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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第五部 主と建国せし道 第一章 ジャンカの町 闘技大会

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第八百六十三話 第七階層 能力の魔 異能の戦いその二

「ゲヒャヒャヒャヒャ、効かねえな」


 首を斬り落としたが、その首を手に持ち気色の悪い声を発するダンタリオンへ、トウマ

とバウルスが一斉に攻撃を仕掛ける。

 ガードネスクロウルはその巨体を生かして、何処からか産み出された鳥の攻撃を防いで

いる。

 こいつはデカラビアとかいう方の能力か。


 意識的にこいつらの力を感じたわけじゃないが……ベリアルの中に封じられた何かの欠

片のようなものだろう。

 気掛かりなのは上空に位置するエゴイストテュポーンなる謎の存在。

 こいつは……やばすぎる。今のところ開けた口からは紫色の渦を吸い込むだけの存在で

動いてはいない。


 コウテイにレドッピー、アデリーにブラッピーを乗せて、左右から挟むようにデカラビ

ア、ダンタリオンを攻撃させる。

 ただ単純に戦って勝てる程、こいつらの戦闘的能力は低くない。

 ベリアルはきっと、俺にヒントを伝えたはずだ。

 取り込んだ力を放出する力。つまり直接的に妖術などを行使するのではなく、放出して

戦えということなのか……。

 だが、トウマにしろスノーバウルスにしろ、あんな化け物をどうにか出来るのか? 

 俺丸ごと飲み込んでしまいそうな威圧感が、エゴイストテュポーンにはある。


「ゲヒャヒャヒャ、食っちまうぜぇーーー!」

「グルオオオオオオオオオオオオ!」

「よせダンタリオン。それは死竜だ」

「げぇ。くそまずい。ペッペッ。食えたもんじゃねえな」

「氷臥斗!」


 トウマに噛り付いたダンタリオンんへ向けて氷術を放つ。

 あの石像を破壊すればいいのかと思い、試しに斬撃を飛ばしてみたが効果が無い。

 実体が存在しない繋がりを示すだけのようなものか? 

 そういやタナトスは何してるんだ? 両手を前に突き出して何か構えてるな。


「おいタナトス! お前も一緒に戦うんじゃなかったのか」

「ぐぐっ。君ね……私が抑えてるから上のあれ、動かないんだよ!」

「……ああそうだったのかご苦労」

「酷いな! もう解放しちゃおうかな!?」

「そしたらお前の弟ヒューメリーまで飲まれるぞ、頑張れ」

「くぅ……結構きつい。そんなにもたないから早く片を付けて!」


 言ってくれる。つまりタナトスが諦めたら終了ってことか。

 やぶれかぶれに攻撃しても意味はない。

 俺に出来る……取り込んで放出する力。

 それは何だ……俺に何があるっていうんだ。

 トウマに力を与えても、これ以上一気に力が増したりはしない。

 ギオマはどうだ? いや、この場にいないものを考えてもしょうがない。

 この場にいない……いない、か。


 考えてるうちにもトウマやバウルスたちは大打撃を受けている。

 このままじゃ消滅させられる! 

 この形態におけるモンスター招来にも関わらず、あいつらは簡単にあし

らっているようにみえる。

 確かにこんな奴らが協力して戦っていれば、ゲン神族側は負けなかったかもしれない。

 もう少しだけ、耐えてくれ……何か、気付きそうだ。

 ベリアルが何て言ってたか、正確に思い出せ。


【落ち着け。おめえは他者のことになると熱くなりすぎだぜ。必要なのは取り込む力。そ

してお前なら出来るはずだぜ】


 取り込んだ力を放出する力……違う、ただ放出するんじゃない! 

 準備が必要っていうのも、事前にただ放出しろってことじゃないんだ。


「全員戻れ」


 全てのモンスターを一度封印へと戻した。


「ちぃ、もう少しでトドメだったのによぉ! まぁいいぜぇ。ゲヒャヒャ、本体を殺っち

まおう」

「ヒューメリー! 俺に力を貸せ!」

「だえー」


 ヒューメリーが角から液体のようなものをデカラビア、ダンタリオンに飛ばし始める

と、うっとおしいようにそれを回避していく二人。

 あの液体は触れれば昏睡は免れないのだろう。

 

「ゲヒャヒャ、死ねぇ! ベリアルの半身!」

「ダンタリオンだったな、お前何か勘違いしてるだろ」


 明らかに毒があるような牙で噛みつきにきたダンタリオン。

 首を放り投げ、それを自由に操っている動きだ。

 ティソーナ、コラーダの連撃でバラバラにするが、ぶった切っても平気で再生していく

恐ろしい奴だ。

 五等分に斬っても、その五等分がそれぞれに動き出す。

 まるでスライムのように分裂する能力。

 デカラビアの方は、レドッピーとブラッピーを既に消滅させていた……。

 

「もしかすると君を殺せば我々も解放されるかもしれんな。悪いがその命、もらい受ける

ぞ」

「ゲーヒャヒャヒャ、合体! 俺の体! 死ぬぜぇ、死ぬぜぇ……ベリアルじゃねえお前

に俺たちは殺せねえ。その程度のモンスター共、幾つ食って来たと思ってやがるんだ」

「そうか……ダンタリオンだったか。お前の言う通りだ」

「ゲヒャ? 理解したか。おめえはベリアルじゃねえんだ。無理せず諦めるこったなぁ」

「そっちじゃない。もう、時間か……悲しいところだ。苦労したんだけどな」

「こいつ何言ってやがる。とちくるいやがったか。ゲーヒャヒャヒャヒャ、死ねえ!」


 バラバラになっていたのが一つにまとまり、一気に迫るダンタリオン。

 

「トウマ……アルカディアファライナを食え。モンスター合成!」

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