですよ。


 強力なオーラを発するゼレさんや凄まじく俊敏なヌマルルさんを置いての選抜。

 ライネさんが適しているとして単独のクエストに送り出されたんですね。


 尊敬しちゃうなぁ。」



 耳をぴくぴくさせるライネ。口元が『ω』の形になる。



ラ「私たちは広く色んな住人や冒険者たちのためにできることをするだけです。


 持っている力は使う、それだけなんですよ。」



 大人だなぁ〜、とはなまるパーティ一同は嘆息する。



 そこで出し抜けにミカが尋ねる。



ミ「ふと気になったんスけど、実際のところトールの中で総合力で1番強いのは誰になるんスか?」



 ライネはその質問を受け、軽く咳払いをして答える。



ラ「これは内緒の話なのですがお答えしましょうかね…。

 戦闘に於いて1番苦労するのは、知性ある強力な敵が集団で現れたときなんですね。


 リーダーやヌマルルは数体程度の強敵相手なら遅れをとることはありません。

 しかし強力なパーティが数個単位で動いてくるとなると苦戦する可能性はあります。


 そういった時勝負の帰趨を決めるのは『数』なのですね。

 私なら相手がどれだけ襲ってこようとそれに応じた数の召喚術で蹂躙するのみです。」



マ「するとやはり1番はライネさんということに…?」



ラ「ただトールはあくまでリーダーを中心にまとまっているパーティ。


 今回のことはどうかここだけの秘密ということでお願いしますね。」




 ところ変わって第2班。

 ヌマルルの活躍を前に圧倒されるセシリアとダフダフ。



セ「おつかれ様、ヌマルル。この戦闘もほとんどあなた1人で片付けちゃったわね。」



ヌ「いんにゃあ、あなた達がちゃんと身を守ってくれているから後顧の憂いなく戦えているのにゃ。」



ダ「いやはや敵に襲われる間もなくヌマルルちゃんが倒してくれちゃってるからねー。感謝感激ぃ。」



 合流地点まで半分を越えたころ、セシリアが唐突に質問を投げかける。



セ「ところであなた達トールの中で1番強いのは誰になるの?教えてほしいわ。」



 頭をポリポリ掻くとヌマルルが答えを返す。



ヌ「色んな状況によって得手不得手がもちろんあるから一概にはいえないんにゃけど…。


 戦いの分かれ道になりやすいのは『どれだけマナスキルに依存してるか』かにゃあ?


 リーダーもライネも使うスキルは多くマナを使うにゃ。


 ダンジョンの道中でマナの使用量を細かく計算しながら戦闘したり、或いはマナが使えない・消費量の激増する状態異常を食らったり、そもそもマナを使い果たしたり…。



 悩み事が多くて強力な魔物相手だと実力を発揮するのも大変にゃ。」



 一転、胸を張りどんと拳で打つとヌマルルは続ける。



ヌ「かたやこのヌマルルにゃ。マナスキルがないことはないが、それはあくまで使える時のダメ押し!


 普段の戦闘の8割…いや9割がたは全くマナに頼ることなく戦闘ができるのにゃ。


 単純戦闘における決定力に大きな差のない3人からしたら、これは様々なイレギュラーを避けられる有利な戦闘特性なのにゃ。」



セ「確かにこれだけの戦闘力でマナをほとんど使わないなんて素晴らしいわね!トールで1番という説、十分頷けるわ。」



ダ「使役術に霊札に私たちはマナがいくらあっても足りないからねー。ミカミカー、帰ってきてぇー!」



ヌ「にゃっはっは。不安にならずともこのヌマルルがいれば安心してよいのにゃあ。」




 こちらは第3班。


メ「突入の時刻までまだ少しあるわね。

 私せっかちだから時間を決められるとつい気が焦っちゃうわ。」



ゼ「はは。サーター洞窟内の敵は大したものはいない。ゆっくり攻略するつもりで構えていればいいさ。」



 あのぅ、とおずおずとゼレに会話を振るコルック。



コ「こ、こんなこと聞いてもいいのかわかりませんが、トールさんの中で1番強いのってどなたなんですか?


 ど、どこで聞いても最強のパーティとの触れ込みなので、その中でも誰が1番なのかつい気になっちゃって。はい。」



メ「そういえば気になるわね。あなた達3人とも体に帯びているオーラが途轍もないもの。」



 ふむ、と応じるゼレ。



ゼ「最強か。強いていうなら…やはり俺になるかな。


 ライネもヌマルルも通常の戦闘では無類の強さを誇るが、決定力にやや欠ける。


 本当に強靭な防御力を持った大型の強敵に、効果的なダメージを続けて通せるのは俺だけになる。


 俺がリーダーというのもそこが買われてだろうし、2人も俺をそう信頼してくれている。


 変に謙遜するのもそれはそれで失礼だろうな。」


 

メ「えらく自信があるのね。でも、それが信頼からなっているのは素敵よ。」



ゼ「洞窟の中では俺が先陣を切ろう。

 トールリーダーの実力はそこでお見せするとしよう。」



コ「か、かっこいいです…。期待してます。」



 場所を違えた三者三様の『最強』。

 何よりも不思議なのは、こんなに意見の合わない3人が今まで大きな喧嘩もせずにやって来れていることだと思いませんか…?


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