第三百三十五話 どうなる武闘会
次々と来る祝辞なども終え、再びメルザたちの許へ行き、先ほどの話をした。
「へぇ。それなら僕はアルカーンの方へ行くよ。あっちも大変だろうしね。
もし先にベルローゼと会ったらそう伝えておくよ。どうせ彼はしばらく別行動してる
だろうけどね」
「私もリルさんについていくね。その……ルインと一緒に居たい気持ちもあるんだけど」
「リル、カノン。二人は新婚旅行に行ってきなよ。二人とも俺の家族なわけだが、そこは
あれだ。ばっちり結ばれてこい!」
「よくわからないけど、ありがとう。そうさせてもらうよ」
「お兄ちゃん、私は……」
「サラはルインを支えてやりなよ。大丈夫、フェルドナーガがそんな軽率に攻めてくるとは
思えない」
「うん……でも気を付けてね」
「わらとレウス殿はルーンの町で少しやることがある。ちみのモンスター牧場の拡張だ」
「俺もついていきたいんだけどな? あっちも大事だよな! な!」
「そうだな。ドーグルにはいつも世話になりっぱなしだし。レウスさんは世話焼きっぱなしだけど」
「だっはっは! 一本とられたな? な?」
「とってないって。取られてるほうだって……まぁいいや。
イーファはどうするんだ?」
「ニンファの手助けに回ろうと思う。王政をこなすにも困ることはあるだろう。
今のうちしっかりと教育をしておきたいのだ」
「ファナやパモ、ベルディアは……俺たちと行く気満々だな。キゾナ大陸の調べ物はどうした
もんかな。あそこの状況、どうなってるんだろ」
「そっちは俺とセフィア、イビンに任せてくれ。ちょうど用事があるんでな」
「セフィアがいくなら俺もいくぜ! 町は野郎どももいるから安心だしな」
「ハーヴァルさん、ルシア、セフィア、イビン……悪いが頼むよ」
「俺とシュウは町の警護とジャンカ村の警護を引き受けよう。まだまだ差が開いたままだ。
君が戻るまでもっと腕をあげておくからな!」
「そーいや腕で思い出したが、武闘会があるんじゃ……」
そう思いイネービュの方を見ると、ちょうど目があった。
手招きをしている……と思ったら目の前に引っ張り出された。神力が凄い……。
「さて、そろそろ武闘会を始めたいと思う。人の切磋琢磨する姿は美しい。
選抜は君がしてくれて構わない。術の使用も認めよう。
そして、君が勝ちあがったらいい贈り物をしようと思う」
「いい贈り物? ブレディーか?」
「それは先ほど伝えただろう? そうだね。勝ち上がったらのお楽しみということにしようか」
「? あ、ああ。わかった。こっちはなんか戦いたくてみんなうずうずしてるんだよな。
神の遣いたちも戦うのか?」
「ブネと私以外は参加予定だ。大きな闘技場を用意しよう。
ルールなどはそうだな……君たちが行ったことがある大会のルールでいいかな」
「三対三の団体戦か?」
「それも悪くないね。そうしようか。
エーナ、ディオ、トゥリス、テーセラ、ペンデ、エークシ、エプタ、オクト、エンネア。
ちょうど九柱いる」
「神の遣い三柱とやり合うって聞いたら、あいつらテンション上がりそうだな……それじゃ
こっちのチームを考えるから、少し待ってくれないか? 紙と執筆用の物があると
助かるんだが」
「はい、これをあげよう。いいものだよ」
「……ガラスペンか。美しい装飾だ。前世でも好きで集めていたな」
「工芸品はこのゲンドールにあまり普及していない。
君のいた星……地球では随分とこの手のものが広まっているね。素晴らしい文化のある
星だ」
「こういった工芸品は、神でいうところの切磋琢磨した賜物ってやつか。
俺も精進してみよう」
イネービュから美しいペンを受け取ると、みなのところへ戻り、参加者と
三人一組の組み合わせに頭を悩ませた。




