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第五十二話 アルエス幻魔神殿地下

 デイスペル町外れにある、でかい建物の前に到着した。 

 アルエス幻魔神殿とやらは、たぶんここだ。

 マリーンさんに教えてもらった特徴と一致する。

 三夜の町にある幻魔神殿よりも、かなり大きい外観だ。 

 構造は似てるが別物なのだろうか。

 建物の中の様子を伺うが……別段変わった様子はみられない。

 三夜の町の幻魔神殿と同じく、ジョブを変えたりしているだけのようにみえる。

 そうすると、建物の外か? 

 しっかりしたファナならちゃんと目印を残しているはずだ。

 神殿近くをくまなく探す事にした。もう日が沈み、見え辛いが、必ず手掛かりがあるはずだ。

 探し始めて一時間か二時間程経過しただろうか。


 ファナの使用していた千本を発見した。

 非常に見え辛いが、外に置いてある樽の表に一本、そして樽を動かすと、その隅に一本ある。

 間違いなく目印だろう。

 しかし何でこんなところに……目の前には特に何も見当たらない

が……そうだ。付近をアナライズしてみよう。



 隠し扉


 アルエス幻魔神殿の地下へと通じる隠し扉

 数百年前人造的に作られたもの



 ……ここか。立ち止まっている暇はない。ファナを助けないと。

 扉をあけてみると、中は真っ暗だが覚悟を決めて進む。

 目を使わない動きこそ俺が前世で最も鍛えたものだ。

 入ってすぐは階段か。早速何かいるな。

 動きからしてモンスターの類だろう。

 暗器であるラーンの捕縛網を取り出し、前方に射出して対象の捕縛を試みた。


「ギシャアアアアアア!」


 視界には映らないソレに向けて、抜刀したカトラスで一閃。

 網越しにソレだけが切れる。

 網は意志があるように、シャラシャラと俺の腰へ戻っていく。


 今のは見張りか何かかな。

 ……そのまま地下をゆっくり降りていく。


 空間を通り抜けるような風から、部屋の広さがなんとなくわかる。

 この感覚は視覚を失った人間が経験できるものだが、音の反響や風の通る感覚で

広さがわかる。

 それなりに深いところまで続いている。

 一歩ずつ慎重にゆっくり進み、数分程降りたところに明かりがついた狭い部屋がある。

 六人……いや六匹程の集団がいる。

 こいつはきっと、ゴブリンだな。

 師匠から聞いていた通りの外見だ。

 知性はあまり感じられない動き。

 こちらにもまだ気づいていない。

 再びカチリとカットラスを静かに抜刀。

 一発も攻撃を貰わずに即抹殺しないと。

 やつらの隙を壁越しに伺う。 


 全員が後方あるいは反対を向いた! 

 最奥のゴブリンに苦無を投げつつ、左手前のゴブリンを一閃。

 百八十度回転して勢いよくその反対のゴブリンも一閃。

 そのまま正面を走りぬけ右側のゴブリンに蹴りをいれて

吹き飛ばし、左側のゴブリンをフラタニティで腹を砕いた。


 そのまま右奥にいるゴブリン二匹のうち一匹に捕縛網を使い、もう一方の苦無を投げたゴブリン

にとどめを刺す。


 蹴り飛ばしたゴブリンに追い打ちをかけて切り伏せる。

 最後に捕縛したゴブリンを切り伏せた。

 おおよそ五秒間に六匹、確実に仕留めた。


 やはりアーティファクトはとてつもない性能を秘めている。 

 より優れたアーティファクトの入手が俺やメルザの力になるだろう。




 さて……こいつらはここで何をしていたのか。

 やつらが守っていたかはわからないが、その奥の扉が気になる。

 近くにあったランタンの明かりを持ち、奥の部屋へとゆっくり赴いた。

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