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第61話 トール、その実力っ! その2



――第2班の様子――



 ヌマルル、セシリア、ダフダフが刻一刻と時を刻む時計とにらめっこしている。



セ「時間ね。行きましょう。」



 その合図を皮切りに3人はサーター洞窟へ入って行く。



ヌ「いやー、むさ苦しい男がいない行軍は何気に久しぶりかもしれないにゃ。


 協同クエストでも男と組むことが多いし、単独でダンジョンに突入したとき以来かにゃ?」



ダ「じゃあ、男抜きで話し相手がいるのはもっと珍しいのかなー。」



ヌ「そうなるにゃー。

 せっかくの機会だし色々とはなまるパーティさんについて教えて欲しいにゃ。」



セ「それは良いんだけど…それより今回協同クエストに誘って貰ったのってどうしてなのかしら。


 今まで1度もトールさんとはそういう接点がなかったから、ちょっと不思議なんですの。」



 うーん、と考え込むヌマルル。少しの間を持って口を開く。



ヌ「もちろん9割方は前の件のお詫びってわけにゃんだが…。

 うーん、言っちゃうか、言っちゃおうかー。


 実はうちのリーダーは、はなまるパーティさんにもっとミルーの他のパーティとも交流を持って欲しいと思ってるんだにゃ。


 ヌマルルは隠し事苦手だから言っちゃったけど、これオフレコね。にゃん。」



セ「交流、ですか。」



ヌ「大抵のパーティは、互いに情報交換したり、協同してクエストに挑んだりするにゃ。


 そうしてアイテムや装備を売買しあったりして活発に交流して効率よく強くなってるにゃ。


 一方はなまるパーティと言えばミルーでも孤高のパーティ。


 メンバーの出自にも口が重いため距離を詰められず、その実たった1つのパーティのみでメキメキ実力をつけている、という触れこみにゃ。


 話を聞いたり、一緒協同クエストに参加したいというパーティも実は多いのにゃん。」



 なるほどねー、とダフダフ。



ダ「嬉しいことかもしれないけど、うちがクエストに出るとミカミカのことが浮いてくるよねー。


 マナは能力がバレるので補給できない。

 かといって何もしなければあの子何のためにいるの、ってなっちゃうねー。


 お留守番っていっても聞かないだろうしねー。えへ。」



ヌ「その辺は難しいところだにゃ。

 でもたまにはこうやってうちと協同クエストをこなしていって、いずれ解決案なんかが見つかればいいと思うんにゃ。


 お節介のうちのリーダーはそんなことを思っているわけなのですにゃ。」



セ「なるほどね。

 あなたたち色々と立ち回って大変そうね。」



ヌ「まぁ好きでやってるにゃ。

 みんな仲良く!とは行かないけれどそれに近づけるべく奮闘中なの…っと敵だにゃ!


 4足型2体に不定形6体にゃね。」



ダ「えらく大所帯だねー。

 こっちの数が少なくてもお構いなしときたもんだね。」



 ヌマルルが2人の方を振り返る。



ヌ「トールの前衛の役目を任されているヌマルルの力を見せたいにゃ。


 この戦闘、ヌマルルに預けてくれにゃいか?」



 思わず目を合わせるセシリアとダフダフ。

 ヌマルルに向き直るとコクリと頷いた。



 現れた敵影はバーナブーと洞窟スライムだった。



 ヌマルルは束の間力を抜いたかと思うと目を見開いた。

 その瞳孔は縦に細く伸び、獲物を前にした猫さながらだった。


 軽く身震いしたその体は、全身の筋肉がパンパンになるほど膨れ上がり、セシリアにはさっきまでと同じヌマルルとは思えなかった。



 ヌマルルは低い唸り声を上げると、後ろ脚で地面を蹴り出し魔物たちに襲いかかった。


 一迅の風が吹く。

 すると魔物はいつの間にやらマナに還っていた。



ダ「ありゃりゃ、あっという間に終わっちゃったね。」



セ「おそらくバフ込みのリオンより早いわね…。

 誰からやられたのか分からないほど。」



 帰ってきたヌマルルは満面の笑みだった。



ヌ「これがヌマルルの実力にゃ。

 トールも馬鹿にはできないでしょう?


 といってもずっと全力だとガス欠になるから、これからは一緒に戦いましょう、にゃ。」



 セシリアとダフダフはヌマルルの圧倒的な力に驚きながらも、1班との合流地点に向かっていったのであった。


 

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