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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第四章 メルザの里帰り

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第三百八十一話 ルイン対ベルド 特訓、アルキオネウスの腕輪

 訓練場に着いた俺たち。さすがにまだ誰もいないと思ってたのに、上空でセーレがビュンビュン

楽しそうに飛んでいる。ようやく羽を伸ばせる空間だからか、はしゃぎまくっているようだ。

 それを後ろからレウスさんが追いかけているのだが、追いつくはずがない。


「あーなんか、飛んでるギャラリーがいるが気にせずやろう」

「そうだな。本当に面白い場所だよここは。だからこそ帰ってきたいと思えるのかもしれない」

「そうだな……ベルド、形態の希望はあるか?」

「闘技大会を覚えているか? あの感じでいこう」

「勿論だ。わかったよ……どれだけ苦戦したと思ってる」

「よく言う。それはこっちの台詞だ。あの大会、まさか負けるとは思っていなかったからね」

「お互い負けられない理由があった。そして俺はこいつを……救えたんだ」

「ぱーみゅ!」


 封印からパモを出してそっと下ろし、端っこで見ている用に伝えた。 


「そうだったね。君は誰かを救おうと、守ろうとするときに自らを省みない。

それが何よりも強く、恐ろしい。僕らはもう、君を失う訳にはいかない。だからこそ!」


 ベルドは両手を二槍のように構えた。俺もまだ、剣は出さないが構えを取る。


『強くならないといけない!』


 両方の武器が交差する。俺はティソーナを。ベルドは二槍を出していた。

 しかし……信じられない程の腕力。ただ単純な押し合いなら確実に負ける。


「剣戒!」

「燃臥斗!」


 至近距離で幻術を放たれたが、身をよじり躱す。

 そのまま切り上げるが、当然空を切る。

 ベルドは力が強いだけじゃない。人魚族の影響か、しなやかな身体の動きを持ち、俊敏。

 そして何より……「くっ……妖楼! やはり頭の回転が速い!」

「簡単に避けられるのは君だからだよ! 氷臥斗!」

「エスパーダケマル!」


 俺が幻術を避けると読んだうえで攻撃を重ねてくる。それを避ける事もさらに想定して足場を狙い

氷の幻術を放ってきた。

 ここで単純に回避するだけなら狙い撃ちしやすかっただろうが、エスパーダケマルにより

氷を溶かしつつ追撃を防いだ。

 まったく、回避数秒での攻防にしちゃ激しい……な! 


「赤閃! 赤連閃!」

「くっ……斬撃の一発一発が信じられないくらい重い!」

「防げるだけ凄い! 黒星の鎌程じゃないが相当威力あがってるぜ、これも!」

「僕も神話級アーティファクトを手に入れた以上、泣き言を言ってはいられない! いくぞ! 

アルキオネウスの腕輪よ。今こそその力を解放しろ。ギガ・ネウス!」


 ベルドの所持していた槍が……巨大な柱のように膨れ上がり、それに比例してベルドの手も巨大化する。

 あんな巨大なもの、そうそう操れるものじゃ……。


「ぐはっ……一体何が……まさか」


 いつの間にか俺は後方へと吹き飛ばされていた。体にダメージを感じる。


「どうやらこいつは巨大化するだけで、所持者は重量その他一切変化前と同条件で使用できるようだ。

とんでもないな。神話級は。これでまだ、まるで使いこなせていないんだから」

「く……俺もコラーダやティソーナをまるで使いこなせていないんだろう。

ベルドはやはりあらゆる面での能力が高い。いきなりこれほどの威力をだせるとは」

「さぁ、君もそろそろ赤閃以上のものを使って欲しいね。特にあの……サルバシオンを」

「だめでごじゃろ。てぃーちゃんはやらんでごじゃろ」

「だそうだ。こいつなかなかいう事聞いてくれなくて困ってるんだ」

「僕じゃ戦うに値しないってことなのかな。伝説の剣よ」

「違うでごじゃろ。エーナちゃんがいなくてしょんぼりしてるでごじゃろ。元気無いでごじゃろ」

「……」

「……こいつ殴っていいか?」

「ああ。頼む」

「何するでごじゃろ! 伝説の名剣でごじゃろ! 大事にするでごじゃろ」

「はぁ。んじゃこいつはいいとして、一個だけ試したい技、打っていいか? 直接あてるわけじゃない

んだけどさ」

「ああ。こっちは試せた。構わないよ」


 俺はコラーダを掲げ、上空に放り投げた。空中でキャッチし……ベルド付近へ投げる。


「む? ただの投擲か?」

「剣戒! ……戒!」


 フッと消えた剣がベルドの正面でまた現れ、地面へと突き刺さった。


「消える剣を応用したのか! あんなもの、回避不可能だ……恐ろしい事を考えるな」

「あれに属性を乗せたりも出来ると思うんだが、難しくてな。しかしベルド」

「なんだい?」

「お前との戦闘はやっぱり楽しい。戻ってきたらまたやろう。いいか、戻ってきたら絶対にだ」

「ああ。わかっているよルイン。必ず、戻って来る。それは君も同じだ。そして僕一人の力で

どうにかしようなどと考えない。ミリルと……君たちの力を必ず借りて。一緒にライデンを、倒そう」

「ふう。ようやくいつものベルドらしい顔に戻ってよかったよ。ベルド兄さん」

「おいおいやめてくれ。幾ら君がベルディアと結婚したからって兄さんはよしてくれ。

これ以上弟はいらないよ」

「そーいやボルドやブルネイ、ビスタだっけか? あいつらは?」

「母上の許にいる。特にボルドはベルディアの事が大好きだから、噛みつかれないよう気を付けてくれ」

「おーいルイン殿。いるか? おお、いたいた」

「おやムーラじゃないか。どうしたんだ?」

「来客だ。ちょいと話を聞いてやって欲しい」


 俺に来客? はて。ベルドと二人で顔を見合わせた。

 ベルドはこの後温泉に行くようだ……俺も温泉に入りたいんだけどな。

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