間話 ギル・ドグマ戦vs死流七支
「ったくでけえなこいつは」
「ぼやいてもしょうがないだろセフィア」
「さっさとかたしちまわねーと闘技場が墓場になるぜ」
「今日は厄日だな。せっかく弟子の戦いが観れると思ったんだがな」
「八剣のうち三本は俺が折る」
「五本は折ってこいや!」
「一本折るのだって疲れんだぞありゃよ!」
そういうとベルディスは両手斧を掲げて突撃する。
「巨爆烈牙斧!」
振り下ろす斧の斬撃が二十m程のとんでもない分厚さで飛んでいく。
ただ技の反動もそれに比例して大きく、ベルディスも後方に吹き飛ぶ。
「あーくそ、久しぶりに撃つとやべえ」
「なまってんのかこら、あぁ? 治癒すっからこっちこいや!」
「あぁ…なまってるわ。こりゃ」
吹っ飛んだベルディスに、セフィアが駆け寄り治療を開始する。
ギルドグマは怒り狂いベルディスの方を襲いにくる。
「ヘインズの盾」
ハーヴァルは直径十m程のドーム状の防御壁を作り攻撃を防いだ。
「おいおい、火力ありすぎだろ。持たないぞそんなに」
「治癒してる間くらい気合いれて持たせろや! この金ぴか野郎が!」
「セフィア、その呼び方はやめてくれ……」
「おい、もう大丈夫だ。もう一発いける」
そういうと、ベルディスは先ほどよりさらにでかい斬撃を飛ばした。
「そんなにしたら、僕の玩具が壊れちゃうでしょーっ?」
「……なにもんだてめぇ」
「みんなのアイドル、ニニーちゃんでーすっ」
「ちっ……黒幕からじきじきにお出ましかよ。目的はなんだ!」
「そんなの言うわけないじゃんっ。ばかじゃないのーっ?」
「んだとこらっ、嚙み殺すぞ!」
「やだーっ。ニニーこわぁーいっ。けどもう粗方終わって撤収命令なんだよねーっ。
だからお兄さん達とは握手してあーげないっ。またねっ」
ニニーは話終えると地面に消えていく。
暴れていたギル・ドグマも一緒に地面に消えていった。
「あーあ、逃げられちまったじゃねえか、どうすんだ、これ」
「俺が知るかよ。それより世界中から集まった奴らがいる場所で
これだけ表立って活動しやがるとはな。間違いなくありゃ常闇のカイナだろ」
「そうだろうな。とりあえず外出ようぜ。相当死んだぞこりゃ」
「ふん、死んだ奴の蘇生はできねぇ。捨てておけよ」
シーザーは少し不安になり思案する。
ルインが無事に逃げられたかを。