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第七百十八話 夜明けの洞穴

 昨晩はアメーダの振る舞いにより、美味い飯が食えた。

 どうやら俺が教えたカレーに関する知識を深めたいようで、煮込み料理だったのだが、今回は

米が無いので普通の煮込みスープだ。

 とはいってもパモを連れてきたお陰で食糧には今のところ困らない。

 我がマスコット程優秀なやつはそうそういまい……そういえばシマエナガとリスに似ていた可愛いアイリス……イオナは、ファナがつきっきりで見ていたため、既にファナのものと化している。

 よほど気に入ったのだろう。餌やりも全てやってくれているので、当然ファナになついている。


 ……と、なぜこのような事を考えているかというとだ。


 俺とアメーダ以外爆睡している。疲れ切っているといっていい。

 特にジュディは結構いびきが酷い。

 液体化してつまりやすいのか? 

 とはいえここまで無事にこれたのもジュディのお陰だ。

 何も知らず突っ込んでいたら神風で八つ裂きにされていたかもしれない。


「偶然の出会いってのはわからないものだな。俺はシフティス大陸に向かうまで、ブレディーを

もっと安易に復活させらられるものだと考えていた」

「その復活というお話、おききしましたっが、本当なのでございますか? アメーダは

そこまで絶対神を信用していない故……」

「俺も同感だ。ブネやエプタと違って、絶対神イネービュは遊んでいるようにもみえる。

それが絶対神故かどうかはわからないけど」

「絶対神の中でもまだ、話が通じる方である事は間違いございません。ですが……絶対神は

都合が過ぎるのでございます」

「それはわかる。俺もそれなりに振り回されたからな。だが、力無き俺の力を

目覚めさせたのも絶対神」

「そうでございますね……あなた様は魂の共有者。そして、乗り越える者……でございますから」

「乗り越える者? それはどういう……」

「フゴ!? ごほっごほ……あれ? おお、おはよう……」

「ジュディ、大丈夫か? おはよう。まだ寝ててもいいんだぞ」

「そうもいかないだろ……ふー、良く寝れたようだ。すっきりしたぞ」


 あれでよく寝れたのか? こっちは呼吸が止まるんじゃないかと少しヒヤヒヤ

したぞ。でも元気になったならなによりだ。

 続々と皆起きるが……プリマだけはしがみついて寝てる。

 やっぱりメルザと似ているなこいつは。


「あなた様がプリマ様を見る表情、少し羨ましく思うのでございます」

「いや、なんか似ててさ。俺の大切な人に」

「そうなのでございますね……では朝食をご用意いたします。しばしお待ちを」

「ああ、そのアメーダさん。あれだ……いつも、ありがとう。助かってるよ」


 アメーダはそっぽを向いたまま慢心の笑みを浮かべて支度へ取り掛かった。

 やっぱり王女が阻むんですね、わかります。


 エンシュも起きたので、少し実力をみてやることにした。

 現状を理解しないと改善もしてやれない。


 その辺にある適当な木材を手に取り、相手をすることにした。

 エンシュはとても不満そうだが、朝飯前に斬りあうわけにもいかない。


「お前は抜刀術を得意としているんだよな。俺は抜刀術に詳しいわけじゃない。

シーザー師匠からも型程度しか教わってないんだ」

「はい。抜刀術・酒鬼という流派です。俺の母さんから教わりました。でも……」

「教わってる最中に亡くなったのか。名前からして酒鬼魔族ってのは抜刀術が得意だったのかもな」

「数年前の招集で、命を落としました。でも俺は悲しくなんてない。それが宿命なんだ。

酒鬼魔族は戦う事が全てだから」

「それで? お前が死んだらその酒鬼魔族はいなくなってしまうんだろう?」

「それは……でも戦わないと」

「次の招集は近いのか?」

「四日後です。だから修業をするために何が一番いいかを聞いたら、やっぱり橋の上で神風を斬る

修業が一番だろってあいつらがいうから」

「神風を斬るか。無茶な内容だな……だいたいわかった。まずは剣の腕を見る。

その辺の棒切れでかかってこい。俺は二刀流がメインだが、一刀でいく。

お前も使うならどんな手段でも混ぜていいからな」

「いえ、俺は刀だけで戦いたいのでこの棒一本でいいです」

「そうか。それじゃ、始めるぞ!」

「はい!」

 

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