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第八話 ガラポン洞窟の奥へ

 試しに振るったシミターの先から、以前イメージした時と同じような青い炎がでる。

 やはり何かしらの媒体が俺には必要なようだ。


「おぉ、燃斗使えるようになったじゃねーか。その武器のせいか?」


 メルザは手を挙げてぴょんぴょこジャンプしている。

 パモも真似してぴょんぴょこしているが、あまり飛べてはいない。その仕草がとても可愛い。


「多分メルザと違って何か代用しないとその力は使えないみたいだ。

このシミターには【燃斗付与II】ってのがついてるみたいでな。

ただ、使用制限があるみたいだから、うまく考えて使わないと。メルザのブレスレットはどうだ?」

「うーん、はめた感じじゃわかんねーな。知識が上がるっていってもよ。

そもそもそんな知識なんて持ってねーしよ。にはは!」


 そう言いながら笑うと、メルザは再び燃斗と氷斗で水を生成し、ダーッと飲んでいる。

 パモも水が欲しいのか、メルザにすり寄って水を美味しそうに飲んでいる。

 そーいやパモって何食べるんだろう。後でパモの情報も見てみないとな。


「少し休んだら黄色のマークのところに行ってみるか。

その前にここって青いマークだったとこだよな。

もしかしてここにも宝箱があるんじゃないか?」


 地図上のマーク辺りを探してみる。

 すると……今度は箱ではなく、紐が付いた皮製の袋が見つかった。

 

 中を開けてみると小さい銀色のコインが幾つかと、銅色の

コインがいくつか入っている。これは金か? 


「おぉ、レギオン銀貨とレギオン銅貨じゃねーか。

金がありゃよ、町で食い物とか動物とか買えるぜ!」


 紐は俺の身体には短かったので、メルザのスカート部分の腰にくくりつけてやる。


 歩くたびにじゃらじゃらと音がして、メルザも嬉しそうだ。

 他に何かないか探したが、特に何も見つからなかった。

 今度は黄色いマークの地点を目指していく。


「あれはどう見ても罠があるよな……」

 

 小さい小部屋が見えたが、中央に一枚紙のようなものが落ちている

だけで部屋には特になにも見当たらない。


「なんだよ紙切れ一枚落ちてるだけか。さっさと拾って奥まで行こうぜ」


 そのまま歩いていこうとするメルザの首あたりをわしっと掴む。

メルザは放せとバタバタしているが、どう考えても怪しすぎるだろ、あれ。 


「落ち着けって。罠があるっぽいだろ? ちゃんと調べるから待っててくれ」


 目の前に意識を集中して眼を閉じる。

 俺のその様子をじっくり見るのはメルザも初めてのようで、驚いているようだ。


「ルイン、なんか俺様が燃斗とか使ってる時みたいになってるぞ!?」


 どうやらこの情報取得能力もその手のたぐいのものらしい。

 能力に名前をつけるとするなら……。

 アナライズ。そう呼ぶことにしよう。改めて再度意識を集中する。


 ……すると、目の前にある紙の情報が浮かんできた。


剣闘士の戦い方 初級

この紙を持ち念じながら燃やすと

剣闘士としての戦い方を身体に覚えさせる事ができる

対象一人にしか効果がなく、燃やすことで無くなる


 その紙への直線上は赤く光っている。

 真っすぐ取りにいけば引っかかるのだろう。


「メルザ、取ってくるから待ってな」


 横から回り込んで紙をとる。近くで見たら紙というよりカードだった。一枚しかないようだ。


来た道を戻りメルザにカードを見せる。


「これってジョブカードってやつじゃねーか? 見るのは初めてだけど、ずっと

昔村にいた奴に聞いた事ある。ルイン、使ってみろよ」


 メルザは俺にカードを持たせてメルザが燃斗で火をつける。

 シミターもあるしちょうどいいな。

 この洞窟はそういった戦いの用途で入れた洞窟だったのかもしれない。


 カードが燃え終わると、今まで剣なんて使った事がなないのになんとなく扱える気がした。

 初級って書いてあったが、初級でも身体に馴染むものなのか? 

 心なしかシミターも少し軽く感じるようになった。


「どうだ? 何か変わったか? 町で最低でもレギオン銀貨

五枚はするって聞いたからな。けど今はカネなんかよりルインに強くなって欲しいしな!」

「あんまり実感は湧かないが、少し剣の使い方が分かった感じがする。

銀貨五枚ってのがどのくらいの金額かはわからないが……それじゃ最後に一番奥まで行ってみるか」


 メルザとパモを連れ洞窟の最奥を目指す。

 ――すると、最奥の部屋の前には大きめの扉があった。

 いかにも最奥って感じのする扉だ。

 俺たちが扉を押すと、その扉はゆっくり開いていく。

 扉の奥にいたもの。それは―――――。

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