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第40話 閑話休題 7 慈愛ある料理



 鑑定が終わって次の日、いつもの宿にて。



リ「マイアとセシリア、メメの具合はそんなに良くないのか?」



ミ「そうっスねぇ。

 ワイバーンを相手にバフを無理に使いまくったから3人ともグロッキーなんス。

 やっぱしあんまり無茶をするものじゃないっスね。」



コ「れ、レベルの高いメメさん、セシリアさんはまだマシなんです。

 けれどマイアさんはと言うとぐったりとしてしまってベッドから離れられない様子です。はい。」



 言わんこっちゃないな、と首を振るリオン。



リ「こればっかりは自分で感覚を掴んでいくしかないからな。

 毎日8割の力を出せなけりゃまだまだ二流だ。」



ミ「何カッコつけてるんス?自分も巌裂きのあと倒れていたじゃないスか。」



リ「その節はお恥ずかしい限りで…。」



 するとおずおずとコルックが提案する。



コ「あ、あのー。3人に元気になってもらうために、みんなで手料理なんか振る舞うのはどうでしょうか?


 お、美味しいご飯を食べてたっぷり休養を摂れば回復も早いと思います。ヘヘっ。」



リ「コルック、なかなか気の利いた提案をするじゃないか。

 いつもはあの3人の誰かが必ず厨房に立っていたから、こういうときこそ楽させてやりたいな。」



ミ「でもミカたちまともに料理できないんスよね。」



リ「まぁ俺たちも厨房に立って、手伝いしたことなら何度もある。あとは気持ちが大事なのさ。


 早速3人で市場に繰り出してうまそうな食材を買い集めてこようぜ。」



 ミカにリオン、コルックは市場に繰り出した。




―――1時間後―――




リ「みんな揃ったな。戦果は上々か?」



コ「は、はい。

 魚にお肉に野菜、香辛料なんかを揃えてきました。ヘヘっ。」



ミ「ミカも万全っス。カレールーに醤油、グミにプリン…まだいろいろあるっス。」



リ「俺も買ってきたぜ。ぬたにからすみ、塩辛に地酒などなどだな。」



 並べた材料を前に3人は沈黙する。



コ「い、言っていいですか?

 料理って簡単に思えたんですが、こうなっても意外とどうして良いか分からないですね。はい。」



リ「同感だ。

 こんな難儀なことをあいつら毎日平然とこなしていたんだな…。」



ミ「うーん。

 ルーもあることだし、せっかくだからカレーにしないっスか?

 カレーは失敗しにくいと聞きますゆえ。」



 頷き合い、カレーをコトコト煮込みだす3人。



コ「ぐ、具材はどうしますか?」



リ「カレー定番の具材はジャガイモと肉しかないか。

 これを切って入れておこう。


 あとはぬたとからすみと塩辛を入れてくぜ。」



 ドバドバと材料を投入するリオン。



ミ「ちょっと待った!

 ぬたと塩辛なんか入れたら辛すぎになるッスよ。


 このプリンとグミで味を整えてっと。」



 ミカが次いでプリン数個とグミをざらざら加える。



コ「み、ミカさん。カレーは辛いからいいんですよ。


 醤油と胡椒、唐辛子で打ち消しましょう。はい。」



 コルックも負けじと材料を投入する。



 そこへ休んでいた3人が現れた。



セ「あら厨房で何か作っているの?」



ミ「へへーん。ミカたちが、倒れた3人のために料理をしてるんスよ。」



マ「えっ、それは嬉しいな。食材の調達から大変だったろうに。」



コ「み、みなさんにはいつも助けて頂いてますから。はい。」



 マイア、セシリア、メメが食卓に座る。

 その前に特製のカレーが運ばれた。



リ「おかわりはたくさんあるから遠慮するなよ!」



 並べられた皿を目にしコソコソ話すセシリアとメメ。



セ(これ、なんか変な色じゃない?)



メ(どことなく刺激臭もするわね。

 味とか以前に食べても平気なのかしら…。)



 そんな2人をよそにマイアがスプーンを手にし、カレーに突き刺す。



マ「いただきまーす。パクッ。

 ん、美味しい…!普段の作り方では出せない味だ。


 酸味やスパイスが程よく効いていて、具材もそれぞれが良い味を演出している。

 これはクセになるね。


 ぜひ、またレシピを教えてほしいな。」



ミ「それがミカたち無我夢中で作ったから、レシピはよく分からないんっス。」



マ「そうか、残念だね。パクッ、パクパク。

 恥ずかしながらスプーンが止まらないよ。」



セ(マイアの食べっぷり、問題はないようね。

 むしろ美味しそうだわ。)



メ(疑って悪かったかしらね。

 いただきましょうか。)



セ・メ「ではいただきまーす。パクッ。ブふぁぉおおッー!」



 常識人で通っているマイア。

 実はかなりゲテモノもイケるクチだったのを、ミカはすっかり忘れていた。


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