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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第五部 主と建国せし道 第一章 ジャンカの町 闘技大会

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第八百六十二話 第七階層 能力の魔 異能の戦いその一

 第七階層前……この場所も今までの階層と同様の扉がある。

 扉を押して入ってみると、こちらにも変わらず何も見当たらない。

 上部を見るが、こちらにも何もない。


 一体ここで何をさせようというのだろうか。


「何も無いけど、何が起こるんだ?」

「中央に立ってよ。此処からは私も協力するからさ」

「先ほどのせいでお前の協力が足を引っ張りそうだと感じているのだが……」

「そんなこと、ないよ」


 タナトスに促されるまま、広い部屋の中央へと立った。

 特に何も起こらないが……「もう一度、その場所から上を見てみなよ」

「上?」


 言われた通りに再度天井を確認すると……とても小さい鏡のような、ステンドグラス

のような何かがあるのが分かった。

 

「始まるよ。君はかなり苦戦し、苦しむかもしれない。だけど最後は……打ち勝てると信

じている。爆輪!」


 タナトスが上部に爆輪を放つと、天井で大きな爆発が起こる。

 そして――「情けねえ面してんな。人が気持ちよく寝てたってのによ、起こしたのは誰

かと思えば……」

「ベリアル、だろ。いいや間違いない、ベリアル。どうなってるんだ、これは」


 目の前にいるのは俺だ。

 だが感覚的に俺じゃないことは分かる。

 今まで返事をしなかったベリアル。

 相対してみて伝わる魂の共有者。


「どうやら此処では動けるようだな。俺は力を使い果たしちまったみてえだ。だが、まだ

死んだわけじゃなかったんだな。またタルタロスのくそ野郎に作り替えられるのかと思っ

てたぜ」

「何が起こってる。いや、そんなことはどうでもいい。お前と……戦わなければいけな

いっていうのか」

「さあて。そうだな……ぐちぐちしてるおめえの顔面に一発くれてやるのも悪くねえか。

いいか良く聞けルイン。俺の意思があるうちにだ。俺の魂は半分、別にある。ソロモンの

悲願を成し遂げるにはどうしてもやらないといけねえことがある。今のその体は封じられ

た力が多い。それにおめえの力だけでその力は解放出来ねぇ。ベリアルの能力はベリアル

あってこそだぜ」

「お前を救うには、どうしたらいいんだ。また……お前と戦っていくために、俺は何をし

たらいいんだよ!」

「落ち着け。おめえは他者のことになると熱くなりすぎだぜ。必要なのは取り込む力。そ

してお前なら出来るはずだぜ。取り込んだ力を放出する力……ちっ。話は終わりだ。いい

か、準備をしろ! 多分複数、守護者を出す……」

「何を……いや、もういい。戦えってことだけは分かったから」


 さっきから苦しそうにしている表情ばかりだ。

 死んで、魂を作り替えられた。

 その魂を半分失ってなお、こいつは何かをなそうとしている。

 器はベリアルなんだ、きっと。


「……ちげえよ。お前が器であり本体だ、馬鹿野郎が。あんな絶望、俺には耐えられやし

ねえ。俺は逃げたんだ。絶望の状況からな」

「っ! ベリアル、お前!」

「行くぜ! ルイン! 言われた通り先手を打ちやがれ!」

「くっ。妖氷造形術、コウテイ、アデリー。妖雪造形術、レドッピー、ブラッピー」

【絶魔】 

「煉獄トウマよ、来い」


 こちらの術発動から遅れて、相対する過去最大の相手、ベリアルも、一気に詠唱を開始

する。


【 ᚴᚢᚾᛋᛏᚢᚴᚢᛚᛚ ᛚᛁᚴᛖ ᚹᚨᚷᛖ ᚢᚾᛚᛁᛏ ᚠᛁᚾᛘᛁᚴᚦᛖ ᛏᛖᚲᛁᛋᛚ ᚾᛟᛘᛁᚾᛋᛚᚨ ᚠᛁᚾᛘᛁᚴᚦᛖ ᚢᚾᚷᛁᛋᛚᛁᛋ ᚠᚨ

ᚢᚾᛁᚴᛁ ᚦᚨᚱᚴᛋᛚ】

「クンストゥクウル リケ ワゲ ウンリト フィンミクステ テキスル ノミンスラ

フィンミクステ ウングイス ファウニキ タァクスル」

【エゴイストテュポーン、招来】

 奇声を挙げ終わると同時に、天井が崩れ、大きな裂け口を持つ怪物が現れた。

「地獄の王が命ず。我が配下よ、ソロモンの名の許にはせ参じよ。パーガトリーゲート」

「雪帝バウルス、堅老主クロウル、我が下に来い」


 ベリアルの招来と同時に、更にスノーバウルスの王ともいえる程巨大な白い獣と、超巨体なクロウルが現れる。

 それぞれが絶魔の影響を受け進化した形態となっており、壮絶な威圧感を誇っていた。


「ゲヒャヒャヒャヒャ、おいおい、なんだコイツ。ご機嫌じゃねえか! ベリアルをぶっ殺していいのか?」

「良く見ろダンタリオン。そいつはベリアルじゃない。後ろのアレがベリアルだ」

「ああん? 何言ってやがるデカラビア。あんな眼の赤い石像に向かってよ」

「ふむ。あれは塔に接続した意思か」


 自分そっくりのベリアルは、いつの間にか石像と化している。

 その石像からは管が出ており、それぞれがダンタリオン、デカラビア、そしてエゴイス

トテュポーンへと接続されている。


「……お前らはベリアルにとっての何だ」

「ああ? 誰に向かって講釈を垂れてやがるんだ、てめえ! ぐちゃぐちゃに……」


 いうより前に先手を打ったルインは、ダンタリオンの首を切断していた。


「答えなくていい。歪んだ台詞だけで十分だ」

再び連話構成でお楽しみ下さい! 

この戦い、筆者も見物です。

指を動かせ、頭を回せ! 気温の差にあがなえーー! 

と己を奮い立たせながら書いております。

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