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第30話 行こうよ、鍛冶屋へ。



 とりあえず、とマイアの行きつけの武具屋に辿り着いたはなまるパーティ。


 中で鎚を振るっていた白髪交じりの大柄な男性が、マイアを見ると手を止めこちらに向かってきた。



?「いつもの嬢ちゃんかい。今回も何か入り用で?」



マ「こんにちわ。みんなに紹介するよ、ここの店主ジムさん。

 修理や新しい武器の調達は主にここで(こしら)えてもらったものなんだ。


 ジムさん、また武具を見させてもらっていいかな?」



 にっこりとこれを承諾すると、いつも懇意にしてもらってありがとうね、とジムは答える。



マ「ここの装備は値段が張らない割に、とても丁寧に整備されていていいものばかりなんだ。


 体に合ったものを選べるし、ここにみんなと来られるのはいい機会だね。

 とりあえずみんな装備を見せてもらおうよ。」



 おのおのが思うままに自分に合いそうな武具を手に取り、装備するなどする。


 特に鍛冶の心得があるメメはどれにも興味津々だった。


 マイアにジルクの相場の話を尋ねては武器のコスパの良さに感嘆したり、ジムに鍛冶の技法を質問しては熱心にメモをとったりしている。



ミ「この華やかなステッキ、すごくかっこいいっス。

 ミカには武器はないし、これ欲しいっスよ。」



 君には発する魔法がないでしょ、買わないよ、と一蹴するマイア。



ミ「やだやだ、買ってー!ミカにも成長期が来るからー!」



マ「だめだよ。無駄遣いはしない。ミカは防具を見ていようね。」



 今度はリオンがマイアのそばにやってくる。



リ「この体防具、頑丈な割に体の可動域がうまく考えられていて動きやすそうだぜ。

 俺の体にもちょうど合ってるし、なかなかいいものだと思わないか?」



 装備をつけながら殺陣を披露するリオン。



マ「悪くない装備だとは思う。

 だけどリオンは今までそれほど大きな手傷を負ったことがないから、そんなに必要を感じないね。


 しばらく今の装備で十分、買うのはもう少し財布が潤ってからにしよう。」



 やだやだ、買って買ってーと駄々をこねてみるリオン。

 顔に暗い影を落とすと、低い声でマイアが答える。



マ「それで買ってもらえると思うかい?鏡で自分の姿をよく見てみるんだな。」



 やれやれと仕方なく棚に装備を戻すリオンであった。



 店の少し奥を覗くと、今度はセシリアが靴を試していた。

 蹴りを繰り出すと先端から刃先が飛び出す仕込み靴のようだった。



マ「なかなか面白い武具をみつけたね。セシリアの足技があれば有効に生かせるかもしれないね。」



 そうね、と答えながらもセシリアは慎重なようだった。



セ「これ、リーチがかなり確保できるし素早く斬撃が繰り出せる、今までにない戦い方ができる良い武器よ。


 ただ装甲の固い敵には効果は知れているし、何より壊れやすいんじゃないかしら?


 メンテナンスにお金がかかるのも困るし、最悪冒険の途中に役に立たなくなると少々痛いわね。」



 詳しいことは専門家に、とジムにセシリアのことと武器のことを話して尋ねてみる。



ジ「なるほどね。

 たしかにお嬢さんの蹴りは強力なものだから、この靴を常用すると刃先に負荷がかかって整備費用が掛かるだろうね。


 どうしても運用したいなら靴装備は複数持ち歩いて、主に使うものは重くて丈夫なもの、ここぞというときに仕込み靴を使用するといいだろうさ。


 まだお金を節約したいということだから、靴は今のままで、お金ができたら重いものから揃えるというほうがいいのじゃないかな。」



 ジムは決して商品を無理に売りつけてくることはなく、パーティの事情に勘案して相談に乗ってくれる。


 マイアは嬉しくはあるが、商売っ気がなさすぎるのは他人ながら心配に感じてしまう。



 次に相談を持ち掛けたのはコルックであった。



 手にしていたのは炎の力を宿したファイアロッド。装備中のみフレアが打てるという一品であった。



マ「とくに事前に属性武器を揃えるつもりはなかったけど、やはりあると道中楽になりそうだね。」



コ「こ、今回はみなさんのお役に立てるか自信がなくて…。

 もちろん属性武器まで手が回らないかもというのは分かっているのですが。はい。」



 コルックもフレアを撃てれば、マキト神殿と同じようにマイアとの2段構えの砲撃が可能だ。


 そしてこれからのダンジョン探索にもファイアロッドは出番があるだろう。今回購入するかどうかは他の武具とのお財布事情次第で保留となった。



 最後はメメだった。モーニングスターを鎖ありのものとなしのもので悩んでいる。



メ「こちらの鎖付きのものは雑魚敵の露払いがしやすそう。


 瞳力で向かってきた敵をそのまま一層できればなかなかに快感ね。

 また機動力のない私に射程距離がある武器は助かるわ。」



 一方鎖のないモーニングスターをみつめて言う。



メ「こちらは射程こそ短いけど、腕力をそのまま敵に叩き込むことができるわ。

 破壊力は満点でしょう。


 動きは鈍くて装甲の固い相手や、仲間のサポートを受けて破壊力のある一撃を入れたい強敵にはこちらが向いているかしら。」



マ「どちらにもメリットがあるんだね。メメはどちらがいいのかな?」



 少し悩んで、鎖なしのモーニングスターを掲げるメメ。



メ「こちらね。武器としての性能は一長一短。

 でもこちらの方は手に持った凹凸や力の入り具合がすごく私にフィットしてるの。怖いくらいね。


 私、迷ったときってこういうところで決めてもいいんじゃないかと思ってるの。

 もちろんパーティの運用に問題なければ、だけど。」



 マイアは情報が出揃ったところでみんなを集めて相談した。

 それぞれの武具をどうするかをお財布事情、パーティの役割を鑑みて話し合った。



 相談の結果、結局有用性が高そうなファイアロッドと、メメの武器である鎖なしのモーニングスターを購入することとなった。



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