第14話 『呼ばれて、飛び出よ』セシリア嬢 その1
マイアが体調不良のため、4人は大事をとって1日だけクエスト受注を休んだ。
しかしその後は、Dの難易度中クラスのクエストを受け続け、ほとんどを危なげなくこなしていく。
受付嬢にも順調な攻略を褒められ、ご満悦なミカ一行であった。
そうしてまた1週間が経ち、転生装置が使える日がきた。
マ「やってきたね、ウリウの洞窟。今回もどこかの世界で困っている人を転生させるよ。」
ミ「そしてあわよくばミカたちの戦力に…っスね。コルックくん、これを転生の儀というんスよ。」
コ「か、かっこいい名前ですね。ミカさんが考えたんですか?」
名付け親のマイアからの返事はなかった。
そして転生装置をいつも通り起動させるミカ。その姿に異変がないかじっと見守る3人。
『マナの供給を確認しました。対象を転生します。』
ほっと一息をつく4人。続いて光の柱が立つ。
黒い影がはっきりと浮かび上がり、光のベールが降りていく。
ミ「ほう、女の子っス。初めてっスね!」
?「あら?転生できたようね。おーほっほっほ。私が来てあげたわよ!」
金髪縦ロールといういかにもお嬢様といった髪型。
お召し物はピンクのドレスと、間違いない出で立ちだった。
手にはどこか水差しを思わせる、不思議な金属器を携えている。
リ「なんだ、コイツ。えらく高飛車だな。」
?「あら?お迎えにしてはえらく人数が少ないわね。大丈夫なのかしら。」
マ「私たちは冒険者のパーティで、今いるのがメンバーなんだ。
私はマイア。パーティの代表みたいなことをしている。まぁ、えらくはないんだけどね。よろしく。」
ついでミカたちも自己紹介をしていく。
セ「ふーん、そう…私はセシリアですわ。
でもこのパーティ、私の強さに見合うのかしら?
あんまり弱いと張り合いがなくてよ。」
ピクリ、とリオンが反応する。剣を斜めに構えると言い放つ。
リ「だったらその実力、証明してみせるんだな。」
不穏な雰囲気にわたわたと慌てるコルック。
セ「手合わせといったところかしら?よろしくてよ。」
手の金属器をしっかりと持ち直すセシリア。
セ「私は使い魔とともに戦うダンシングファイターですわ。その妙技とくとご覧あれ!」
見ていたミカが割って入る。
ミ「それはもしかするともしかして、魔法のランプっスか??
ミカ知ってるっス。ランプの精がでてきて願いを叶えてくれるんスよね?」
セ「願い?ランプ?…いいえ。これはグレイビーボートですわ。こするとあら不思議…。」
煙とともにあぐらをかいた獣人が空中に現れた。
セ「私の相棒、ガネーシャのお出ましですわ。」