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第22話 ギルドの裁定


受「すみませんでした!危ないダンジョンに挑戦させてしまって、心よりお詫び申し上げます。」



 平謝りの受付嬢に迫るいつもの2人。



リ「謝って済むんじゃ警察はいらないだろ。

 おたくらダンジョンの審査、適当にやってるんじゃないだろうな?」



ミ「頭が机についていないっスよ?まだまだ謝罪の意思が見られないっスねぇ。」



 たじたじの受付嬢にマイアが助け舟を差し入れる。



マ「まぁまぁ、私たちみんな無事に帰れたんだからいいじゃないか。


 あくまで渡りをつけるのが受付嬢さんの役目であって、彼女が実際に審査したわけじゃないんでしょ。


 だから彼女にあんまりつらく当たるのはよそうよ。」



 涙目になっていた受付嬢が答える。



受「そう言っていただけると本当に助かります。


 私、ここの顔なんで、いつも関係ないことで文句は言われるわ、注文はつけられるわでやってられないんですよ。


 世の中誰も彼もクレイマーばっか。ストレスでハゲそうです…。」



 受付嬢に同情するリオンとミカ。



リ「それは心中察するぜ。俺たちみたいにおとなしい客ばかりじゃないんだな…。」



ミ「クレイマーは自分が害悪だと気づいてない厚顔無恥な奴らばっかりっスもんね。元気出すっス。」



 あんたらがその筆頭なんでしょうが!、と立場的に言うに言えない受付嬢。



 あえてツッコまずマイアが続ける。



マ「それで卒業試験のことなんですけど、どうなんでしょう?


 これからはDの難易度上のクエストを紹介していただけるんでしょうか。」



 マイアに向き直る受付嬢。



受「そのことなんですけど、断言はできませんが、もっといい方向になるかもしれません。


 ホロウナイトやアンデッドソーサラーと交戦して勝利したということで、私も最初は耳を疑いました。


 しかし提出していただいた魔道記録書によって、確かにその事実が確認できましたね。」



 魔道記録書は交戦の映像を記録・再現できる媒体である。


 クエストを受けた冒険者は魔道記録書を必ず携帯しなければならず、報告に疑わしい点があれば、これをもとに報酬の査定を受けることもある。



受「これらの魔物はパーティ構成にもよりますが、B級のクエストでも時折見られることのある個体なんですね。


 C級では常連で、単体でも出現します。それだけ強力な魔物なんです。」



 向き直ると受付嬢は続ける。



受「これだけの魔物がパーティを組んでいて、あなたたちはそれを撃破しました。


 ゆえに今後のあなたたちの扱いについて、私では判断しかねると考えました。



 そこで記録書を審査会の方に回しています。

 今私の上司や専門の選定職の方が、今後あなたたちをどう扱うか話し合っているところです。」



 理解が伴わず、首をかしげるミカ。



ミ「よく分からんっス。マイア、どういうことっスか?」



マ「ちょっと異例の扱いを受けていて、私にもなんとも言えないね。


 でもこれからのクエストがC級以上になる可能性がある、と考えてもいいということですかね?」



受「断言はできませんが、D級は不当なのではないかと私は思いますね。」



 とたん目がキラキラとなるミカ。

 後ろを振り返るとみんなうんうんとうなずいている。



受「そこで話は変わるんですが、ある程度のダンジョンに挑む方に携帯を強く推奨しているアイテムがあります。


 帰還チャームというものです。

 あらかじめ入れられた条件をもとに自動でパーティを帰還させるアイテムですね。


 条件は誰かの体力が一定以下になる、急に体力が下がる、マナが枯渇する…など様々です。」



マ「そんなアイテムがあるんですね。


 たしかに強力な敵と剣を交えるならば、もしもの時のセーフティネットは欲しいです。」



受「通例は難易度C以上、パーティによっては難易度Dからこのアイテムを紹介して、できるだけ携帯してもらうようにしています。


 ぜひあなたたちも携帯していただくと助かります。」



 これからは危険も多くなる。それに見合った出費になるだろう、とマイアはみんなに伝えた。



受「それでは今日のところはこれぐらいですかね。


 責任者が全員ここに出てきているわけではないので、結果は後日となります。

 2日程度空けてまたお越しください。」



 思わぬ良い風向きにほくほく顔で帰るはなまるパーティ一行。



 その後、市場で見た帰還チャームのお値段に、思わず顔が渋くなるマイアなのであった。


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