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第六百二十八話 バラム・バロム戦再び

 突っ込んでいった場所には、裸の青髪の女性がいた。

 四の五の言っている場合ではない。全身から血を噴き出し、今にも死んでしまいそうだ。

 ぴくりとも動かないので、担ぎ上げると、その場所目掛けて何かが降り注ぐ。

 

「土斗! 土臥斗!」


 急ぎ壁を構築して爆発物と思われるそれを防ぎつつ、こちらの移動を見えづらくする。

 今の俺の形態は移動に特化している。

 一瞬でも目くらましができればそれで十分。後は……「ジェネスト! この人を頼む。クリムゾンの許へ一足先に! すぐルジリトもそちらへ連れて行く!」

「いいでしょう。ようやくらしくなってきましたね。それこそあなただ」


 ジェネストは俺の代わりに青髪の女性を担ぎ上げると、クリムゾンのいる方向へ走っていく。

 俺は超長距離戦闘を苦手としている。

 そのため更なる知恵をルジリトへ借りる事とした。


 対象は超長距離攻撃を得意とする相手。迂闊には近づいてこない。

 そのため戦場を広い場所と考え、見つけづらい位置をいかに保ち続けるかで、相手をいらつかせて

引きずり下ろすのが得策。

 更に沖と彰、ビュイとナナーに遊軍としてひきつける役を直ぐに実行。

 組み合わせは彰とビュイ、沖とナナー。 

 それと出来る限り高台に潜み、相手を翻弄するように。負傷者は任せて頂きたい……か。


 直ぐに沖虎と彰虎、ナナーとビュイを封印から出す。

 全員理解しているようで、直ぐに動き出してくれた。

 ナナーとビュイは、虎形態の二人に乗ってみたかったようで、やる気満々だった。


「全員気を付けてくれ。攻撃は最小限、かつ最小範囲だ。それと南東の高台から合図を出す。そしたら直ぐ、封印へ戻って欲しい」

「わかっております。幻奥の青を簡単に倒せる相手。勝てるとは思っておりませぬ」

「姉御がいない間は俺たちがしっかり働く!」

「ああ。任せた!」



 頼りになる仲間だ。それにルジリトの意見も。

 もし後四人、能力者がいれば、世界をひっくり返せる力があるかもしれない。

 一人は地形把握者。即座に周囲の地形を把握し、その情報を伝える者だ。

 一人は計略者。あらゆる場面で対象を罠にはめられる者。

 一人は実行者。その罠を設置し、合図を待って実行できる者。

 一人は交渉者。それらを交渉材料に、優位に事を運べる者。


 そう考えている間にも、ジェネストたちの許へ辿り着き、上空を見る。

 あちらは予定通り、沖虎、彰虎を狙って行動し始めた。

 だがこちらに気づいていないわけではないようだ。


「傷はどうだ?」

「よくないです。かなり前から戦っていたのでしょう。既に満身創痍だったようですね」

「意識がない。衣服は着せたが、ジェネストに担いでもらっていたほうがいいな」

「クリムゾンは俺と行動を。ルジリト、治療を頼む。パモがまだ薬剤をもっている」

「私の知恵は伝わりましたかな?」

「ああ。そのように行動してみる。お前も気を付けてくれ。いつまた幻奥の青を狙って来るか

わからない」

「今しばらくは平気でしょう。致命傷を負わせたと思っているに違いない」

「なぜそう思う?」

「主が助けに入った事はあれも承知しているはず。攻撃の手が弱いというのは

放っておいても死ぬと認識しているからでしょう。しかし……」


 ああ、なぜだろうか。どう見ても致命傷で死に至るほどではない。

 再生能力が高い……ということか? 

 いや、今はそんなことを考えてる場合じゃないな。

 まずは、高台に潜伏しつつ沖と彰たちに指示をだそう。



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