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第五百二十八話 二手に分かれるミッション

 コーネリウスが連れ去られて直ぐの事。また一人来客が来る。


「こら貴様ら! ちーっとも帰ってこんとは何事か!」

「マーサル隊長!? どうやって居場所がわかったでありますか? 

色々ありすぎて困っていたであります!」

「酒場の女将から聞いたのだ。一体何をしちょるか!」

「ここで隊長さん登場とは。タイミングがいいのか悪いのか」

「ごちゃごちゃになりすぎてて、どうすべきか困っていたところだ。

事情を説明しよう」


 マーサルへ事の一部を説明すると、納得したようでこう告げる。


「事情はおおむね理解した。しばらくは第七領区に仕事はない。

だが三日後には一度戻ってくるように! いいな!」

「了解であります!」

「リミットは三日か……やれやれだ」

「悠長にしている時間は無いな」


 それだけ告げると、ささっといなくなるマーサル隊長。

 彼もまた忙しい人なのかもしれない。


「さて……どのみち動き出すしかない。二人とも昨日の話は聞いていたな?」

「勿論であります! アネスタさんのためにも頑張るであります!」

「昨晩はすまなかった。もう大丈夫だ。シーの嫁さんに随分と励まされたよ」

「……振られたのか?」

「……いや。その逆だ。だが俺はまだ……」

「今は聞かないでおこう。計画がかなり狂ったが、少し練り直してみた。聞いてくれ」


 俺たちの目的は大きく分けて三つ。

 一つ目は幽閉された王女を密かに奪還。身の安全を確保する。

 二つ目は王女幽閉を企てた者の特定。そして目的の追求。

 三つ目はエビルイントシケートの流行を知らせる。これは身分が高い者の方がいい。

 

 これがあくまでコーネリウスたちと共に行動するための目的。


 そして……ツイン・シーである俺の目的。

 一つ目は闇のオーブの所在を知る王女から情報を聞き出す。

 二つ目はルシフォン・ヴァン・ヨーゼフというカルシフォン家当主の居る国への道を聞き出す。

 三つ目はそのルートの確保だ。


 これに加えて先生とコーネリウスの奪還まで加わってしまった。

 幸いレニーがうまくやってくれたようで、居場所は特定できるだろう。


「……手分けして事にあたる必要がある。王女奪還側へは洞察力に優れるビーの力が必要だ。

エーは位置特定能力が高い。コーネリウスの居場所を探って欲しい。

それぞれに俺の……嫁たちがサポートに回る。それとスピア、メナスもだ」

「シーはどうするでありますか?」

「コーネリウスは王女奪還を最優先しろと言うだろう。俺もビーたちと行動する。

第三十領区へ向かうための手段を考えないとな」

「随分と大事になったが……久しぶりに熱くなりそうだ。第七トループ、出撃ってところか?」

「そうだな。まず地図をみていこう」



 この町の最南端にある下町のエリア。次いで扇形に第一から第九までの領区がある。

 次いで男爵などが納める第十から第十九領区。

 その奥に第二十から二十三領区がある。二十四から二十九領区は存在しない。

 そしてその奥に第三十、三十一領区があり、さらに奥が王城となっている。


 縦へと進む道は存在しているが、横への繋がる道は隣同士まで。つまり二十と二十一は繋がる道があるが

二十一と二十二は道が繋がっていない。

 三十領区に向かうには、少なくともコーネリウスと知り合った二十三領区からではたどり着けない。


「二手に分かれて行動しないとどうにもならないってことか」

「上空を使えば行けるだろうが、直ぐに指名手配だろう」

「困ったであります。どうするでありますか?」

「エー。アネさんにいいとこ見せる時だぞ。エーとアネさん、スピア、レニーもそちらへつける」

「こっちは?」

「俺とビー。ベニー、メナスで行く。連絡役にファニーとサニーを待機させておくよ」

「わし、お留守番かのう?」

「老師はまだ、足がよくなってないでしょう。お留守番です」

「むむう。せめてベニーちゃんだけでも置いていってくれんかのう」

「ファニーとサニーがいるでしょう?」

「どっちも怖いんじゃよなぁ……」


 

 全員を集め、二手に分かれて行動する手はずや段取りを念入りに話し合うと、既にいい時間となっていた。

 決行は明日早朝。失敗は許されない。

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