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第五百四十三話 集団戦 序幕

本日より集団戦闘が開始されます。

戦闘好きの方、少々お待たせいたしました。

まだ序幕ですが四部らしい戦闘も展開されていく予定です。

「合図を出したら一斉に攻撃開始だ。出来る限り引き付ける。後衛の男爵を狙わせないようにいこう!」

「あの数相手にまったく怯まないとか、どうかしてるじゃん、あんた」

「見慣れないモンスターだ。まったく怯んでいないわけじゃない。やるしかないだけだ! 

頼むぞ、変幻ルーニー・焔」

「ホロロロー!」


 上空へ飛翔する炎を纏うルーニー。

 以前にもまして、本物の鳥のように羽ばたき、サポートしてくれる。

 

「ビー、準備を頼む」

「任せろ。ついでに数匹仕留めておく!」


 馬車の上空から身を乗り出したビーは、空高く身構え、射撃の用意を始める。

 馬車から踊り出たメナスとベニーも、戦闘態勢をとる。


「不思議な鳥ぞ。これはどのような仕掛けか」

「俺の相棒、ルーニーのことか? 仕掛けっていうのはちょっと。大切な仲間だ」

「そうか。我が愛刀と似たようなものだろう。貴族嫌いの私が、貴族のために

働く。それも貴様の望みなら、叶えてやるのもまた一興ぞ……魔の盟約にして権限を行使。

狐火、狐狼、狐魚の怪。我が意思となりて敵を討て。狐火フォア、狐狼フォルフ、狐魚フォッシュ、参れ」

「あれ、お姉さんもツインに惚れた口っしょ? けどそう簡単に認めてもらえないよ。

なにせ信じられないくらい堅物っしょ。頑張ってね!」

「惚れたとは少々異なる。トループは強さこそ全て。強い者。それは力などではなく

意志と信念。あの者が絶対的強さだと感じたのはその部分だ」

「二人とも! 話はそれまでだ。行くぞ! ビー、攻撃開始だ!」

「ああ!」


 山道上、直線のモンスターがこちらへ気づき襲い始めようとした瞬間、攻撃を開始する。

 合図とともにビーから閃光弾が発射され、辺り一面光に包まれる。

 それと同時に射出される特殊射撃武器が、複数のモンスターへ突き刺さり貫通した。


「ターゲットに反応……十、二十、三十……四十はこっちへ来る。

ベニー、ここで真化や神魔解放はできない。俺は最大限魔で戦う。いつも程の補助は

出来ないから気をつけろ」

「わかってるっしょ! いつまでもツインに頼りッきりな女じゃないっしょ、もう十分

一人でも戦える!」


 そう言うと、一直線に飛翔するモンスターの群れへと突撃するベニー。


「メナス。すまないが背中を貸してくれるか。あまり術発動の瞬間を見られたくないんだ」

「貴様は機会な術を使うが、やはり人ではないのだな」

「ああ。俺は妖魔らしい。自分の事をそこまで詳しく知ってはいない。

知るすべはあるが絶たれた状態なんだ……」

「おかしなやつぞ。だがその行為、信頼された証と受け取っておこうぞ。いいだろう。

この広い背中、使うがいい」


 両手を広げ俺を覆い隠すメナスに感謝し、術を行使する。

 

「妖雪造形術、コウテイ、アデリー、レドッピー、ブラッピー……炎造形術、炎竜トウマ!」


 突如現れる巨大な炎竜を模したそれは、現れた瞬間、口から業炎をモンスターめがけて吐き出した! 


「グルオオオオオオオオ!」

「うおお、新手が突然現れたのか!?」

「違う、俺の術だ。安心してくれ!」

「はぁ!? どうみてもドラゴンじゃないか、それ!」

「一体何者じゃん? 竜招来?」

「説明はあとだ! こいつを呼び出すかは正直なやんだ。だが……」


 トキシックエイヴィアンやそれに準ずる飛翔系鳥モンスターだけならよかった。

 どう見ても地上に大型の魔獣が複数いる。

 先ほどからビーが数十匹のトキシックエイヴィアンを墜落させているが、それを狙って山道から

降りてきたのだろうか。

 数分後には衝突するだろう。

 それまでに上空の数を減らさないと! 


「ゆけ、フォア、お主が落とした相手をフォルフとフォッシュが片づける!」

「私もやるっしょ! ドルフィン散弾」


 突撃するベニーに続いてフォア、フォルフ、フォッシュも動き出す。

 海水を纏うベニーとフォアは相性が悪いらしく、少し距離を取っている。


「ここでホー君を出すと巻き添えだな……ビー! もう一体ドラゴンを出す。

上空に出るが撃たないでくれ!」

「はぁ!? お前まだそんな切り札あるのか?」

「ああ。この大陸のドラゴンと比較すれば弱いかもしれない。だが相手があれなら

十分戦えるだろう、いけ、グリドラ!」

「……あれは……術じゃ、ない。やっぱりシーも……」


 久しぶりに解き放つグリドラは、こちらが攻撃しないでも動く。これにはハクレイ

との特訓が関与している。

 魔の使い方。魔のものを行使する方法。これこそ魔を扱える最重要点。

 俺は人としての戦い方で彼らと行動した。だから反応しなかったが、ひとたび

俺が戦闘を行えば、そこには自然と魔が行使される。

 ようは命令不足だったわけだ。


 上空へ浮かび上がったグリドラは、巨大な口からブレスを吐き始める。

 地上では炎竜トウマ、上空からはグリドラが飛翔鳥類の群れめがけて一世攻撃を開始した。


「竜招来なんてただのトループの戦いじゃないじゃんよ……」

「ジェイク。悪いな、新人なんだ俺は。普通のトループの戦い方ってやつはよくわからないんだ」

「ゴンザレスなんかが相手になるわけないじゃん、参ったじゃんよ」

「まだ準備をしただけだ、本番はこれからだ。いってくる!」


 そう言い残すと、俺自身も前線へ突撃した。

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