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第六百六十九話 アンデッド族との語らい

 俺が的確に放ったサルバシオンを受けた骨……本来なら消滅するに等しいダメージを

与えたとおもったんだが……どうやら俺はアンデッドにやたらと縁があるようだ。


 今目の前にいる骨は、何事もなかったかのように起き上がり、自分の外れた頭を

くくりつけはじめた。


「……おい、なんだそのアンデッド」

「俺が聞きたいんだけど。確実にサルバシオンが決まったぞ!」

「そうでごじゃろ」

「その剣が手加減したんじゃねえか?」

「失礼でごじゃろ! ちゃんとやったでごじゃろ!」

「おい。いきなり襲い掛かってきて詫びる気もないってのか?」

「あの、なんていうか。驚いて。すみませんでした」

「驚いたら襲い掛かっていいわけはないよな?」

「はい。全面的に俺が悪いので成仏してもらえませんか?」

「おいおい。成仏ってなんだ? まるで死んでるみたいな言い方じゃねえか」

「死んでますよね? どう見ても死んでますよね?」

「ばかいっちゃいけねえ。死んでねえだろ。こうして喋ってるんだぞ」


 俺は……はっきりいって混乱している。

 死ぬって何だ。生きてるって何だ? 

 目の前の骨はレウスさんと同じ……タイプのアンデッドじゃないのか? 

 いや、そもそもレウスさんがどうなっているのかは俺もよく知らない。

 箱から出てきた宝くらいの認識でしかない。

 はた迷惑な宝だけど。


「あのー。あなたは何ですか?」

「お前は自分の事がなんだかよくわかってるのか?」

「ええと、そこそこはわかってます」

「曖昧な奴だなぁ、お前。そっちの兄ちゃんの方がよっぽど話が通じそうだ」

「おい俺を見るんじゃねえアンデッド!」

「あれ、エプタって案外お化けの類が怖いのか?」

「はぁ!? 怖くなんかねえぞ。攻撃手段がねえだけだ!」


 俺と骨は顔を見合わす。いや、骨を見合わす。

 物凄い悪い笑みを浮かべる骨。

 じりじりとエプタへと近づいていく。


「おいおい、ちょっとお前こっちきて話そうぜ」

「く、来るんじゃねえ化け物め。なんで死なねえ? 一体なんだこのアンデッドは!」

「落ち着けよエプタ。レウスさんみたいなものだろう。最初は俺も驚いたけど

仕掛けが分かれば別に怖くない」

「ばかやろう! あいつはただのお笑い担当骨だろうが! こいつはどうみても禍々しい笑みを浮かべてやがる。なんでおめえは平気なんだ!? いかれてやがるぜ……」

「骨には慣れさせられたというか、オカマ骨まで体験済みだからな……」

「そういうことだからよ。兄ちゃんも安心してこっちで話そうや。な? な?」


 その表現はどう見てもレウスさんだぞ……。


「あのー、名前は何ていうんですか? バシレウス・オストーさんじゃないですよね?」

「あん? おめえバシ公知ってるのか? 俺の名前はよ。あれだ、忘れたわ」

「……やっぱりお知り合いですか。自分の名前を忘れたって、レウスさんより風化が進んでるんじゃ

ないか?」


 まさかとは思ったが、レウスさんの知り合いがこんなところに? 

 しかしレウスさんは妖魔の国にいた骨だ。

 地上の知り合いがいるなんて聞いていないぞ。


 さて、一体どうしたものか。無下に扱うこともできないし……。



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