第53話 彼のその後 その1
2日後、いつものキャラバンに繰り出した一行。
今回は何でも屋の開催の時間と、前回のクエストのその後について報告を受ける時間を取りたかった。
そのため、いつものメリアとトゴスは早めに切り上げて少し早くスピニアにやってきていた。
マ「リオンはいつも通りおかもちに当たって欲しい。
雑貨をあまり扱わなくなったから、そう屋台と往復はしなくてもいい。
だけど、屋台設営と食糧運搬はやっぱり力とスピードのあるリオンに任せるよ。
ダフダフは屋台の番、何でも屋にはコルックが窓口になるからね。」
コ「り、了解です。」
ダ「んだんだー。」
セ「広く浅い知識としてはリオンよりコルックの方が幅広いですものね。
工務関係はリオンの方が優れているから、その依頼が来たら連絡しますわね。
単純な力仕事はとりあえずメメに頼みますわ。」
メ「了解。さ、てきぱき始めるわよ。
こっちの人数は増えているけど、やることも多くなっているから時間を無駄にしないようにね。」
いつもにも増して屋台は盛況、嵐のような忙しさだった。
それはスピニアでの広域救援隊の解決と、リオンの何でも屋の仕事がはなまるパーティの噂を呼んでいたからだ。
物珍しさも相まって利用してくれるお客さんが増えたようであった。
何でも屋の依頼で接客要員に欠員が出て、商品の補充に接客に調理と繁忙を極めた。
なんとか無事、今回の食糧も大方売り切り、店じまいとなることができた。
屋台に集まり一息つくはなまるパーティ。
ミ「疲れたっス…。」
マ「おつかれ様、ミカ。みんなもよく働いてくれたね、ありがとう。」
リ「何でも屋も切りがついたぜ。
さて結局ローズの扱いはどうなったんだろうな。
悪党ではあったが仲間想いのやつだったそうだから、あんまり酷い目に遭っていなかったらいいがな。」
それを聞いてセシリアは首を振る。
セ「どんな事情があっても人間が生活する以上、その障害足り得るものは取り除かないといけないですわ。
綺麗事は言えない。
だって私たちは人間ですもの。
ローズには悪いけど厳しく罰せられてもしかたない、それが私の意見ですわ。」
コ「ぼ、僕たちも魔物を倒して日々の糧を得ています。はい。
ま、魔物からしたら僕たちも同罪なんですかね…。」
否定する言葉はない。
しんみりとした空気が辺りを包む。
メ「ま、私は魔物サイドだけど今はあなたたちと生きている。
気に入るも気に入らないも自由にやらせてもらってるし、恵まれているのかしら。
それと正直になるにはエゴも大事よ。
もちろん行き過ぎない最低限の自制心があってのことだけど。
ここには何かあっても止めてくれる仲間がいるわ。」
リ「お前がそんなクサいセリフを言うとは珍しいな。」
メ「そう?
茶化さなければ、私ほど素直な者もいないわ。」
仕切り直すようにダフダフが口を開ける。
ダ「とりあえずローズの処遇をギルドに聞きに行きましょうかー。
広域救援隊のクエストは終わったけど、お節介なあなた達はそれを確かめておきたいんでしょー?」
はなまるパーティ一同はコルックを屋台の番に残し、スピニアのギルドに向かった。




