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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第三章 舞踏会と武闘会

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第三百四十二話 第一試合 本物は……

「なんと、絶対神イネービュよりエークシ選手に離脱の表明があがりましたぁー! ちょっとドーグル、武闘会のルールを読んで!」

「まったくちみは……今大会のルールでは、まず致命傷となる負傷を行った場合消耗が激しく、離脱を宣言される。この場合残り人数で戦うようになるため、早めに離脱させた方が有利だ」

「そう、そうだったわね!

そうだったわね! 致命傷を負っても復活できちゃうからね! 戦える傷かどうか判別は私たちには出来ないし。加護で復活したかどうかはあの絶対神にしかわからない……わよね」

「恐らくそうだろう。それと、場外に落ちたものも離脱だ。後は恐らく絶対神が行動不能とみなした

者も敗退だろう」

「つまり審判は絶対神って事かしらね」

「そうであろうな。なにせ他の者に務まるような大会ではあるまい。死してなお蘇る舞台など、ここ以外

ありはしない」


 大会のルールを再度認識したが、さっきの灰色の空間を展開する前に放った邪眼。それを灰色の空間で

消し去りながら移動出来る場所を減らし、さらにどちらかが確実に移動しなければならない場所を作り

定点で放った青銀色籠手蛇。そこからさらに邪眼を使用した……なんてうまい使い方だよ。


 だが……リルの方は神魔解放の模倣を解除している。相当に消耗するのだろう。

 膝をついたまままだ立っていない。


「隙ありだよ! 遠きものの道!」

「うあああああーーー!」

「リルさん! やめてーーー!」


 クインとニーナで取り囲み、以前に見せたとおりゃんせで攻撃を加えるが、加えた先の遥か後方に

ぶれてテーセラが見える。こいつの能力……妖楼の術に似ている! 直接攻撃で攻めるのは得策じゃない! 


「カノン! そいつは近くにいるようで遠い! 一直線に伸びるような攻撃でやるんだ!」

「おや、場外からにしては随分とやばい助言だね」

「私、そんな攻撃、出来ないよ……」


 しかしカノンが攻撃したためか、リルに近づこうとしなくなったテーセラ。

 一体何を……? 


「くっ……意識に何か埋め込まれた……ま……さか」

「はい、本物のカノンはどっちにいるかなー? 追いかけて探してみてね」

「き……さま……」

「リルさん? まさか幻影が見えるの? 私はこっちよ!」

「違うわリルさん! そっちは偽物よ。私はこっち! ほら見て、クインとニーナにだってなれるわ!」

「違うわ! そもそも今クインとニーナになる必要なんてない。あなたを優しく包めば私だってわかるわ!」

『リルさん!』

「これ……は、幻影なんて騒ぎじゃない……ね。どれも、どうみても、本物のカノンだ」

「ふっふーー。そりゃそうだよ。数秒前の彼女をコピーしたんだからさ。全部本物だよ」

「……へぇ」

「なにさ、そのへぇって。ちょっと気に入らないね。ペンデみたく実体そのものにはなれないけどさ。

かく乱でこのテーセラを上回る者なんていないよ!」

「君さ。喋りすぎだよ。僕はお喋りが好きだけどさ」

「なっ……なぜ本物が……わかった……」

「数秒前の彼女をコピーしたんだろう? よく見て見なよ」

「服を自分の血で!? それも偽物かもしれないじゃないか!」

「僕のために自分を傷つけてまで行動するのがカノン。でもそれは、今の僕を見て彼女が思う行動だからさ」


 カノンは右手を傷つけ血を目印とし、リルに駆け寄って回復させる。


「させるかぁーー!」

「あーあ。君から近づいてどうすんのさ。邪眼!」

「あああーーー! だけど、君の大切な子、道連れに、したよ!」

「なっ! カノン、しっかりして、カノン!」

「リルさ……ごめんなさ……回復中、動けなく……て」


 カノンがつかんでいる手をテーセラがナイフで刺していた。先端が紫色……どう見ても毒だ。

 両者共にぱたりと倒れる。

 リルは大分回復したが、まだ膝をついたままだった。


「カノン、テーセラ。両者共に離脱だよ」

「あれ、私……なんともない。疲労感も」

「……遅効性の毒だから。けれど死んだ事にはなるでしょ。だからいいの」

「あなた……苦しまないようにしたかったのね」

「はいはーい。負けちゃったから何も言わないー。諦めてくれなかったしねー」

「これならリルたちの勝ち……か?」


 そう思ったがイネービュは勝利宣言をしていない。つまり……そうか! カノンが負けたから、あいつが

――――出てくる! 



 カノンに封印されたツボが砕け散り、中から出てきたのは……サラと変身が解けたペンデだった。


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