間話 私とニーメ
ここまで一気に書きなぐっていきました。
順に読んで頂いた方々。本当にありがとうございますm(__)m
メリルの領域にて。
「お姉ちゃん、お水持ってきたよ」
「ありがとう、ニーメ」
「今日はね、いい材料が取れたんだ。これでまた一歩完成に近づけるよ!」
「ニーメ、私が動けるようになるまではくれぐれも危なくないようにね?
あなたに何かがあったら私……」
「大丈夫だよ。それにもうじきお兄ちゃんも帰ってくるよ!」
そう。私はルインに助けられた。
あの日、闘技場を出て宿屋に戻った私は変なやつらに呼び出された。
人前だし追い払おうとしたけど、あいつらは私にだけ聞こえるようにこう伝えた。
「おまえの弟は預かっている。命が欲しければ幻魔神殿までついてこい」と。
冷や汗が出た。
私はわざとメッセージを残すように場所の名前だけを回りに聞こえるように言い、やつらに
ついて行った。
しばらくして向かった幻魔神殿の一角に、痕跡をばれないように残していたら、意識を失い
気付いたら足がなかった。
どこかの地下牢のような場所。足のない恐怖に何度も気を失ってしまった。
反対側の牢屋から喋り声が聞こえた。
そこには不思議なぬいぐるみ。
地下牢でとても気味が悪かったけど、これからの自分のことを
考えると、そんな相手でも話しているだけ気がまぎれた。
早くに両親を失いニーメと二人だけ。
食べないと生きていけないから悪いこともした。
その報いなのかもしれないわね。けどニーメだけは無事でいてほしい。
場所は宿屋の女将が聞いていたはず。
運が良ければ助かるかもしれないけど……。
ここはよくわからない地下牢。
もしかしたら幻魔神殿じゃないのかも知れない。
私たち姉弟を拾ってくれたあの人たちなら、きっとあの子を助けてくれる。
私はそう信じている。
部屋の上の方が騒がしかった。誰かきたのだろうか?
もしかして……けどこんな場所に助けなんて来ないわ。
もし助かるのなら、こんな足でも頑張れるなら。
救ってくれた人のために、全てを投げだそう。
扉が開いた。そして私を助けてくれたのは……ルインだった。
彼の顔を見て安堵した。助かるんだと。
不安と恐怖から解放され、涙が止まらなかった。怖かった。今までずっとずっと、涙を流さず
我慢してきたのに。
一緒にいたぬいぐるみも、どうせなら助けてあげてほしい。
そして私の意識は途絶えた。
意識を取り戻して、近くにニーメがいるのが見えた。
自分の足が無いことよりも、ニーメが生きていてくれて本当によかった。
しばらくして……意識を失っていたのか、私はニーメと共にメルザの領域にいた。
ニーメは私のために試作品の義足を作ってくれた。
今はそれを改良するために、材料を一生懸命集めてくれている。
最初は驚いていたが、今は中のいい真奈美……いえマーナと一緒に。
二人は年が近いのか、とても楽しそうに過ごしている。
早くメルザたちが帰ってこないかしら。
大会に出れなくなったから、絶解呪の書がどうなったかとても心配。
パモを助けられるだけのポイントに到達すればいいのだけれど……。
今は祈ってみんなを待つことしかできない。
動けるようになったら必ず、恩返しするからね。
これで第三章 闘技大会編 終了です。
明日から仕事ですので少しペースが落ちますが
第四部以降もまだまだ考えておりますので
楽しみにして頂けるととても嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
これより見直し作業にも入りますm(__)m
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今後のモチベにつながります!