第28話 閑話休題 5 セシリアとメメ、邂逅す
メメを迎え、帰宅したはなまるパーティ。
マ「メメの加入で俄然やる気がでたね。
お金を稼ぐためにもゴーゴー!キャラバンを盛り上げていかなくちゃ。」
セ「冒険の方もやりがいがありますわね。
待望のタンク役が入って嬉しい限りですわ。
メメのギルドへの登録は済みましたし、明日にはギルドから新しいダンジョンの紹介がある頃でしょう。」
時計を目にマイアがつぶやく。
マ「さて、そろそろ食事の用意に取りかからないとね。
ミカ、コルック。今日は当番だから手伝ってね。」
それぞれ返事をし、3人は台所へ消えていく。
リ「俺はひとっ風呂浴びてくるかな。じゃあな。」
リオンも着替えを取りに自室へ向かった。
残されたセシリアとメメ。
セ(今度は新入りの子と2人っきりですわね。
例のごとく恋愛の話を振ってみましょうか。)
セ「メメ。あなたは前の世界で、誰かを好きになったりしていたの?
恋愛模様があればぜひ聞かせてちょうだい。」
メ「私は自分で恋愛をするより、他の誰かの恋路を眺めているのが好きですかね。」
思わぬ共通の趣味にセシリアが食いつく。
セ「本当に?私もそうなの!
男女の仲睦まじい姿って見ていてとても素敵なのよね。」
しかしこれにはメメは賛同しなかった。
メ「あー、私の好きなのは男の子同士の恋愛なんです。
この大荷物は私の大切なコレクション。
そういう類のマンガばかりなんです。
捨てるのに踏ん切りがつかず、残してきて知り合いに見られるのも悩ましいため、結局全部あっちから持ってきました。」
セ「男の子同士の恋愛?それにマンガ?
あなたは少年誌のようなものが好きなのかしら。
私にはちょっと分からないわね。」
メ「貴方にはシンパシーを感じるものがあります。
なんならちょっと試してみますか。
最初は刺激の少ないものでおすすめを…。」ゴソゴソ
セ(努力や友情の冒険譚とかかしら?私に合うと思えないけど)
メメの探し出した1冊を手に取り読んでみるセシリア。
――― 10分後 ―――
セ「素敵だわ!いじらしいほどの切なさ!
禁じられているからこそ燃え上がる愛!!」
メ「そうでしょう、そうでしょう。」
セ「開きました、未知の扉が。
拓きました、新たな楽園が。」
メ「そうでしょう、そうでしょう。」
メメは自らの趣味の理解者に鼻高々だった。
そこへサボりに来たミカがやってくる。
ミ「あー、2人ともマンガを読んでるっス!
ミカにも見せてほしいっスよ。」
これに対してメメは突っぱねる。
メ「いえ、これは穢れた本なので一般の方にはちょっと見せられないです。すみませんね。」
なぜ私は良かったのかしら、とツッコむにツッコめないセシリア。
ミ「えー、ずるいっス。
綺麗な表紙なのに汚れてなんていないっスよ。」
マ「ミカー、油売ってないで、ちゃんと手伝ってよ。」
ミ「ちぇっ、つまんないっス〜。」
ミカが台所に戻っていく。
セ「私たちの周りでは男の子同士の恋愛なんて聞いたことがなかったわ。
その手の本がたくさんあるということは、あなたの世界ではそういう恋愛も実際によくあることだったの?」
メ「そんなことはありません。一部の人たちに人気のあるジャンルってだけですね。
まぁこちらの世界でも自作マンガのお祭りなんかがあれば、掘り出し物が見つかると思いますよ。
もちろん実際にそんな恋愛が近くにあるなら、私も嬉しいことこの上ないですが。」
今度は配膳にマイアがやってきた。
マ「メメ、ゆっくりしてね。
今日は君がパーティに入ってくれたからご馳走なんだよ。」
そこで思い出したようにマイアがつぶやく。
マ「そういやこの前廊下を歩いていると、コルックとパンツ一丁のリオンの2人が部屋から出てくるのに出くわしてね。
いつものことではあるんだけど、女の子も増えてきたからちょっと気づかって貰わないと困るよね。」
えっ、と固まる2人。
その雰囲気に申し訳無さそうにするマイア。
マ「やっぱり嫌だよね?私の方から二人にそういうことは慎んでもらうよう言っておくから…」
メ「いえいえ、どうかお二人の好きにさせてあげてください!」
セ「私も気にしませんわ。
むしろ歓迎というか!」
マ「歓迎…?でもそれならまぁ良かったよ。二人もあれで大変だしね。
さぁ私も厨房に戻らないと。
ミカー、ハンバーグはどう?」
さっさと踵を返すマイア。
メ「パンツ一丁なんて積極的な…。」
セ「まさか、あのコルック君が主導権を握って…?」
残された二人はじっと見つめ合うとつぶやいた。
セ・メ「楽園はここにあったのね…!」
誤解がとけるまでしばらくの間、熱い視線につきまとわれるリオンとコルックであった。




