表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/100

第26話 キュクロプス、メメ その1



 ウリウの洞窟に集まった5人。



ミ「いでよ、転生者!転生の儀!!」



 ミカがノリノリで転生装置を起動させる。



マ「言った通りセシリアもパネルには近づかないでね。一瞬で意識を持っていかれるよ。」



セ「分かっていますわ。それにしてもこんな風に転生されていたなんて驚きですわね。…もちろんこの子にも。」



 傍目にも膨大なマナがミカから装置に流れ込んでいく。

 その風景はマイアには見慣れたものであったが、初めて見る者の感想はそんなところだろう。



 装置へのマナの補給が終わり、光の柱が立つ。



ミ「いつも思うんスけど、誰かを待つこの瞬間ってソシャゲのガチャに似てる気がするっス。

 リオンはレア度が低そうだから何回も出てきそうっスねぇ。」



リ「出てきたら俺が2人になるが、そしたらどうなるんだよ。」



ミ「それはもう、

 『アイツも俺で、俺も俺。どっちがホントの俺なんだ…。』

 っスね。」



リ「なんでリアルにシリアスなんだよ。

 仮定の話なんだから気軽にズッコケさせとけよ。」



 影が立ち、光の柱が降りていく。



 現れたのは背の低い、黒髪短髪で一つ目の少女だった。


 ぱんぱんにしたリュックを背負い、両手には鞄。

 服装は黒いワンピースをしていた。


 頭のてっぺんからは角が覗いている。



セ「きゃあ!ひ、一つ目の女の子?」



 セシリアが驚きの声を上げる。



?「悪かったですね。こっちの世界でも一つ目は珍しいですか。」



 マイアが(あいだ)を取り持つ。



マ「セシリア、失礼だよ、謝って。

 ごめんね、とりあえず私たちに敵意はないんだ。」



セ「気分を害してすみません、お嬢さん…。」



メ「まぁあえて私を呼んだんですから、敵意なんてあっちゃ困りますが。

 私の名はメメ。一つ目の種族キュクロプスの末裔よ。」



ミ「キュクロプス?

 コルック君知ってるっスか?」



 コルックは首を振る。



コ「い、いえ寡聞にして何も…。」



メ「どうやらこの世界には同胞はいないのかしらね。


 キュクロプスは鍛冶が得意な単眼の種族よ。

 私は前の世界から迫害されて、どうにかポータルに逃げ込んできたの。」



コ「あ、頭に生えているのは角ですか?」



 メメは頭のてっぺんにある突起をちょんちょんと触って答える。



コ「そうよ。周囲を感知するアンテナのようなものね。

 弱点でもあるから、あまり強く触らないで…というか理由なく触らないでね。

 ぶっ飛ばすわよ。」



 ここまで話を聞いていたリオンが、少し残念そうにため息をつく。



リ「しかし今回もひ弱そうな嬢ちゃんか。


 なかなかいいタンク役とは巡り合わないな。

 そううまく話は運ばないか。」



メ「タンクって敵を引き付ける前衛でしょ?

 私、できるわよ。」



 そっけなくメメが答える。



メ「私のスキルは瞳力といって、耐性のない魔物を虜にする力があるの。

 対象となった者は私を攻撃するようになるわ。」



 やれやれとリオンが首を振る。



リ「ひ弱な嬢ちゃんが狙われやすくなったところで、俺たちの仕事が増えるだけだろ。

 そのスキル死んでるんじゃねぇのか?」



 するとメメがそっと手のひらをリオンに向ける。怪

 訝そうに見つめるリオンにメメは言い放つ。



メ「あなたの全力の拳を、ここに打ち込んでください。」



リ「おいおい、俺は(おんな)()どもをいたぶる趣味は」



メ「やれば分かります。それとも口だけですか?」



 はぁ、と再びため息をつくリオン。

 セシリアといい、どうして転生する女は好戦的なのかね、という思いが頭を掠める。



リ「じゃあ遠慮なく、行くぜ。」



 リオンの体が風を切り、その掌がメメの手のひらに合わさった。

 その刹那だった。



リ「いで、いでで。いでででででで。」



 メメの掌がリオンの拳をガッシリと掴み、ひねり上げている。

 その腕にはいくつもの太い血管が浮かび、凄まじい膂力を物語っていた。



リ「ギブアップ、ギブアップだ、メメ。拳をほどいてくれ。」



 メメがパッと手を話すと、リオンはどさりと床に倒れ込んだ。



ミ「え?リオン、かっこわるぅ。

 え?え?リオン、かっこわるぅ…。」



リ「これは失礼だったな。

 あんたの秘めてる力は俺なんか目じゃないな。」



メ「キュクロプスは剛力で知られていますから。


 体格にも恵まれた私の祖父なんかは、棍棒の一振りで山に横穴を開けたこともあります。」



 素晴らしい力の持ち主を前に目をキラキラさせるマイア。



マ「あなたは本当にすごいんだね。私たちのパーティに入ってくれるかな?」



 ふっ、とつれない表情のメメ。

 だが返事は逆だった。



メ「まぁ、いいですけど。転生させてもらった恩もありますしね。」



 こうして単眼の少女、メメが仲間になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ