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第五百八十一話 幽閉された王女を取り戻せ! アネスタの実力

 シーたちが王城で戦闘を開始した頃……エーたちは、幽閉された王女がいる

はずの三十領区へ向かっていた。


「オリナス様の領区、明らかにおかしい。そこら中にモンスターがいるぞ。気をつけろ!」

「王女様は確か教会でありましたね。場所はコーネリウス殿に任せるであります」

「へぇー。これ、操られたモンスターじゃなくて自然発生型モンスターばかりだねっ。

アイドルの応援に来たのかなー?」

「レニー。あまり無茶をしちゃだめだよ。彼が心配するからね」

「でもでもアネさん。この領区だけおかしくない? 王城と近い感覚なんだけどなー」

「そうだね。ここは他の領区と違って、材質などが異なる建築物が多い」


 モンスターをかいくぐりながら教会を目指す一行。

 幸いコーネリウスも復活しており、生息していたモンスターを軽くあしらっている。

 

「あれだ! ……おかしい。結界も何も貼っているようにみえない」

「先に行って調べてきてあげるねっ。レニーちゃんの働きどころ!」

「俺っちも行くじゃんよ! ……ってあの姉ちゃん凄い速さじゃん……」

「いけっ、ムササビ! 上から調べて!」


 レニーが何かを放出すると、それは風を受けて上空へと昇っていく。

 レニーはそのまま教会付近まで走り、見えなくなった。


「彼女は何者だ? 身のこなしからして女性トループか?」

「秘密だよ。君はまだ、彼の仲間になったわけじゃないからね」

「じじ、自分はアネスタさんの仲間でありままま……」

「うん? どうしたんだい、エーさん」

「ぷしゅう……」


 真っ赤になっているエーを見て、首を傾げるアネスタ。

 そうしている間に、直ぐレニーが戻って来た。


「教会の中はモンスターうじゃうじゃ。地下へ続く扉の前には大きなモンスターが

二匹。結構楽しめそうだよー?」

「モンスターに見張らせているのか……? オリナス様は一体どうしたんだ」

「そのオリナスって人、もう死んでるんじゃないかなー? こんなに自然型モンスター

がいて、人間が生きていられるとは思えないよ」

「……どちらにしろこの地下にいけば何かしらの答えはわかる。

僅かでもミレーユ王女が助かる可能性があるなら、私は行く」

「ここまで来てひきかえすわけないじゃんよ。行くに決まってるじゃん!」

「そうだね。いい報告ができるよう、まずは道を切り開こうか」

「アネさん、恰好いい! レニーちゃんはボスっぽいところまで温存してるね!」

「お前たち、そんなに強いのか!? うじゃうじゃモンスターがいると聞いたが」


 教会の前まで行くと、確かに相当数なホブゴブリンやハイオークなどがひしめいていた。

 さすがにこれほど多くのモンスターが群れている場所に、突撃したいと思うものはいないだろう。


 だが……「それじゃ行ってくるね」

「まま、待って欲しいであります! 自分が盾に!」

「必要ないよ。下がっていたほうがいい。危ないよ……妖氷造形術、氷薔薇の鞭」


 アネスタの手から、薔薇をイメージしたような氷のトゲが無数にあるムチが

出来上がる。それをしなやかに動かす。さらに……「妖氷造形術、氷の塔」


 巨大な氷の塔を目の前に作ると、それに飛び乗り上空から氷の薔薇ムチで攻撃を

開始した。


「グゴオーーー!」

「ゲギャーーー!」


 次々にモンスターを氷の薔薇ムチで切り裂いていくアネスタ。

 しかしモンスターは反撃しようにもまったく届かない位置で悔しそうにしている。


 おおよそ半分以上を葬った後、くすりと笑いながらアネスタは術を行使する。


「妖氷の術、血の暴氷雨」


 鋭い無数の小さな氷が勢いよくモンスターを串刺しにしていく。

 それはまるで血の雨が噴き出すかのように、無数のモンスターは成すすべなく倒されていった。


「ふう。範囲攻撃は少し疲れるね。後はレニーに任せようかな」

「アネさんすっごーい! 楽しそう!」

「凄い……であります……自分は、役立たずだったであります……」

「恐ろしい術じゃんよ。味方でよかったじゃん……」

「驚いた。彼女とも何れ手合わせしてみたいな……」

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