第44話 札師ダフダフ その1
ウリウの洞窟に待ち合わせたはなまるパーティとトール一同。
最後に現れたのはミカとマイアだった。
ゼ「ずいぶんと遅いお出ましだな。」
リ「ミカのアホ!お前がいなくてどうすんだよ。」
マ「何度、起こしに行っても返事だけで起きてこなくてね。
部屋を覗いたら寝巻のままベッドに突っ伏していたんだよ。」
ミ「ひーん、許してぇ。
昨日はアニメが最終回で夜更かししちゃったのー。」
ヌ「もしかして『覇権伝説、グレイ』かにゃ?
先週の盛り上がりから、うまく収束させたラストは圧巻だったにゃねぇ。」
ミ「ほほぅ…こんなところに同志がいたとは!
あれをリアルタイムで見られてミカに後悔はないっスよ。」
セ「いや、後悔も反省もしなさいよ。部屋からテレビ撤去するわよ。」
それだけはぁ、と泣きつくミカ。
では行こうか、というゼレの一言でミカの過ちはしばし不問となった。
ラ「それにしても、こんな低レベルな洞窟にそんな施設があるなんてまだ信じられませんわ…。」
群がる幼獣ネズミを足蹴にするライネ。聖職者の姿に似合わぬ所作にコルックが若干引いている。
ミ「ミカはさすがにネズミにやられることはなくなったけど、最初は正直困ってたっス。」
リ「俺が来てマイアのレベルが上がってから、お前らだけでも苦労することはなくなったな。」
ヌ「と言ってる間に最深部到達にゃあね。
光る岩…あれかにゃ?」
ヌマルルが俊敏に岩に移動し取りつくと、腕力で岩をどかそうとする。
ヌ「うーん、ヌマルルは力自慢なのがウリなんだけどにゃ。
魔法でロックもかかってるのかにゃ?
力じゃ開かないようにできているのかもしれないにゃ。」
ゼ「こういうギミックは機密保持のために、無理に突破すると内部が崩壊したりすることもあるからな。
ではミカ君やってくれ。」
ミ「あいあいさー!」
ミカが手をかけるとすんなり岩が動き出す。
ヌ「いとも簡単にあけるんにゃねぇ。
これは多量のマジックアイテムがないと突破不可ですにゃ。」
ミカに続き歩いていく一行。
そしてドーム状の開けた空間に出る。
ラ「マナの圧みたいなものを感じるわね。ここには魔物は沸かないように作られているのかしら。」
マ「ここでは魔物は見たことがないですね。
おそらく今までには一度も。」
ゼ「リオン君の言う通り、多世界を渡り歩く魔道士によって作られたものなのだろうね。
この世界には見られない相当高度な仕組みが用いられているようだ。」
リ「ここの分析は本題じゃねぇだろ。
ちゃっちゃと転生の儀、やっていこうぜ。」
パネルにミカとトールの3人が取りつく。
パネルに『ようこそ』の文字が浮かぶ。
ミ「ではご照覧あれ!」
ミカがパネルを操作していき、パネルにマナを供給し始める。
ものすごい勢いでマナが装置へと流れていく。
ゼ「話には聞いていたが…」
ラ「これほどまでなんて。すごいわ。」
やがて供給は止まり転送が始まる。
光の柱が立ち、影を作っては降りて行った。
糸目で垂れ目のへらっとした笑顔の女の子が現れた。
髪はピンク色でお団子を2つ作って束ねている。
ダ「こんちわー。私は札師のダフダフよー。
よろしくー。」
ブカブカの服を着て、全体的にのほほんとした印象を受ける。
背はマイアとミカの間といったところだ。
ヌ「…! ほんとに人が現れたにゃあ。
嘘とは思ってなかったけどびっくりにゃあね。」
ゼ「これだけ冒険を重ねてもまだ十分に驚くことがあるのだな。」
マ「トールさんはこれで十分かな?
くれぐれもミカとこのことは内密に頼みますよ。」
リ「さぁ、部外者は帰った、帰った。」
ヌ「あにゃにゃ。嫌われてしまったにゃあね。」
ラ「約束は守りますよ。
リーダー、ヌマルル、行きましょう。」
洞窟から帰っていく3人。
ダ「あれれ?あの3人は仲間じゃないのー?」
マ「何、ちょっと野暮用でいてもらったんだ。
説明が長くなるし、また後でね。
ところで君はダフダフというんだね。」
ダ「そうだよー。
ダフダフは霊札と言われる札を使ってパーティをサポートする札師なのー。」
セ「おもしろそうな力ね。その能力見せてもらおうかしら。」
ダフダフは何枚かの札を背中のかばんから取り出した。




