第60話 トール、その実力っ! その1
――第1班の様子――
ミ「はい、ライネちゃん、お菓子あげるっスー。」
ラ「あらあら、これはどうも。ありがたくいただきますね。」
リ「これから本番だってのにえらく余裕だな。」
マ「まぁ今回のクエストの魔物はCの下かDの上相当だという話だから、そう気構える必要はないかもね。
人数が少ないのは私たちには不慣れだけれども、トールさんにとっては大したハンデではないですよね。」
ラ「トールは少数精鋭でやっていますから、私一人でクエストにあたることもありますよ。
私は神官ですが前衛もこなせますので。」
マ「そうなんですか。
ぜひ今回はその実力も見ておきたいですね。」
リ「楽できそうでなによりだ。
神官が前衛ってのもなかなか興味深いな。
…そろそろ時間だな。行こうぜ。」
第1班は洞窟に入っていく。
ミ「うーん、メメちゃんがいないと敵の感知ができなくて敵がいきなり出てきそうっスね。」
マ「前はそれが当たり前だったんだけど、慣れるとメメのありがたみがわかるね。」
ラ「敵が来るかどうかの感知は私とヌマルルならできますよ。
…と言っている間に敵影です。
4つ足タイプが4体ほど向かってきていますね。」
リ「トール神官のお手並み拝見だな。
俺は極力ミカとマイアを守っておくぜ。」
現れたのはイノシシだった。
勢いのある炎が体に燃え盛っている。
マ「あれはバーナブーだね。
多少のダメージを気にせず突進してくることもある魔物だ。」
ラ「魔法攻撃は待ってくださいね。
固まっている間に私が片付けます。」
ライネは何やら呪文を唱える。
すると足元から巨大な竜がせり出し、それに跨る形でライネはバーナブ―に相対した。
いつのまにかライネの手にはその身長より長いトライデントが握られている。
ラ「蹴散らしなさい。」
ライネがそう声をかけると、竜は素早くイノシシの群れに突撃した。
勝負はあっという間だった。
イノシシの内一体は竜の吐いた水流に押し流され、二体は竜の爪に引き裂かれ、そしてもう一体はライネの持っていたトライデントの餌食となった。
ミ「すごいっス!あっという間の早業だったっス。」
マ「召喚獣に跨り、繊細に操りながら自身もそのスピードについていく…並みの芸当じゃないですね。」
リ「出番なんかなかったな。ごくろうさん。」
ラ「恰好つけてみました。
ただこの召喚獣アクアドレイクを出すのにはそれなりにマナの消費がかかるんです。
だから以降の戦闘では少し控えていきますね。
マナが少なくなってきたらミカさん、お願いしてもいいですか?」
ミ「もちろんいいっスよ。
ガンガン、ドレイクを召喚していっても構わないっス!」
ラ「ありがとう。ピンチになったら出し惜しみしませんね。」
その後ライネが召喚するのはホーリーレオと呼ばれるドレイクより二回りほど小さい召喚獣で、その数も1,2体程度に留めていた。
しかしそのホーリーレオの能力も強力無比で、大抵の敵をあっという間に片付けてしまっていた。
マ「ライネさんのおかげで私たちはほとんど戦うことなく進んでこれましたよ。
おかげさまでもうすぐ2班との合流地点ですね。」
リ「なんか今日は何もせず終われそうだな。
お前らのお守りをしていただけだが、それすらも必要なかったぜ。」
ラ「お褒めの言葉と受け取っておきます。
…さて、どうやら地図ではこの辺りで2班を待って待機ですね。休憩にしましょうか。」
シートを敷いて、1班はしばしの間休憩を取ることとなった。




