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第四百六十一話 密談

 建物の中に人はまばらで、通りすがりにみな挨拶してくれる。

 やっぱりメルザや俺の顔はしっかり覚えられているようだ。俺はともかくメルザの美しい紅色の髪は

とても目立つ。

 町の男たちには髪色美しいランキングなどをつけている集団もいたりするほどだ。

 ぶっちぎりで一位だったのはベルディア。ツインテールが大人気で綺麗な金色の髪をしている。

 二位はメルザ。三位がフェルドナージュ様らしい。とてもじゃないがフェルドナージュ様の耳にはいれられない。

 暫く建物の中を歩いて、部屋に通されると二人ともくつろいでいた。


「やぁ。必ず来ると思っていたよ。ここにね」

「さっきーぶりー。アイドルニニーちゃんだよー?」

「いや、本当驚かされた。いろんな意味でな」

「そうか。それは何より。どうだ、飯でも食いながら話さないか」

「そういう気分じゃないが、ここで断るようなら転生者だ……とまた言われそうだな。それに

我が主は空腹のようだ」


 ぎゅるるるーーとお腹を鳴らすメルザ。ボンッと赤くなる。

 しかし正面にいるニニーからもぎゅるるるーと音がする。こちらは平然としている。アイドルだからか? 


「さて、まず何から聞いたもんかな。ニニーが俺たちの情報をキャットマイルドに流していた件についてから

聞けばいいのかな」

「その前にだ……一つ頼みがある。防音結界を張らせてもらっていいか」

「……いいだろう。怪しい動きはするなよ。俺は最大限あんたたちを警戒してたんだ」

「知っている。だからこそ気を伺っていた。そして実力を確かめていた。少し待ってくれ」


 アビオラはそう言うと、席を立ち部屋の四隅に何かを置いていく。アーティファクトか。

 フェドラートさんがいればそのような道具なしに展開できる。つまりフェドラートさんの方が優秀! 


「これでよし。ニニー。食べ物を出してくれ」

「しょーがないっなー。アイドルのハートマークつきだよー? ニニーちゃんベリーキューツって書いていい?」

「いいから早くだせ。さすがの彼でも怒るぞ」

「つまんないのー。はい」

「収納できるマジックアイテムか。いいもの持ってるな」

「あれぇー? 気づかなかったのぉ? 旅の最中も使ってたのにぃー。きゃははー、見る目なーい」

「そりゃこれでも妻を持つ身の上だぞ。ほかの女をジロジロ見る趣味はない」

「なぁなぁルイン。別にレミは見ててもいいんだぞ? 俺様別にやかねーしよ」

「そ、そうなのか。いやいやそういう問題じゃないって。一応言っとくがこっちには毒を中和してくれる

仲間がいる。毒は効かないと思ってくれよ」

「そんなの入れたりはせんよ。ほれ、見てろ」

「むぐっ。ごっくん。ちょっとー! アイドルの口にいきなりほうりこむとかぁー、ないでしょ!」

「やかましい。お前は少しそっちの娘と一緒に食事してろ。話が進まん」

「そうしてくれるとありがたい。メルザ、ちょいと先に俺が食べるから……うん、まずい」

「ひっどー! アイドルが用意したのに! 確かにおいしくないけどぉー!」

「うーん。俺様腹減ってるときは何食ってもうめーぞ?」

「あ、ありがとメルザちゃん……あなたもアイドルになれるわ……」

「だー、もう! 話がすすまん! いいかルイン君。まず我々の組織は二重スパイをしている。常闇のカイナにだ」

「二重スパイ? つまり潜入してるってことか。ニニーが?」

「ニニーだけじゃない。俺もだ。ほかにもう二人いる」


 なるほど……どうりでこいつの行動がおかしいわけだ。誰かを攻撃したりもしない。情報は微妙に

間違えてるし直接加担はしていない。かといって怪しまれぬよう行動は起こしている……か。


「……にわかには信じられないが、いくつか質問していいか」

「ああ。構わない。こちらもまだ君たちが味方になる存在かわからないからな。慎重に答えるがいいか?」

「ああ。会話の信ぴょう性は慎重に念入りに話し込まないと本当かどうかわからない部分が多いからな」


 互いの目を向き合い、俺たちは話し始めた。

 

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