第27話 キュクロプス、メメ その2
新しい仲間ができたことに嬉しそうなミカが聞く。
ミ「メメは鍛冶も得意なんスね?」
メ「そうよ。
キュクロプスは代々鍛冶鍛造を生業にしてきたわ。
力がある一方で、その技術は繊細。
不可思議な挙動をする武器をいくつも形にしてきたわ。
もちろん私も一通りのことは任せて。」
誇らしげにメメは続ける。
メ「噂では私の先祖は、神々の武器を作ってその戦いに貢献をしたとも言われるのよ。
もちろん私は神様なんて信じていないし、嘘だと思っているけどね。
まぁ、悪い噂じゃないから特段否定もしないけど。」
形式上、神様から神託をもらうコルックは、なんとも言えない気持ちでそれを聞いていた。
マ「それだと武器の精錬はメメに任せれば良さそうだね。
うちの連中は武器も防具も扱いが雑で、頻繁に買い替えたり、ランクの低い武具で我慢したりしていたんだ。」
メ「もちろん、いいわよ。
ただ窯や鞴に槌や金床など、鍛冶屋には初期投資が結構かかるのよ。
この世界の相場がわからないから、その手のお店を見て回っての相談になるけど、それなりに大きなお金がいるわ。貧乏ではとても無理ね。
現段階で装備をケチっているパーティには少し荷が重いんじゃないかしら?」
マイアは目を閉じて『無』の表情である。
セ「ミルーの職人の多い界隈で、使用料をいくらか包んで使わせてもらえる場所がないかしら。」
メ「この町の職人街?
期待はできないわね。
職人にとって自分の作業場は、あまり立ち入ってほしくない場所なのが普通なの。」
リ「いい武具を揃えたければとにかく金が必要なんだな。
何でも金!全く世知辛い世の中だぜ。
ちなみに環境が揃ったとしてどんな武具が作成可能なんだ?」
メメが答える。
メ「この辺りで採掘できる鉱石を溶かして精製してみないと正確にはわからないの。
でも例えば、単純に硬度や耐摩耗性のある防具や特効を持つ武器、複数の魔物を攻撃できる武器などが作れるわ。
今のあなた達の装備より、ずっと優れた物を作れる自信はある。」
マ「単純に強いというのも魅力的だし、様々な効果があるのはいろいろなダンジョンで使い分けができそうだね。」
メ「他にもほぼ使い捨てだけどお得な効果があるこんな武器もあったわ。それはね…。」
ふんふんと話を聞いていた、はなまるパーティ一行。
その全貌を理解すると俄然色めき立つ。
リ「それお得なんてものじゃないぜ!
このパーティにとっちゃ最強のリーサルウェポンになる代物だ。」
マ「本来の目的とは全く違うけど、とても大きな強みになるね。」
コ「ぜ、ぜひとも早く作成しておきたいですね。ヘヘっ。また一つパーティの目標ができました。」
一人置いてけぼりを食らったメメに、セシリアが訳を説明する。
メ「なるほど、そういうことね。
さすがに驚いたけど、試す価値はあるわ。
みんなで鍛冶場開設に向けてひと踏ん張りがんばりましょう。」
キュクロプス、メメははなまるパーティに新たな風を吹き込んだのだった。




