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第21話 挑め、卒業試験! その3


 最後のエリアには三体の敵影があった。


 二体は何度か見たホロウナイト。

 もう一体は杖にローブを携えた魔導士風のいでたちであった。



 その姿を捉えるとコルックは驚きを隠せないでいた。



コ「あ、あれはアンデッドソーサラーです!


 上位モンスターのリッチほどの脅威ではありませんが、た、単純な攻撃魔法の魔力ではそれに迫るものがあります。はい。」



マ「こちらにはまだ気づいていないようだけど、ソーサラーを守るようにホロウナイト2体が立っているね。


 これは初めてのパーティ単位の戦闘になるかもしれない。」



セ「それなら敵はソーサラーの魔法を主軸に攻撃を組み立ててくるでしょうね。


 先にホロウナイトを片付けようにもあのタフさが邪魔になりますわ。

 私たちは敵の攻撃をかいくぐり、ソーサラーに圧をかけましょう。」



 しかしリオンは反論する。



リ「俺たちがうまくホロウナイトを(かわ)してソーサラーに迫ったとして、後衛のお前らは耐えられるのか?


 あいつらは前衛の俺たちですら、てこずる素早さを持ってるぜ。」



 マイアはじっくりうなずく。



マ「時間を稼ぐためにも後衛はできるだけ距離を取ろう。


 そのうえでホロウナイトへの牽制をして君たちがソーサラーに迫れるよう援護する。

 ソーサラーに手痛い打撃を与えられたなら、一度こちらを助けに来てほしい。」



コ「こ、ここが正念場です。

 前衛の方がソーサラーに攻撃を加えるときに可能ならログで応援します。はい。」



 入念に打ち合わせた後、はなまるパーティは敵の前面へ踊り出した。



リ「エンチャントは受けた。ありがとよ、コルック。」



マ「前衛はまずそれぞれホロウナイトに取りついて!

 うまくいなしてソーサラーへの道を作ってくれ。」



 敵はこちらへ向き直ると、まず力を測るかのようにソーサラーが炎弾をはじき出してきた。

 

 目標は後衛だった。みるみるうちに炎が迫る。



コ「は、早い…!」



 コルックはマジックシールドを展開した。

 それをやすやすと溶かす火炎。


 しかしシールドは着弾を一瞬遅らせる効果をもたらし、後衛の3人はなんとか回避にこぎつける。



マ「この距離だとなんとかかわせそうだ。

 2人とも足を止めないで、敵の動きから目をそらさないでね。」



 2度3度と放たれる火炎を続けざまに回避する。

 シールドを張るのに忙しいコルックとその間にもフォトンで牽制するマイア。



 手ごたえを感じなかったからか、今度は魔法の矛先をリオンに向けるソーサラーだった。


 鋭い火炎に剣捌きに、途端に後手に回るリオン。



リ「コルックの加護があるんだ。

 ホロウナイトと1対1なら勝てる自信はあるんだが…。」



 突然のリオンの危機に慌てるミカ。



ミ「マイア、リオンが危ないっス。援護しなきゃっス!」



マ「いや、リオンは大変だけど、攻撃がこちらに向いていないここはチャンスだ。


 コルック、右辺のホロウナイトに援護を集中するよ。」



 どかどかと、セシリアの相手をしていたホロウナイトにフォトンが突き刺さる。

 ホロウナイトは大きくバランスを崩した。



セ「ガネーシャ、こちらは頼みますわ。後衛に行かせないでね。


 私はソーサラーの相手をします。」



 ホロウナイトの横を通り抜け、とうとうソーサラーにとりついたセシリア。



 セシリアの蹴りが唸りを上げる。


 後衛職であるソーサラーに、セシリアの相手は荷が重い。

 ソーサラーはシールドを展開しながら炎の魔方陣を放ち、セシリアの攻撃を何とかいなす。



リ「援護がやんだぜ、ホロウナイトさんよ。

 御大将の危機なんじゃねぇか?」



 言葉が通じたかのように、ちらりとソーサラーを気にしたホロウナイト。


 リオンが右掌をくいと挙げる。合図だった。



コ「いいログがありますよ。

 やってください、リオンさん!」



『鋭い斬撃が放たれる!リオンは相手を十字に切りつけた!!』



 聖属性のエンチャントも相まって、体の相当深くまで切りつけられたホロウナイト。


 体の保持ができなくなり、そのままその場に突っ伏した。

 すぐにマナに爆ぜる。



 そしてリオンもソーサラーにとりつき、盤石の体制になった。



 フォトンによりダメージが蓄積されたホロウナイトがガネーシャの掌底を前に倒れ、続いてリオンの剣により両手を失ったソーサラーが胸を貫かれ浄化される。



 敵側の魔物は完全に沈黙した。



ミ「か、勝った…。やったー!勝ったっスーー!!」



マ「今までで一番強力な敵だったね。みんな怪我をしていないかい?」



リ「あー、俺はホロウナイトに何回か切りつけられたぜ。回復を頼むわ。」



セ「私は少し火傷を。同じくケアしていただいてよろしいかしら?」



 マイアとコルックがそれぞれ2人を回復する。



マ「ここの異世界の穴はまた開いたりするんだろうか?

 今後ここに立ち入る冒険者のことを考えると不安だね。」



 コルックが辺りを調べて言う。



コ「そ、その心配はしばらくなさそうです。へへっ。


 穴はどうやらここから空いたようですが、今はマナの流れも亀裂も見当たらず静かなものですね。はい。」



リ「しっかし、ギルドにはきつく言ってやらないとな。俺たちじゃなきゃ今頃どうなっていたことか。」



マ「まぁほどほどにね。なにはともあれ卒業試験終了だ。これで無事上級のクエストが受けられるね。」



 どこからか気持ちいい風が吹き抜ける。


 はなまるパーティは残ったマナの結晶を採取すると、マキト神殿を後にした。


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