第3話 ようこそ、リオン その1
3人はギルドから出てきて話していた。
マ「これでリオンのギルドへの登録は終わったね。
身体検査の結果から、明日には私達のパーティの実力に合ったクエストが受注できるはずだよ。」
リ「どうってことなかったな。あんなもので俺の実力が測れるのかね。」
ミ「大口叩いてるといいっス。
ミカたちの頭上には不幸の星が輝いていて、どうせまともな依頼は受けられないっス…」
マ「そう悲観的になることはないよ、ミカ。
検査を見ていたけどリオンの動きはすごかった。
リオンが前衛に、私が攻撃に回復とサポートすれば、今までよりずっと良い線いけるんじゃないかな。」
きょろきょろと辺りを見回しリオンが尋ねる。
リ「ところでお前たちの宿はまだつかないのか?」
ミ「ちょうど見えてきたとこっスよ。右手の手前から5件目っス。」
リ「おおっ、なかなか大きないい屋敷じゃないか。お前ら貧乏とか謙遜がすぎるぜ。」
マ「いや、家を1軒飛ばしてるよ。手前の趣あるログハウスが私達の借家だ。」
リ「本当にあれか?廃屋の間違いじゃないの?味わい深すぎるだろ…。」
3人はボロボロの借家に辿り着いた。外見こそ古びていたが、中はマイアの掃除が行き届き、小綺麗に保たれていた。
マ「宿泊施設だったらしく幸い部屋数は多くてね。
とりあえずリオンは階段を上がったすぐの部屋を使って。
掃除道具はトイレの横だよ。使ってない部屋までは掃除が行き届いていなくて済まないね。」
ミ「その間ミカがリオンの布団を干しておくっス。マイアは夕食の準備を頼むッス。」
おのおのが慌ただしく動き、じきに夕食の時間となった。
ミ「わーい、スープに肉団子が入ってる!お祝いの時だけなんスよ?リオン様々っス〜。」
リ「ということは普段は肉すらないのか…」
マ「文句を言う子は肉団子なしだよ。さぁ召し上がれ。」
おのおの少ない食事にありついた。
食事を進めながらふとミカが聞く。
ミ「そういえばポータルを利用するのは自分の世界が嫌になったから、というのが主な理由だったんスよね。
リオンはどういったわけで元の世界を離れたんスか?」
リ「俺かい?俺は戦争が原因さ。
もともと兵士を束ねる兵団長を任されていたんだ。
しかしある時、上が弱小国にいちゃもんをつけて無理難題の最後通牒をつきつけたんだ。
嫌気の差した俺は戦争の始まる前に脱走し、追手のかかる中ポータルに駆け込んだんだ。」
ミ「そうだったんスか…。立場を捨てて新しい世界にきたんスね。」
リ「まぁな。
…あと言っておきたいがポータルから転生してきたやつに、簡単にその理由を聞かないほうがいいぜ。
俺は構わんが、話したくないことも後ろ暗いこともあるかもしれない。
時期がくれば自分から自由に話すだろうさ。」
ミ「な、なるほど。気をつけるっス…。」
マ「確かにデリケートな話題かもしれないね。心に留めておくよ、ありがとう。」
ミ「じゃあミカはそろそろお風呂に入るっス。」
マ「ああ、行っておいで。…リオン、万が一にも覗くなよ。さもなくば君は海よりも深い後悔をすることになる。」
マイアがにっこり笑う。だがその表情はなぜか阿修羅を思わせる。
リ「わかった。わかったからその顔はやめろ。どうせお前らぐらいの年には興味ねぇよ。」
夜は更けゆき、各々は眠りについた。




