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第五百十五話 エー、ビー、シー対銀髪の女狐

 女狐が剣を振り払うと、一斉に魔術招来したフォア、フォルフ、フォッシュが動き出す。

 ゆらめく火の狐は西寄りから、フォルフは跳躍し上空から、フォッシュは西から東へ、東から西へと

這うように移動してくる。そして……後方から女狐が襲い掛かって来た! 


「エー、魚っぽいやつを頼む。残りは俺が相手をする!」

「無茶であります! 自分が……」

「平気だ。少しだけ俺の隠し玉を見せる」


 コーネリウスの時は気づかれないように小声で出していた。

 これはもう、隠し通せないだろうし、ルーニーだけなら隠す必要もないだろう。


「錬成ルーニー。海水モード!」

「ホロロロー!」


 勢いよく飛び立つルーニー。

 後追いでアクアマシンガンを放っていくが、さすがに距離が遠く、簡単に回避されてしまう。

 だが方向を逸らすけん制には十分。

 

「無駄な事を。フォアの炎は水などで消えぬ。魂魄余命落日の太刀」


 相変わらず片側の手で刀身の先を反対側の手で押さえていた女狐。

 その手を解き放つと、刀身がゆっくりとぶれて見え、美しい弧を描く。

 すると青白いふわふわとした玉が無数に浮かび上がり、こちらへと飛翔してきた。


 魂抜き……これか!? 


「エー、シー! 横に飛びのけ!」


 後方にいたビーの叫び声をきき、防ぐ手段を模索していた俺たちは、それぞれ左右へ飛びのいた。

 その玉はフォアやフォッシュなどを追い抜き、真っすぐ直進していく。

 このままだとビーにぶつかってしまう! 


「攻撃対象は俺でいい。その方が都合がいいんだよ。

……魔の盟約にして権限を行使。

念樹の怪を我が許に。メージュ、来い!」


 ビーを中心に巨大な樹木が伸びていき、ビーがあっという間に見えなくなる。

 これは確かに狙撃手向きの招来術だ。

 自分のスタイルと見事にマッチしている。

 シーはその間に、隙をみてアクアマシンガンを女狐へと飛ばした。


「くっ。魔術招来使用者がいたか。侮れぬ」


 女狐はかちりとしょじしていた剣の刀身を叩くと、ふっ……と、飛ばした玉が消える。

 その間に飛ばした弾を回避していく。

 疑問に思うシー。今の状況、あの玉を引っ込める必要はあったのだろうか……そう、狐火と狐狼を

相手に攻撃を回避しながら女狐を見ると、剣を構え直していた。

 

 玉を飛ばしている時は攻撃を回避できないと判断したか、それとも――――そう考えつつ、熾烈となっていくフォア、フォルフの攻撃を避け続けた。


 エーは槍を大きく構え、フォッシュを全く近づけさせていない。

 しかしエーの攻撃も、シーの攻撃も一度もあたってはいないようにみえた。


「実体はあるのにあたらないであります! なぜでありますか?」

「いや、攻撃自体は当たっている。効果が薄いだけだ。相手は魔核がない魔術招来だからだろう」

「シーの言う通りだ。通常攻撃では魔術招来の相手にダメージは通りづらい! 

エー、こいつを使え!」


 そういうと、ビーがいるメージュから、エーに向け柔らかく何かが飛ばされる。

 受け取ったエーは首を傾げながらフォッシュと対峙していた。


「これは、木の実でありますか? これをどうすれば」

「食ってみな。味も悪くない」

「ちっ。あの木の男が一番厄介ぞ。あいつをどうにかするか……」


 勢いをつけて跳躍した女狐。エーとシーを飛び越えると、一気にメージュの手前まで到達した! 

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