第59話 仲良しこよし、協同クエスト その2
サーター洞窟への道すがらアニメの話題で盛り上がるミカとヌマルル。
ヌ「とうとう始まった覇剣伝説グレイ―2nd。
2期になって早くも序盤の山場を迎えたにゃあね。」
ミ「水先案内人のまさかの反逆っス。
隠していたその圧倒的な力の前にパーティ壊滅の危機、と盛り上がる展開!」
ヌ「そこへ駆けつけた修行を終えたグレイ。
にゃにか因縁のある2人、対峙した一瞬のあと…」
2人「手をかけたグレイの、背中の黒剣が光る!!」
ぎゃあぎゃあと騒いでいる2人を間に置いて、リオンとゼレの2人は冷めたものだった。
ラ「それにしてもはなまるパーティさんと協同クエストができるなんていい機会ですわ。
実力者揃いと聞いていたから一度一緒に戦ってみたかったんですの。」
マ「こちらも嬉しい限りですよ。
トールさんがいれば安全にクエストを進められますからね。
その実力を目に焼き付けてレベルアップを図りたいですね。」
リオンは道すがらずっと会話に入ってこない。
それを見かねてセシリアが口を開く。
セ「リオン?
何が気に入らないか言わないとわからないわよ。
大方前のことが引っかかっているのでしょうけど空気を悪くするのも大概にしなさいな。」
セシリアの言を受け、はぁ、と大きくため息をつくとリオンは答える。
リ「お前らはお人よしだから気にもしちゃいないんだろうが、俺は前のことはよく思っちゃいないぜ。
仲間が増えてることに対して、最初はこちらの秘密を明かすことを条件に話を飲んでくれる約束だった。
しかしいざ話したら話したで、証拠がないと引かないと言われたもんだ。
俺たち格下パーティだと思って舐められるんじゃあないか?」
マ「言いすぎだよ、リオン。
いろんなパーティの間を取り持つトールさんの苦労は私たちにはわからないよ。
私たちのことを本当のことを伏せたまま説明するのは大変だったはずだよ。
今回は前の無礼を詫びて、ということで一緒に戦ってくれるということじゃないか。
水に流そうよ。」
ラ「前回のそちら扱いに関しては改めてお詫びしますわ。
そこでさっき提案させてもらった通り、今回の報酬は基礎分は人数比で割ります。
しかしドロップなどダンジョンの中で得られた追加の物に関しては、はなまるパーティさんに全てお譲りさせてもらうということでお願いします。
それで手を打って頂けませんか?」
トールの一人当たりの実力ははなまるパーティのはるか上を行っている。
報酬を人数比で割るというのがそもそもはなまるパーティにとって破格の条件なのだ。
それを受けてもリオンは納得したという顔ではなかった。
ライネがゼレの袖を軽く引っ張る。
ゼ「ゴホン、あー、なんだ。
前回のことは済まなかった。
こちらも他のパーティに安全を保証する以上、確かな情報が欲しかったんだ。
そのために無理を言ったこと、これは反省している。
同じ冒険者パーティ同志、これからも何かあったら気にせず言ってもらって構わない。
しこりを取り除いて仲良くやっていこうじゃないか。」
ゼレからも直接の謝罪があった。
これはもう折れないほうが難しい。
ぼりぼりと頭を掻くリオン。そしてゼレに向き直る。
リ「俺たちは何も隠したくて、そうしてるわけじゃない。
パーティメンバーの安否に関わることだからなんだな。
誠実だと評判のお前らの人柄、信頼させてもらうぜ。」
リオンがとりあえず機嫌を直し、一向は歩を進める。
そうしているうちにサーター洞窟の東の入り口に辿り着いた。
ラ「ここから3班で別行動を取ります。
1班―ライネ、リオン、ミカ、マイアはここで待機。30分後に突入します。
2班―ヌマルル、セシリア、ダフダフは南へと壁にそって移動。
20分を目安にもう一つの入口に到着するので、定刻を待って突入。
3班―ゼレ、メメ、コルックは北上してください。2班と同じです。
それではみなさん作戦を始めます。」
協同クエストが始まりを見せた。




