第三百六十二話 第三第四試合混合 バトルロイヤル開始!
「いい勢いだが……直線的すぎる! それじゃ回避してくれって言ってるようなもんだぜ」
「違うっしょ。これでいいの」
「炎雷の終焉!」
「どわ! 危ねぇ!」
「そこっしょ!」
「ぐっ……つー、氷塊のツララ!」
「シッ! このくらい、砕いちゃうっしょ!」
「む、まずい! ベルディー! 一旦下がれ! モンスターたちが動き出す!」
「げげっ、こっち来たっしょ! じぇねちゃん助けてー!」
「じぇねちゃん? 私の事でしょうか……こちらは強力な相手と対峙中なのでご自分でどうにか
してください!」
「はっはー! いいじゃねえか。おめぇさん、つええな。こりゃ楽しみだ」
「この浮気者ー! 何してるのよベルディス! あんた一体何者なわけ!」
ベルディアの勢いある攻撃に合わせてイーファがタイミングを見て攻撃する。
いいチームワークだ。
ジェネストは師匠と対峙中……最もやばい奴らが争ってくれてる間に、どうにか有利な立ち位置を
用意しないと。
あれ、イビンとメルザがいないぞ? どこいった?
「待て待てー-! イビン!」
「ひぃー、どこまで追ってくるのー!?」
「……あの子、場外って知らないのかしら」
「それを聞いても多分、なんだそれ喰えるのか? って言われるぞ」
「そうよね……そういう子よね。はぁ……」
「はぁ……」
メルザは場外に降りたイビンを追いかけていた。完全にリングアウトだ。
そしてテーブルの前で立ち止まって肉を食っていた。
我が主は本当に自由奔放です。腹減ったって言ってたしな……無理もないか。
「ファナ、俺たちで頑張ろう!」
「そうね! コウテイ、借りていい?」
「っていう前にもう抱きしめて乗ってるよな」
「ウェーイ!」
「アデリー、ハーヴァルさんを翻弄できるか? 背後にいる相手で一番厄介なのがハーヴァルさんだ」
「ウェィ!」
「イーファは……スライム変身してベルディアの武器になったか……こりゃやばそうだな」
「今度はこっちが連携する番よ。弓で援護するわね」
「ああ、頼む!」
俺のター君、ホー君の攻撃を回避しながらこちらへ突っ込んで来るベルディア。
ター君は氷、ホー君は炎での攻撃が得意だが、さすがに見切られやすいか。
しかしどちらも攻撃をしかける敷居が高いモンスターだ。特にター君は物理的攻撃がほぼ効かないだろう。
俺も対峙したくない相手だ。
「厄介すぎるっしょこのモンスター。味方なら心強いのに!」
「ベルディー。術攻撃は私の鎧を着ていればおおよそ防げる。しかしベルディーは細いのに出るところは
出ているね」
「ちょっとイーちゃん! 真面目にやってっしょ!」
「すまない。ファナの矢が飛んでくるよ!」
「シッ! こんなの余裕っしょ。絶対負けないし」
「ルイン、こっちは後私がやるわ!」
「本気かファナ。相手はベルディアにイーファだぞ?」
「平気よ。私筆頭だし」
「はぁ!? ふざけんじゃないっしょ!」
「かかってきなさい! ベルディア!」
ファナがアルノーから牛鬼に変身して暴れ出す。こりゃ止めても聞かないな。
「ファナ! 無茶はしすぎるなよ! イーファ、ベルディア。お前たちもだ!」
そう言い残してジェネストたちがいる方面に向かう……あれ? ハーヴァルさんはどこだ?
「まさか……セフィアさんが離れすぎて場外に?」
「いいや、こっちだよ! ゴリアテ! フルッシェンブルグ!」
「っ! 妖楼! まったく気づかなかった! ターゲットにも反応なしかよ!」
「いい技もってるじゃないか。奇襲で仕留めるつもりだったが」
恐ろしい程のでかい剣の一閃を慌てて回避した。
いつのまにか現れたハーヴァルさん。あれもハーヴァルさんの能力か?
「お前さんとは一度サシでやりあってみたかったんだ。本当はイビンが先の予定だったんだが……」
「俺もですよ。勝った方とどちらか……とは思っていたんですけどね……剣戒! 封剣!」
「にゅーん。ティーちゃん登場でごじゃろ!」
俺は二本の剣を出し、ハーヴァルさんへ身構えた。
「ハーヴァルさん。この距離……悪いけど利用させてもらうよ。アナライズ!」




