第20話 挑め、卒業試験! その2
新しく戦いが始まっていた。
ホロウナイトのうち一体をガネーシャが、もう一体をセシリアが引き付ける。
しかしその身のこなしは素早く、なかなか釘付けにすることができずにいた。
セ「相手は回避に慣れてきたのか、なかなかフォトンにあたってくれませんわね。
リオン、前に出て一体を頼みますわ。
私は集中して一体を叩きます。」
リ「あいよ。
しかしこいつが二匹同時に出るとは、嫌な予感が当たったな。」
リオンはコルックから聖属性のエンチャントを受けると、最前線に駆け付ける。
幸いバフを受けたリオンはホロウナイトに後れを取ることはなかった。
リオンの剣は数回振り下ろされた後、的確にホロウナイトの剣を弾き飛ばすとその首を一刀両断した。
だが首なしになったホロウナイトがリオンに抱きついてくる。
リ「こいつ、首を落としても動くのかよ。ち、力もすごいぜ。マイア、コルック早くとどめを頼む!」
首なしの敵にフォトンが集中し、無事ホロウナイトはこと切れた。
残った一体もセシリアが追い詰めていた。
ホラー系の魔物に共通の特徴で、見た目からダメージが推し量りにくかったが、食らった攻撃の総数からするとかなり体力を削られているようだった。
セシリアの中段蹴りがホロウナイトの脇腹を捉えた直後、ガネーシャの渾身の追撃がそれを宙に弾き飛ばす。
空中でフォトンを受けたホロウナイトは地面を迎えることなく雲散霧消した。
マ「みんなおつかれさま。
とうとう強敵が二体同時に出現したね。
特に前衛の2人はよくやってくれた。感触はどうだった?」
リ「まぁ何とかなるって感じじゃないか?追い詰められたってほどではなかったかな。」
ミ「そういってホロウナイトに捕まって慌ててたっス。」
リ「うっ、確かに。どうかあれはノーカンにしてくれ。次があったら気を付けるぜ。」
セシリアも答える。
セ「私もガネーシャと2人でホロウナイトにあたれば大して苦労しませんわ。
余裕こそないですが負ける要素は見当たらないんじゃないかしら。」
マ「そうか。まだなんとかなりそうで良かったよ。
残るエリアはもう少しだ。落ち着いて進もう。」
一行は最後のエリアまでもう少しというところに辿り着いた。
そこで思わぬお宝に遭遇する。
ミ「こ、これはマナの結晶じゃないっスか。
こっちにもあるっス!
これミカたちが採取していいんスよね?
こんなの初めてっス!」
リ「おー、期待はしていなかったが嬉しいじゃないか。
鉱物商にもっていけばかなりの価値になるんじゃないか?」
一方でマイアの顔は怪訝だった。
ミ「マイア、喜ばないっスか。
ミカたちしばらく貧乏からおさらばっスよ?」
マ「マナの結晶がある…それは異世界からの風が吹いたことを示しているんだ。
ここには十中八九、他の世界からの魔物が流れ込んでいる。今まで戦った強敵がそうだろうね。
問題なのはギルドから事前にその報告がなかったことだ。
ここにはびこっていたのはやはりギルドの掌握していない魔物だった…。」
コ「こ、この先に異世界との境界が開いた場所があるんでしょうか。
ならそこは危険です。
異世界からの強力な魔物が複数はびこっている可能性が高いです。はい。」
リオンが振り返る。
リ「だったらマナの結晶だけ採取して帰るか?
クエストは諦めることになるが報酬は十分確保できる。」
セ「でもそれだと卒業試験の話も一旦お流れになるでしょうね。
ギルド側に落ち度があったとしても、次のチャンスがいつになるかはわからないですわ。」
考え込むはなまるパーティの一団。
マ「決をとろうか。進むに賛成の人は挙手。戻る人はそのまま。ではどうぞ。」
パラパラと手が挙がる。
マイア以外の四人が手を挙げた。
セ「意外と慎重なのね。負けの目が多いと見たのかしら?」
マ「まさか。でもギャンブルはしたくないんだよ。
命を預かってる身としてはね。」
マナの結晶をあらかた採取し、はなまるパーティは最後のフロアに進軍した。




