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第六百九十五話 ホーライ《時を巡る三姉妹》の楽園

 真化した両者は姿形を変えて対峙する。

 片方は蛇を纏い鋭い目つきの鳥を携え、ニ刀を手に持つ。

 対峙するは、左右の腕に秒針を携えるアルカーン。

 男は薄く笑みをこぼしながら、このひと時を楽しんでいるかのように見えた。


「十二の知られる時の武具」


 アルカーンがそう呟くと、無数の形状をした時計が円を描くように浮かび上がる。

 その描かれた時計の文字盤から、異なる武器が次々と浮かび上がって来た。


 アルカーンの真化を見るのは二度目だが……グリーンドラゴンと戦っていた

のをよく見ていたわけじゃない。しかしあの時の様子とはまるで違う。


 ティソーナとコラーダ……二振りの剣でけん制から開始しようとしたのだが、放つ赤閃は

どれも空中で静止したまま微動だにしない。

 

「見えざる幻手」

「っ! 妖楼!」


 突如背後から手がでてきて、こちらを掴もうとしていた。

 この感覚はどこかで味わった気がする。

 俺が初めて地底に行った時……か? 

 あれはアルカーンのアーティファクトだろう。

 俺の神魔解放が、強烈な警笛を鳴らしている。

 

「どうした。まさか手加減でもしているつもりか?」

「俺の技はどれも殺傷力が高い。慎重になるのは当然だろ」

「何も考えず全力で撃ってこい。俺は死なん。それともこのまま敗北するつもりか?」

「言ってくれるな……なら……獣戦車化! カタストロフィ!」


 この形態では最高の破壊力を持つ技。

 破壊力、速度共に申し分なく、一直線にアルカーンへとぶっ放す。

 

ホーライ(時を巡る三姉妹)の楽園」


 突如空中に浮かび続けていた、アルカーンの武具が六つ動き出し、それぞれを

手に持つ女性が三体出現する。

 将来術か? こんな技……見た事が無い。

 まるで造形されたような美しい女性たちは、無表情かつ無言のまま

解き放ったカタストロフィを切り裂いた。


「……これで終わりか?」

「冗談じゃない。まだ序の口だよ! 妖氷造形術……赤雪鬼、黒雪鬼」

『ピーノ!』

「変幻ルーニー! モード……紫電」

「ホロロロー!」

「妖氷造形術……赤海星、氷の赤大盾! 妖氷造形術、フンボルト、マカロニ」

「ウォィー」

「ウォイ」

「俺の力は本体ってよりこいつら……いや、全ての仲間の力だ! いくぞ!」


 こちらの造形術を、アルカーンはどこか嬉しそうに黙って見届けていた。

 

「ふっ。貴様はそれでいい。氷の術に特化したのだな。ルーニーは雷撃モードか……成長したものだ。

しかし……改変、ルーニー」

「ホロ……」


 上空に居たルーニーは突如として時が止まったように動かなくなる。

 さらに俺が産み出した大盾は、先ほど現れた見えざる幻手というものがいつの間にか手に所持していた。


 三姉妹にはそれぞれレドッピー、ブラッピー、フンボルト、マカロニが向かって

いるが、槍短剣、長剣格闘、長杖と本を持つ彼女らに、全く攻撃出来ずにいた。


「次はどうするのだ? 今は貴様に封印されているものもおらんだろう。打つ手なしか」

「アルカーンさん……あんたは俺に眠るベリアルの存在をいつから気づいてたんだ」

「……貴様が真化を覚えてからだ」

「そんなに早くからか……俺がベリアルの形態となるのを待っているんだな」

「使用しないならそれでも構わん。このまま俺の勝ちだろうがな」


 

 リーサルレデクや……今なら目の力を行使することもできるかもしれない。

 だが……「やっぱならさなければ成長は無い! 【ベリアル真化】」

「いいだろう。こちらは【神・真化】」


 支配する三姉妹や見えざる幻手をそのままに……アルカーン事態が大きく変貌する。

 それは明らかな魔族の姿。

 そして自らの衣類を時計で固めた、時を支配する者に相応しいいで立ち。


「いくぜ、アルカーン! ここからが本番だ!」

「来い。管理者の強さを知るがいい」

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