第六百六十八話 廃鉱山はお化け屋敷!?
昨日で毎日投稿九か月となりました。
後ほどコメントを投稿する予定です。
引き続き頑張って書いていきます!
角眼鬼族の力を借りた眼。これは言い表すならソードアイの広い視界を
部分的に区切って明るさを上乗せし、視力をとてつもなく上げたように見える眼だ。
意識した部分にピントがあたり、そこへズームをかけて凝視できるような感覚。
これは確かに脳と直列につなげれば焼き切れるだろうな……。
そもそも脳が人間においてシングルタスクでしかないというのが問題だ。
一つの大きな脳を、多くても二十パーセント程度しか使えていないのであれば、その
機能を大幅に分散して使わせればもっと効率的に様々な事を処理できる……かもしれないが
それでも伝達物質……神経やホルモンなどの問題が大きく生じてしまうため、このような形で
留まっているのだろう……と考えていたら再びエプタに睨まれる。
仕方ないだろ。こういう場所はあれを思い出すんだから。
「はぁ……俺の今の気持ちをわかってくれるのはスライム三号とレウスさんだけだろうな……」
「あん? 何言ってやがるんだおめえは。レウスのやつならとっくに戻っただろうが。
領域に」
「そうなんだよな。レウスさんがいてくれたらどれほど心強かったことか。
全力でアニソンを歌う必要もなかったくらいだし」
そのように考えていたら目の前にレウスさんが現れた。
突然の事でとても驚いている。
しかしどうみてもレウスさんだ。
「あれ、レウスさん? なんでこんなところに?」
「ばかやろう! どう見てもただのアンデッドだろうが!」
エプタが急ぎ剣で打ち払うと、アンデッドはバラバラになる。
しかしすぐさま組み立てられて起き上がり、もとに戻っていく。
「おい、俺の剣じゃアンデッドと相性がわりぃ。おめえがやれ」
「はぁ? お前それなのに先へ一人で進もうとしてたのか?」
「うるせえな! 仕方ねえだろ。ブネをあんまり待たせるわけにはいかねえだろうが」
「そりゃそうだけど……悪かったよ、地図作りの方を頼む。
封剣!」
「にゅいーん。ティーちゃん再び登場でごじゃろ!」
「……こっちはやっぱやめよう。封剣」
「わわーっ。待つでごじゃ……」
「剣戒!」
「あちし、頑張る!」
「剣戒……おかしいな。幻聴が聞こえたぞ」
確かにしばらく喋らなくなっていたはずだ。
なぜ復活したんだ。このシリアスな場面の時に。
「おい、遊んでねえでさっさと剣出して戦え! 襲ってくるぞ!」
「くそ。アンデッドめ! 今こそ我が神の剣よ、出でよ。封剣!」
「最強にしてサイキョウ。ティーちゃん参上でごじゃろ! やり直しは
勘弁でごじゃろ!」
「おいティソーナ。今まで何してた。というか真面目にやれ!」
「酷いでごじゃろ! ティーちゃんは真面目でごじゃろ! さぁ
さっさと目の前のアンデッドを倒すでごじゃろ!」
無機質に向かって来るアンデッド。だが、ただのアンデッドであれば
問題ない。
「救罪の剣、サルバシオン!」
俺は救の文字をアンデッドに叩き込むと、骨は再びバラバラに砕け散り……そ
して動かなくなった。
鉱山内にこれがうじゃうじゃいるとしたら嫌だな……。
しかしどっから沸いたんだ、このレウスさんもどきは。
もし恰好が同じならせっちゃんもレウスさんもこいつも区別がつかないぞ?
「いてぇ」
「えっ?」