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第六百五十六話 エプタの提案

 二階に呼び出されたが、何かあったのだろうか。

 思い当たる節がない。

 ディーカ

「一体どうしたんだ?」

「まずはちっとだけ試させろ。心に見えぬプシュケーベイロス


 そう告げる間もなく矢が俺の両肩に……刺さらなかった。

 おかしい。あの技は回避不能。

 しかも相当なダメージを負う凶悪な技だと思っていたのに。


「けっ。気に入らねえけどよ。乗り越えやがったんだな。てめえの中の迷いをよ。

今やてめぇの迷いがてめぇ自身を守る立場かよ。こりゃあもう、次は負けるかもな」

「お前が気に入らないっていってたのは、ベリアルの存在か?」

「知らねえな。どのみちおめえは気に入らねえままだ。見た目が人間そのものだからかもしれねえ。

けどな、認めてやるよ。おめえは強くなった。はっきりいって神にも近ぇ程の実力が

着いたのかもしれねえ。だが力の使い方がまだわかってねえだろう。精進するんだな」

「……それを言うためにここへ呼んだのか?」

「言ったろ。ちょっと試しただけだ。要件は別だぜ。そろそろ、あいつが戻ってくるだろ? 

おめえは安全なところに置きてぇはずだ。だが死霊族の頼みを早く片付けてぇってのもあるだろ」

「ああ、その通りだ。頼めば待ってはくれると思うが、子供が産まれたら旅になど出れない」

「そうだろ? それじゃあよ、さっさと済ませる方法かつあいつらが安全に待ってられる方法がある」

「どんな? まさか一度ルーンの町に全員を戻すとかか? それは考えたが……」

「ちげぇよ。あの町だってタルタロスの部下が訪れたんだろ? なら安全とは限らねえだろ。

あの領域は大幅に改装する必要がある。おめえ、シカリーの奴にあったんだろ。

あそこを使うのさ」

「死霊族の領域をか? そんなこと、果たしてでき……」

「マミムメモマミムメモヤ、ユヨーやく来れたと思ったら次から次へと変な事ばかり

させないでほしい。幾らエーナが優秀だからといっても全知全能の神じゃない」

「エーナか。久しいな。今までどこに……ロブロードを広めてたんだっけ、そういえば」

「その役目は終わった。世界中に広まったから。世界を越えたかもしれない」

「こいつを使うのさ。おめえの話の限りでは飛びついてくるだろ。

当然シカリーに何かされちゃ叶わねえからイネービュ様直々に頼んでもらう必要がある」

「それで連絡用として呼ばれた。エプタに使いまわされててうんざり」

「死霊族の場所って本当に安全なのか? シカリーって死霊族については全く知らないんだ」

「おめえらじゃ知る由もねえだろう。ある意味絶対神のような立ち位置だ。

他の神々も迂闊に手を出せねえし、死霊族の領域は呼ばれた者しか入れねえ。しかも

おめえが依頼を受けてるなら、それを円滑に進めるために交渉してみる余地はある」

「そうか。それならアメーダに頼んでみよう。ファナやサラたちも頼めるかな……」

「そいつはどうかな。あのやかまし娘たちは難しいかもしれねえが、聞いてみるだけ聞いてみろ。

それと、おめえはこれからシフティス大陸東側に行くんだよな。

極力仲間は少なくしろ」

「なぜだ?」

「検問が多い。それぞれ偽装して入るにゃ無理があんだよ。出所のわからないやつは

容赦なく捕縛されるか指名手配だぜ」

「そんな厳しい場所なのか」

「魔王がゴロゴロいるって言えば伝わるか?」

「そうか、ハクレイ老師がそう言ってたな……明日までに考えてみる。エプタ、お前は……」

「おいおい、おれぁシカリーのところに行くに決まってるだろ。護衛だよ」

「そうか……色々ありがとう」

「別におめえのためにいってんじゃねえからな。勘違いするんじゃねえぞ」

「それは嘘。エプタがこんなに気を遣うなんてあり得ない。絶対あなたのため」

「うるせえぞエーナ! 鼻に矢ぶちこまれてえのか!」

「それは無理。エーナにあなたの攻撃は無効」

「……二人ともやめてくれ。だがお陰で肩の荷が下りた。後はブレディーを

元に戻すための方法か」


 だがそちらは、ベリアルの言っていた闇の知識の鍵が王女であるという謎を解かないと

ならない。つまり……「やっぱり王女に聞かないとだよな……」

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