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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第三章 舞踏会と武闘会

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第三百六十八話 第三第四試合混合 バトルロイヤル 目ぇ覚ませ!

「妖氷雪造形術、氷雪水路! 二人共こっちへ! 分厚すぎて貫通するのは厳しすぎる!」

「ちっ、小僧に助けられるはめになるとはな!」

「水を通す巨大な水路を造ったというのですか? これほどの物を一体どうやって想像したのか」

「前世にあったもんでね。世界最高の上下水道やダム技術を誇る国で生まれたもんで」

「小僧は島国出身だったのか? 面白そうだ。今度話を聞かせな」

「しかし、いけませんね。私もあなたも既に神魔解放を使ってしまった。後がない」

「これで数十秒は時間を稼げる。三人いれば文殊の知恵って言うしどうにかなるかなと思って」

「そりゃどんな意味だ? いや今はいい。ぶっちゃけあいつを倒した事はねぇ。ライラロの方をどうにか

しねえと多分消えねえぞ」

「術者をどうにかする……か。それなら遠隔攻撃で」

「いや、それが効かねえんだよ、物理攻撃の類がよ」

「え? それじゃどうやってライラロさんを止めたんですか?」

「そりゃおめぇ……いやいや、違う方法を模索しねえと」

「術の類は効くのでしょうか?」

「いいや、あいつは高い術耐性も持ってやがる。おまけにああなった時の速さはとんでもねぇ。

しかも意識がねぇからか、無差別に攻撃しやがる」

「つまり素早いライラロさんをどうにか捉えて意識を戻す……と? できなくはなさそうだけど。

まずはレヴィアタンの気を引く役が必要ですね」

「そちらは私が請け負いましょう。あなたたちよりは素早く動けますから」

「言うじゃねえか。そうするとルインがライラロを……」

「師匠、結婚したばかりの女性をとらえるなんて俺には出来ないので、師匠がお願いしますね。

俺がライラロさんの注意を引くんで」

「おいおい、おれぁ……」

「そろそろ限界です。いきますよ! 深淵、シャル、ディー、セイバー!」


 混沌の大海嘯の勢いが引き、どうにかやり過ごした俺たちは、それぞれ役割を決めて動き出す。

 ジェネストは一直線にレヴィアタン方面へ斬撃を放ちつつ向かい、応戦し始めた。


 さすがに混沌の大海嘯は連発できないようで、次がくるまでには間があるようだ。

 だが、巨大に大渦を巻きながら、水が地を這うように押し寄せてくる。

 俺はというと、ライラロさんの気を引くべく、遠距離系攻撃で気を引き始める準備にかかる。

 大渦は師匠が斧の斬撃でどうにか方向をそらしているが……三人がかりで手も足も出せない

状況に変わりはない。アスタリスク三の時もそうだったが、対大型への対処方法が少ない。

 この辺は今後の課題だな……。

 

「氷塊のツララ! ……本当に術の類が効かない。ツララが突き刺さるどころか見えない何かで

阻まれて当たる前に砕け散ってるよ。特殊形態による付与能力か何かか?」

「言っとくが斬撃も効かねえぞ。直接的な打撃攻撃は通るが近づくのもままならねぇ」

「気を引くなら任せてください。うざったい系攻撃の積み重ねで、効かなくても注意は引けます!」

「んな技あんのか、おめぇ」

「遠距離型ライフル……妖雪造形術、ドラゴンフライ! 氷造形術、遠距離仕様氷塊弾」


 長距離仕様ハンドガンを雪造形術で構築。こいつは以前のデザートイーグルよりかなり

飛ぶが、命中精度が悪い。ついでにビービー弾の方も強化型で飛距離重視にした。別に当たらなくても

いい。注意が引ければ十分だ。


「……なんだそりゃ。おめぇとんでもねぇ術使いに昇華してやがるな。頼りになるじゃねえか!」

「ひきつけは任せてください! ライラロさんが一心不乱に師匠を狙う意識が無いことを願います」

「安心しな。今のあいつにゃ俺が誰かもわかってねぇよ……」



 ライラロさんに狙いを定めてドラゴンフライを放つ。

 当然まともに当たらないしダメージなども通らないが、十分すぎる程の挑発だろう。

 遠目から狙う俺へ一直線に術攻撃を仕掛けてくる。


 本体は幻術使用かよ。まじでふざけた能力だな。デイスペルの大会で優勝したって言ってたけど、この人

術使いでは最強クラスなんじゃないか……? 


「赤星の吸盾! 冗談じゃない。一発一発がメルザ並の幻術だぞ……」


 ライラロさんの気を引けたお陰か、師匠はライラロさんの真下、背後方面へ近づけた。

 よし、これなら! なんか物凄く躊躇してるし首をぶんぶん横に振ってるけど、どうしたんだろう。


「くそ、何で俺がこんなことを二度もしなきゃならねぇんだ。厄日だぜ!」


 飛翔した師匠はライラロさんを真後ろから一旦羽交い絞めにすると、片方は脇に手をあてがった。

 おお……まさか抱擁してキスでもするのか? 

 いいぞ! 師匠がついに男の覚悟を見せる時だ。


「目ぇ覚ましやがれライラロ! ビンタは覚悟してやる! おらぁ!」

「ぎゃーーーはははははっははは、くすぐったい、くすぐったいーーー! いーーやーーーーー!」


 思いっきりビンタを炸裂させ、脇をくすぐった師匠は地面へと落下する。

 レヴィアタンはフッと消え去り、その場に静寂が訪れた。


 成程。つまり俺があの役をやったらああなっていたのか。

 危なかった。人妻に思い切りビンタ食らうとか、他の女性陣が黙っていないだろう。


 セーフ! 


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