第24話 いらっしゃいませ、キャラバンへ その1
ミ「いらっしゃいませっス〜!
雑貨に食品、飲み物などいろいろあるっスよー!」
マ「おすすめは保存がきいて、魔道具で調理も簡単な冷凍保存食になりますー!」
ミカに負けじとマイアも声を張る。
客1「あら可愛らしい嬢ちゃんたちが商売しているのね。ちょっと見させて貰おうかしら。」
セ「どうぞ、ごゆるりと。
欲しいものなど意見を聞かせていただけたら、可能なら次回以降にご用意させていただきますわ。」
はなまるパーティはギルドの裁定を待つ間にと、今日初めてのキャラバンを開催したのであった。
今日は交通が悪いが人はそれなりに多い町のメリア、商売賑わう街のトゴス、災害で主要な橋が落ちてしまった農村スピニアの3つを回っていく予定だ。
当面はこれらの町を拠点にキャラバンの長所や問題点などを洗い出していく。
ここは最初の町メリアだった。
コ「お、思ってる以上に好調ですね。ヘヘっ。
初夏という季節柄か飲み物が多く捌けますね。」
客2「保存食品はどんなものがあるのかな?年をとると買い出しが億劫でね。」
ミ「任せてくださいっス。
保凍器と加熱器はもってるスか?それなら…」
敬語などは拙い面もあったが、懇意のこもった接客はこの町で気に入られたようだった。
あらかたお客さんが引いたところで、はなまるパーティは次の街に足を向けることにした。
しかしその次の街、トゴスでは一転販売に苦戦した。
街にはたくさんの独創的で華やかな店があり、ありていの物しか積んでいないゴーゴー!キャラバンには、あまり取り柄がなかったのだ。
マ「うーん、商業的な立地も必要かと思って、販売許可証を買ってまで店を開いたけど逆効果だったかな?」
リ「全く売れないわけじゃないが、今日だけじゃ許可証の元は取れないかもしれないな。」
セ「では一段落したら次の村に行きましょうか。
せっかくだし売れ筋の物を市場で買い足していきましょう?」
スピニアでは橋がないこともあり、市街地まで屋台を乗り入れることはできなかった。
歩いて入れる別ルートで売り子がスピニアに入り、用意していたカタログ数冊を回し読みしてもらうことで注文を受けた。
街で女性陣が売り子をし、コルックが屋台の番、リオンが品物を持って往復と、うまく役割分担が出来ていた。
マ「リオン。屋台も引いてもらっているのに、おかもちまでさせて大変な仕事を済まないね。」
リ「どうってことないさ。俺には売り手より体を動かす方が向いてる。」
それに、とリオンが続ける。
リ「この村は橋がなくて今困ってる。こうやって拙いが確実な方法で商売をすることが、将来の信頼に結びつく礎になるはずさ。」
マ「橋は一月もすれば直るだろう。
それまで私たちがどれだけのことをしたかで、後の営業に大きく関わってくるだろうね。」
スピニアではリオンがおかもちを手に、数えられないほど往復をする大活躍だった。
日も暮れ始め、後片付けを始めるはなまるパーティ。
帰って来たのはとっぷり日が沈んだころとなった。
マ「みんな、おつかれさま。想定よりお客さんが途切れず時間がかかったね。次はもう少してきぱき動けるようにがんばろう。」
みんな疲労困憊でうつらうつらしていたため、話が入ってきていない様子だった。
マ「明日は午前中にちょっと仕事をこなしてから、ゴーゴー!キャラバン初回についてのミーティングにしよう。
みんなお風呂に入って、軽く食事を摂って寝ようね。
では解散ということで。」
その後危うく湯船で水没しかけるミカであった。




