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第四百九十四話 コーネリウス、エルゲン、フィルミナの戦闘スタイル

 二十三闘技場内は広大な空間であり、本来であるなら賭博が行われつつ、激しい試合展開を楽しめる

貴族の闘技場。各地よりの貴族が観戦を許され、トループと呼ばれる兵士たちとの戦闘光景に熱い歓声と

巨額の金貨を投入する場。

 またお抱えの兵士などを用いて優位に試合を運ぼうとする貴族も少なくない。

 現在は闘技が開催されておらず、誰一人として客はいないが、隅から隅まで清掃が行き届いている。


「やっぱ気が重いな」

「ああ、それは同感だ」

「自分もであります」

『勝つのが』


 三人はそれぞれの得意武器を携えて闘技場の奥へと進んだ。

 中央辺りでは、待ちくたびれたと言わんばかりに欠伸をするエルゲン、フィルミナ。

 毅然とした態度をとったままのコーネリウスがいた。


「遅すぎて逃げ出したかと思ったぜ。勇気だけは認めてやるよ」

「ねーえ。もう帰りたくなっちゃったぁ。帰っていーい?」

「三対三でないと試合にならないだろう。そろそろしっかりしろ、フィルミナ」


 ギロリとコーネリウスに睨まれると、急ぎ立ち上がって今までが嘘だったかのような態度となる。

 相当な恐怖心を与えられている……そんな雰囲気だ。


 戦闘状態に入るとここまで雰囲気が変わるのか。やはりこいつは強い。



「そっちは剣に槍に射撃武器か。こちらは……」


 コーネリウスは五本の指に四つの玉を挟み、それをこちらに向けて見せる。

 フィルミナはカードだろうか。エルゲンはどう見ても格闘、肉弾戦だ。

 俺の最初の相手はこいつだな。


「ルールを説明しよう。三対三。どちらかが全員降参するか、戦闘不能になれば勝敗決定。

先に言っておく。我が国の兵士だ。殺害及び重度の後遺症になるような状態にさせるつもりはない。

先ほどのやり取りでエルゲン、フィルミナがそうしないのはわかっただろう?」

「……ああ。こっちも気を付けるよ」

「はっはっは。何を言っているんだ。君らが手を抜いて私たちと戦いになるとでも? 

そっちは殺す気でこい」

「そうは言っても殺したら負けだろう?」

「まぁ、そうなるがそんなことはありえないだろう」

「そうか……」


 かなり見下されているようだ。これはさすがに気分が悪い。

 まぁ実力ってのは口で図る者じゃないけどな。


「続けるぞ。術、技の使用は自由。ただ呪いと毒は禁止だ。これはわかるだろう? もし毒の術や

技を持っているなら……だがな。それと爆発系の術と技も禁止だ。ここを破壊されると怒られるのは

私でね」

「わかった」

「他に何か質問はないか」

「俺が質問してもいいか?」


 ビーがさっと手を挙げたので、コーネリウスが頷く。


「俺たちが勝った場合、どうなるんだ?」

「ふふっ、万が一……億分の一君たちが買ったら、そうだな。君たち専用の屋敷でも

贈るとしようか。はっはっは」

「屋敷ねえ……」

「欲しいであります!」

「いらない……」



「開始位置はあの三本線が引いてある場所だ。覚悟はいいか?」

「いつでも。人を待たせてるので手短に済ませたいんだ」



 配置に着くと相手との距離を確認する。なかなかの距離だ。これだけあれば

後衛は立ち位置を作りやすいだろう。普通なら……だけど。


 外周は十分強固に造られている。思う存分暴れられるだろう。

 



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